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そろ~りそろ~り...【ヌスビトハギ・アレチヌスビトハギ】

こんにちは、うりぼうです。

季節もかなり秋に入ってきましたね。朝晩の冷え込みがちょうど良く、お布団が気持ちのいい季節に入ってきました。

とはいえ、日中はまだまだ暑さも残ります。お散歩していたら汗もだらだら。それでも真夏と比べると木陰が気持ちいいので、お散歩したくなります^^

さて、今回はくっつき虫の一つ、「ヌスビトハギ」「アレチヌスビトハギ」を紹介します。

くっつき虫!

くっつき虫といえば、いろいろな種類がありますよね。

去年の秋にくっつき虫の一つ「コセンダングサ」を紹介しましたが、その時くっつき虫でよく見かけそうなものをピックアップして、紹介しました。

こちらです!

くっつき虫

「コセンダングサ」は左下の茶色いくっつき虫でした^^

(noteを始めたばかりの時の記事で、今読むとこっぱずかしいですが、興味があるかたはどうぞ^^;)

今回紹介するくっつき虫は、右下の豆みたいな形をしているものです。小さい時に服につけて遊んでいた方も多いのではないでしょうか。(私もその一人です✨)

ではさっそく見てみましょう。

アレチヌスビトハギ

まずはよく見かける「アレチヌスビトハギ」紹介しますね。

「アレチヌスビトハギ」は北アメリカ原産でマメ科ヌスビトハギ属の植物です。

今の時期、道端で赤紫の花を見かけるとしたらほとんどこれじゃないか!?というくらいにあちらこちらで見かけます。

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道路脇にわんさと咲いている姿は、何となくかわいく見えますが、これが全てくっつき虫になるのだと思うと「もう少し秋が深まったら近づくのはよそう」という気分にもなります^^;

花はいかにもマメ科という感じの花です。花の中央にある模様が目に見えてきて、どことなく生き物のようにも見えます。(泳いでる最中のイカ?)

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果実である平べったい豆はもちろんおなじみにアレです。

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ところでなぜこの豆はくっつくのでしょう。触ってみると不思議とべたべたはしません。どちらかというとザリザリが近い感じです。

この触感にヒントがありそうです。拡大して見ましょう!

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わ!毛がたくさん!

実はこの豆、かぎ爪状の毛を持っていて、それが引っかかりくっつく仕組みなのです。

マジックテープを想像してもらうとわかりやすいかもしれませんね^^

名前の由来は「ヌスビトハギ」に似ている、荒れ地に生える草だからだそうです。

では次にその「ヌスビトハギ」を見てみましょう。

ヌスビトハギ

こちらは在来種で、「アレチヌスビトハギ」と同じくマメ科ヌスビトハギ属の植物です。

私の周囲では道端で見かけたことがありません。

先日たまたま神社の裏手で見つけたのですが、豆ができる頃に再び訪れると、手入れのため見事に刈り取られていました(T-T)悲しい...

もう紹介できないかも...と思っていたのですが、ついこの間近所の山に登ったらいましたよ!

「アレチヌスビトハギ」がふわっと華やかな感じなのに対し、とても小さな花を咲かせる「ヌスビトハギ」。

雰囲気は「ミズヒキ」にも似ています。(花はマメ科ですが^^;)

こちらです!

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全く違います。とても繊細できれい!

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先ほども書きましたが、花はマメ科らしい花ですね^^

「アレチヌスビトハギ」の花はすべて赤紫色でバーン!という強い印象を与えるのに対し、「ヌスビトハギ」は淡いピンク色、下部が濃いピンク色で控えめな印象です。

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はて?これのどこが似てて「アレチヌスビトハギ」の名前になったの?全然違うじゃん。

というお声がどこからか...。

葉っぱのグループが3枚とかいろいろあるとは思うのですが、素人目線では、やっぱり果実を見ると仲間かな?と思います。

ではその果実...つまり豆を見てみましょう。

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おや、よく似ている。けれどなんだか豆の数少なくない?

そうなのです。「ヌスビトハギ」と「アレチヌスビトハギ」の一番の違いは豆の数(「小節果」といいます)です。簡単にまとめました。

・アレチヌスビトハギ:3~5個の豆でひと房
・ヌスビトハギ:ほとんどが2個でひと房

また、豆の毛の数も「アレチヌスビトハギ」の方が多いそう。つまり運んでもらえる可能性が高くなるわけです。

「アレチヌスビトハギ」が「ヌスビトハギ」よりもたくさん見かけるのも納得です。

今回紹介しませんが「ヤブハギ」という野草は「ヌスビトハギ」とよく似ているそうです。「ヌスビトハギ」の変種とも言われています。
違いは葉っぱが上までついているか、下の方で留まっているか。

「ヌスビトハギ」は花の近くまで葉が生えています。
「ヤブハギ」は葉の茎は伸びず、花の茎をうんと高く伸ばして花をつけます。

豆の数は「ヤブハギ」も二つです^^

比べてみよう!

■ 花の比較

まずは、写真ではわかりにくい花の大きさを比べてみましょう!

とはいえ、同じ場所には咲いていなかったので、1円玉で比較です。(指はお気になさらずで...)

【アレチヌスビトハギ】

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【ヌスビトハギ】

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だいたい一円玉が同じサイズになるように画像を切り取ったのですが、全く大きさが違いますね!

ただ、マメ科っぽいお花という点では同じです^^

■ 葉っぱ

続いて葉っぱですが、こちらはもう明らかに形が違います。

【アレチヌスビトハギ】

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【ヌスビトハギ】

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同じ植物の仲間ですが、比べてみるとずいぶん違うものですね。

種のでき方など、専門的にはきっと同じ仲間なのでしょうけど、同じ仲間でも個性はあるんだな、と改めて感じました^^

「ヌスビトハギ」の名前

ここまで二つの植物を比較したりしてきましたが、最後に名前について紹介したいと思います。

まずは「ヌスビトハギ」の「ヌスビト」についてです。

ヌスビト=盗人です!(あ、終わってしまった^^;)

少しお話しすると、泥棒が忍び足でそろーりと歩くときの足跡が果実の形に似ているから、というのが定説のようです。

つま先で歩くような感じかしら?想像ですがこういうこと?

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なんか違う?
イメージということで^^;

他にもいろんな説があるようですが、ここでは定説だけの紹介にしておきますね^^

「ヌスビトハギ」の「ハギ」は花が萩の花に似ているからだそうです。

つまり漢字で書くと「盗人萩」「荒地盗人萩」という表記になります。

「ヌスビトハギ」の控えめな感じの花からは想像できない、ちょっと物騒な雰囲気が漂ってきます。もうちょっとかわいい名前でも良かった気が……^^;

さいごに

今回は「ヌスビトハギ」「アレチヌスビトハギ」を紹介しました。

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初めて「ヌスビトハギ」を見た時、ほんとうに綺麗な色の花だな、と思いました。

そして「ヌスビトハギ」だと知らなかったとき、ミズヒキの仲間かしら?それともタデ?と思っていたのですが、明らかに花がマメ科だったので、調べたあとは「あの豆の仲間か!」と納得しました。

私の中では「憧れの清楚なお姉さん(大正時代)」という勝手なイメージに仕上がっている「ヌスビトハギ」。

いつか見る機会があれば観察してみてくださいね!

「アレチヌスビトハギ」はいいのか悪いのか、関東以西であればきっとどこでも見れます^^;(東北地方にはまだ入ってきてないっぽいですが、北海道にはすでにあるそうです。)

豆に触る機会があればぜひともザリザリ感を感じて頂ければ、と思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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