最近の記事

理解の産物

天文学が好きです。 完全なる趣味ですが、時に応じて集中的に、或いは片手間になりながらも、ずっと研究してきました。 もっとも感動的なのは、 断片的な知識が有機的に繋がり、 一瞬にして脳内ですべてが繋がる瞬間です。 これらは一般的な表現では、「理解した」「閃いた」などと言われるかもしれませんが、実際はそんな言葉が空虚に感じられるほど、深淵で神秘的な瞬間です。 おそらくは、一つ一つのプロセスが秩序立てられた結果起こる化学反応ですが、繋がる瞬間までは、意識に浮上してくることはありま

    • 抱えきれない重荷

      〈この話はフィクションです〉 「君はどうしてそんなにやる気がないんだ。  自分の将来なんだぞ。 このままでいいとでも思ってるのか!」 「えっと…。い、いえ。  (あんたに言われなくても、わかってるよ)」 「君が頭の良いことは知ってるんだ」 「いえ、ちがいます。  (私の何がわかるの?  まともに本心すら話す気ないわ)」 「君の家庭環境が悪いことも知ってる。 でもな、それを行動しない言い訳にしちゃいけ ないんだ。」 「…。  (私がいつ言い訳したと言うんだろう。 な

      • この一歩

        『もう、ダメかもしれない』という状況のとき、 絶望的とも思えるその状況だって、 実はギリギリのところなのかもしれない。 あと一歩進めるか、 あと一分考えられるか、 あと一回出来るか、 にかかっている。 瀕死の一歩を踏み出したとき、 そこはトンネルの出口だった。

        • 夢と覚醒のあいだ

          あるとき、重層的な夢を見た。 夢から醒めても、 それもまた夢であり、 幾重にも折り重なった夢を遊行しながら、 不明瞭な世界をさまよっていた。 夢のなかで、意識だけの存在でいることは脆い。 早く目を醒ましたいから、身体を探し始めた。 まるで身体性を試着するかのように、 次から次へと変化(へんげ)する夢の世界で、 自分の意識と身体の統一性を探し始めた。 意識と身体が完全に一致したとき、 元の世界に目覚めることを知っていたからだ。 夢から夢へと押し出され、 次元の異なる世

        理解の産物

          もしかしたら人間は、 不安など幻想だと気付くために、 あえて不安を作り出すのかもしれない。

          もしかしたら人間は、 不安など幻想だと気付くために、 あえて不安を作り出すのかもしれない。

          もはやスペックさえもかなわない

          資本主義が隅々まで行き届いたこの国で暮らしていると、 いわゆるスペックの高い人は間違いなく優位性を有している。 この『スペック』という言葉の意味内容は、 男性と女性では多少異なるのかもしれない。 ただ、私は女性としてどうしても言いたい。 ハイスペックな男性は、 相対的にedgeを有しているから、 当然ながら異性にモテるだろう。 しかし、 スペックをも凌駕する個人の本質的魅力に接したとき、 私は一瞬にして女になってしまう。 正確には、女性であることを自然と思い出してし

          もはやスペックさえもかなわない

          秘部のトキメキ

          もし生殖行為に気持ち良さという快楽が与えられなければ、 人類はここまで繁栄しなかったかもしれない。 人間は社会的動物だが、 生殖行為は本能そのものであり、 連綿と続いてきた普遍的行為だ。 互いの秘部を出し合い、結合する。 性的接触のみならず、エネルギー交換もしている。 これこそが、 人間として生きている喜びの一つであり、 単なる快楽を越えた神聖さを持ち合わせているように感じる。 もしかしたら、 男性も 女性も 生まれたときから自分にぴったりと結合する秘部を探し続け

          秘部のトキメキ

          もしあなたが生殖細胞なら

          こんばんは。大宮りかです。 以前『もしあなたが生殖細胞なら』という題名で 投稿させていただきましたが、 今回はその完結編になります。 要は、『もし心からやりたいことがあるなら、 たとえ周囲に理解されなくても、 やってみようよー』という話です。 話の設定など突っ込みどころ満載ですが、 そこはエンタメで(笑)。 『もしあなたが生殖細胞なら』 現在、人間は集団を作って生きています。 たとえば、会社や学校。 たとえば、地域。 たとえば、国家。 最終的には、地球。 そして、こ

          もしあなたが生殖細胞なら

          世界がひっくり返るとき

          人生において、これまで自分が生きてきた世界とは対極の世界を生き始めるタイミングを転換期というのかもしれない。 世界がひっくり返るといっても、 目に見えている世界は変わらない。 それは、これまで苦しみをベースに生きてきた人であれば、安らぎを得られる生き方に変わるだろうし、逆もまた然りだ。 ベースとは、大前提のことである。 勿論、苦しみの世界を生きてきた時期であっても、 日常のちょっとした嬉しいこと、ラッキーなことはあるだろうし、 自分らしい充実した世界を生きてきた時期で

          世界がひっくり返るとき

          はじめに衝動ありき

          責める人というのは、 いつだって責めることの出来る機会を探している。 例えば、誰かがミスや失敗したとき、 ここぞとばかりに責める人がいる。 そういう人は、自分の内部に責めたい衝動があるから、たまたま相手の過失が刺激源となり、責めを発動するのだ。 ここでポイントになるのは、 相手の過失はあくまでキッカケにすぎず、 それが原因ではないのだ。 責めたい気持ちは、既にあったのだ。 本人さえ気付かない無意識の怒りをどこかで噴出させたい。その感情表出の機会を虎視眈々と狙っているのだ

          はじめに衝動ありき

          もしあなたが生殖細胞だったら

          人は自分らしい生き方ができていないとき、 様々な問題が起こります。 その問題というのは、 『自分らしい生き方』をしていないというサインとして、目の前に出現しているのですが、 そのあらわれ方は千差万別。 いわば根本的な問題から派生した具体例として、 手を変え品を変え、次から次へと問題がやってくるものです。 そんなときに、 目の前の問題だけにとらわれて、 目の前の問題だけを解決しようとするから、 目の前の問題がどうにもならない…。 ということが往々にして起こるのです。 そ

          もしあなたが生殖細胞だったら