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吹奏楽コンクール地区・県大会のたび 2023

 コロナ禍もだいぶ収束して、ゆるゆると予選大会めぐりの旅を再開しました。とはいえまだ子供も小さく、夏は本業の繁忙期でもあるので、ひとまず日帰りで行ける範囲に絞っております。感想というより備忘録のため、あまり面白くないかもしれませんがおゆるしください。

 ほんとは7/24に滋賀の南部地区大会(守山市民ホール)に行くつもりが、病み上がりだった息子が心配でやむなく断念。熱は下がっていたものの、滋賀までは新幹線で片道4時間の道のり、帰れなかったら我が家が壊滅状態になるのは明白だったので、まだ来年…!スケジュールがあえば…!!

7/27 神奈川県 湘南地区(中学A部門)

 とっくに地区大会が終わっているぞ、という県もあるタイミングですが、じぶん的にはこの日が初日。

前日にはねんのために抗原検査もし、準備万端!

 気温は34℃〜の猛暑日、JR茅ヶ崎駅で降りて、北口から茅ヶ崎市民文化会館を目指します。暑いけど一本道なのはありがたいですね。おおきな幹線道路をアンダーパスでくぐって、ひたすら直進。バスとかもあったのかかもしれませんが、でっかい日傘持参で頑張りました。

茅ヶ崎市民会館 正面

 周囲には市庁舎や図書館なども立ち並び、市の機能が集約されている感じがします。
https://maps.app.goo.gl/5ddSBoddqoXN12aU9?g_st=ic

 会場にひとたび足を踏み入れると、生徒さんたちの熱っぽいざわめきや緊張感がホール中に満ちていて「そうそう、これこれ」と一気に色々思い出しました。
 湘南の中学生たちは全体的にのびのびとした演奏で、ステージマナーもいたって平均的。福島弘和、片岡寛晶、ギリングハム、グリエールなどを聴かせていただきました。中学A編成の部だったのですが、平均して30名前後のバンドが多いようでした。

 お昼休憩まで聴いて茅ヶ崎をあとにし、JRで一路北へ。といっても東北地区のコンクールはもうすでに地区予選が終わっていますので、埼玉県の地区大会へお邪魔しました。

7/27 埼玉県(高校C部門)

 南浦和駅から徒歩8分、、、先程にもまして強まった日差しの中をまたもや銀色の日傘に助けられながら歩き、さいたま市文化センターへ向かいます(ここも駅前からバスがあるので、歩きたくないかたはご利用を。この日はハシゴだったこともあり、1つでも多く団体を聴きたかったので、頑張って歩いちゃいました)。

さいたま市文化センター

 埼玉県は全国の都道府県の中でも特に吹奏楽の盛んな地域です。ただしこの日聴かせていただいたのは、C部門。20名以下で、県大会はありません。 これとは別にD部門というのがあって、同じく県大会はないのですが、人数制限もありません。C部門では平均10名以下のバンドが中心でしたが、D部門ではもっと少ない人数のバンドから100名越えの超大編成までさまざま登場します。
 フレキシブル編成の作品を中心に聴かせていただきました。内容というより最も強く印象に残ったのは、ホールの大きさと編成の不釣り合いなことでした。2006席の大ホールの真ん中に数人だけの部員。審査員ははるか彼方の2階席。上位大会がなく、参加することに意義があるのだとしても、自分たちの演奏がより良く聴こえる会場で……たとえばおなじ埼玉県内にだって、もっと室内楽などをやるのに適切な中型ホールがあります……演奏できたら、どうだったでしょう。
 長年この会館でコンクールをしている慣れやブッキングの都合もあるとは思いますが、近年、ホール練習などもよりメジャーになり「演奏会場」に目を向けるバンドが多くなる中、再考の余地があるんではないかな、と感じました。埼玉には超大規模な吹奏楽部が多いので、少人数のバンドにはなかなか目が向かないのかもしれませんが。

左:神奈川県地区大会総合パンフ
右:埼玉県地区大会総合パンフ


7/31 新潟県大会(高校B部門)

 2019年は産休&育休、2020年~2022年はコロナ禍&育児&業務多忙でいけませんでしたので、じつに5年ぶりの遠征です。日帰りではありますが、新幹線で知らない駅に降り立つと、体中をわくわくが駆け巡ります。

降り立った長岡駅。東京よりも2〜3度体感温度が違います…!

