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産休3ヶ月目、デスク欠乏症

 すでにママになったひとたちの体験談として、仕事を離れて、自分がいかに仕事漬けになって生きてきたかを知るというものがある。だが、わたしの場合はそれが「ああ、なんでわたしってこんなにあくせく働いてたのかしら。これからはもっと自分や家族のために時間を使いたいわ」というのとはニュアンスが違う。

 たとえば子育ての合間に久しぶりにボールペンで文字を書くと、強烈に紙やペンが恋しくなる。家に届いた郵便物の整理をしていると細かなタスクをいっぱい思いついて、それを付箋とかにまとめて消し込みたい衝動に駆られる。当然、TVなどで仕事に関係するものごとに触れると、一時的に脳みそが子育てから離れようとする。自分が産休前に職場で作り上げていたデスクを思い出すと懐かしさで胸がいっぱいになる。デスクでしていた仕事の内容ももちろんのこと、紙やペンや電話、カレンダー、書類にまみれて過ごしていたことがこれほどまでに好きだったとは思わなかった。それ、本当に「好き」なの?とか言われそうだが、いやマジで「好き」以外の表現方法が思いつかない。で、これは自分の子どもを愛しているのとは当然まったく別であり、同時に成立するものであるので、誤解なきよう。


 そういえば必要にかられて自宅の書斎スペースを復活させた(産前産後のバタバタで、長らくいろいろなものを積みっぱなしになっていたのだ)とき、妙な安心感というか、俺の城が復活した、ような嬉しい気持ちになったのは、デスク欠乏症が一時的に緩和されたからなのではなかろうか。キッチンのデスクで夫の仕事のサポートをしているときにはこういう感覚は無いので、おそらく「自分のスペース」であるという事実が重要なのだろう。

 子がまだ2ヶ月にもなっていないので、中々そこで作業をすることはできてはいないが、そこに「俺の城」があると思うだけで、依り代を手に入れたような充足感があるから不思議だ。これまで無自覚だったが、デスクで過ごすだけでストレス解消になるのだとしたら、子の寝たタイミングを見計らって少しづつ自分にデスクを与えてあげるようにしよう。インドア派ここに極まれり、であるが、かまやしない。外出もいいもんだが、デスクで文具に囲まれて過ごすのが性に合っているママがひとりぐらいいたって、いいではないか。

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