 会場である長岡市立劇場は、バスもしくは自家用車で行くことを想定しているようです。
 駅前でバスの券売機を発見!とりあえず買ってみたのですが、よくよく時刻表を見たら適当なバスがなく、、仕方がないのでタクシーで向かいました。女性タクシードライバーさんといろいろお話ししながら、実は翌日から大きな花火大会があるので、街はまだ静かなんですよー、などの情報を得ました。ちょうど長岡市立劇場のすぐ近くに会場ができるそうな。混み合う日で無くてよかったと、ほっと胸を撫で下ろしました。

越後交通バス 金額を選んで買うタイプの券売機でした

 のどかな地方都市の中を抜け、10分ほどで現場入りできました!
 団体は上越・中越・下越・佐渡と、県内各地からきている様子。わたしは県内の交通情報には明るくありませんが、長岡は中越なので、ある程度は集まりやすいのでしょうか。とはいえ佐渡は船でしょうし、早朝なのか、前泊なのか、、
 人数的にはものすごく少ない学校も、逆にものすごく多い学校もあまりなく、40〜15人程度のバンドが中心でした。高校Bの部なので、課題曲は聴けずでした。

劇場入り口、外観はとてもシンプル。
裏にも搬入導線があったのですが、正面入り口からも積み下ろしをしていました。

 昼休憩になりました。近くにコンビニは発見しましたが、ホールのロビーは荷物and楽器置き場に利用されていて、あまり一般客のいる場所がありません。部外者がそこでお弁当をひろげるのには抵抗があり、どこかないかなーとマップを眺めましたら、ちょっと歩いたところにラーメン屋さんを発見!

冷やしラーメン、さっぱりいただきました!
らーめん勘四郎さん
なんとこの10月で閉店なさるとのこと。常連さんの多い、明るい感じのお店でした

 しかしわたしはなぜ、わざわざ長岡まで来てラーメンを食しているのでしょう。。美味しかったんですがね。
 ホールに戻って、もう少しだけ聴いたところでタイムアップ。日帰りの悲しさ、新幹線の時間があるので15時ごろまで聴いて会場をあとにしました。バスはやはり上手く使えず、電話で迎車をお願いしました。

劇場前のタクシー乗り場

 そういえば、ホールの客席はちょっとレトロな鉄製だったのですが、座席の裏面に、地元の方々からの公募で集めた、発表会にまつわる短歌?的なものがとりどりに貼られていました。何ヶ所か回ってみましたが、全部違う句でしたので、席数ぶんあるのでしょうか。地元に根付いた、利用者の雰囲気が感じられる良きホールでした。

8/19 東京都(大学部門)

 課題曲で修論を書いた身としては、このシーズンあまり課題曲を聴けずにいるのがもどかしく、急遽日程を追加! 東京都大会は何度も通っていますが、大学の部は実は未体験だったのです。
 そんなわけでJR新小岩駅も初上陸です。歩けるでしょー!と思ったら、意外と距離があり、、やっとホールまで辿り着いた時にはなかなかくたびれていました。

ちょっとロビーで休憩……

 この日は途中からの参戦。
 しばらくして、課題曲3が3団体連続で演奏される機会がありまして、おお、とおもっておりました。まずはプログラムNo.14、東海大学吹奏楽研究会。貫禄を感じるパフォーマンスです。自由曲は長生淳の《喜色満海(きしょくうみにみつ)》。2022年に東京佼成ウインドオーケストラの委嘱で世に送り出されたばかりの新作を、堂々と鳴らし切りました。
 次に登場したのがNo.15、東京都産業技術高等専門学校荒川キャンパス吹奏楽部。人数上限いっぱい置かれていた椅子が下げられ、ステージ中央にドラムスを中心に小さい円で置き直されました。これで同じ課題曲か…と、出場者たちの緊張を心配したのも束の間、とっても砕けたジャジーなイントロが飛び出して、文字通り目を剥きました。ひょっとして普段はビッグバンドで活動している?とすら思わせる楽しげな演奏に、こちらもついにやにや。そして自由曲にはスウェアリンジェンが飛び出しました。イイ!これも、多少荒削りながら演奏をエンジョイしていることが伝わる良いパフォーマンスで、ますますにやにやが止まりません。
 課題曲3、最後の3の矢はまた椅子が大量に運び込まれて、No.16は早稲田大学応援部吹奏楽部。少々昔気質な感じのサウンドが《レトロ》によく合います。自由曲は樽屋雅徳《マードックからの最後の手紙(2021ver.)》で、大学生らしいエネルギッシュな演奏を聴かせてもらいました。
 おなじ課題曲3でもこれだけアプローチの異なる3団体を、こんな近場で聴けたのは僥倖のひとこと。特に、コンクールに登録して2年目だという産技高専のプレイに接することができたのは大変嬉しかったです。譜面をしっかり読めていませんが、レトロはもともと、大編成(あるいは、きちんと楽器のそろったバンド)を想定して書かれているのだろうと感じていましたし、少人数では多少難しい側面がありそうにも思えました。しかし作品の良さゆえに、この曲に挑戦しよう、やってみたい!と思わせるものが多分にあるのも事実です。小編成向けの、いやビッグバンド用のご本人アレンジとかが出れば、ますます作品の伝播が促進されることと思いました。

 コンクールの地方大会を巡り始めた最初のうちは、なんで全部の会場で同一条件にしないの、って思っていたけど、数年通ううちに、その地域によってコンクールの開催環境がだいぶ個性豊かであることがわかってきました。
 それをうまくカバーしつつ、学生たちにとっては一期一会の大事な本番でもありますので、そこのところも両立するようにとそれぞれの地域で育ってきた結果が、この形態なのかも。と思い始めたところです。

Twitter(X) #吹コン予選たび2023

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