今日の机20190618 『 ねこかいじゅうフルポンゴラス とひみつのラジオ』

画像1 『 ねこかいじゅうフルポンゴラス とひみつのラジオ』
画像2 ある、真夜中のことです。
画像3 ゆりちゃんは眠れません。 病院に入院していて、動けません。 ずっとベットに寝ています。
画像4 朝になったらお母さんがきてくれます。 カチコチカチコチ……。 時計の針はまだ午前1時。 ゆりちゃんはじっと、がまん。
画像5 ふと、足元に何かいることに気がつきました。
画像6 それはとても大きなブチ猫でした。 猫はのしのしひょいと近づいて、温かい舌でゆりちゃんを舐めます。 ゆりちゃんのほっぺは赤くなりました。
画像7 猫は、枕の代わりになました。そのお腹から、声が。 『こんばんは、眠れないあなたへのラジオ番組……今夜は夜空の童話特集です……』 鈴の音楽と共に、女の人のやわらかな声が、星と鳥のお話をはじめました。 それがあんまりに楽しいので、ゆりちゃんは聴きいってしまいました。
画像8 お話が終わると、お便りの紹介がはじまりました。 お父さんとお母さんの声がします。 『ゆりがいないとご飯がおいしくないなぁ』 『そうねぇ。明日はたくさんお話しなきゃ。夜は眠れてるかしら……』 『ゆりが心配しないように、ごはん食べて元気をつけなきゃね』
画像9 ゆりちゃんは悲しいとうれしいがまぜこぜの涙がでました。 お父さんとお母さんが元気になるように、わたしも元気になる……。 ラジオの音楽や、面白い落語を聴いてるうちに……だんだん、だんだん……うとうと……。
画像10 次に目が覚めると、朝になっていました。大きな猫はいません。 やってきたお母さんに、ゆりちゃんはありのままを話しました。
画像11 お父さんとお母さんは、ゆりちゃんにイヤホン付きラジオと猫のぬいぐるみを買ってきてくれました。 そうして朝や寝る前、お父さんとお母さんがなるべく会いにきてくれるようになりました。 夜はやっぱり暗くて、朝が待ち遠しいけれど、ゆりちゃんは少し、大丈夫になってきました。
画像12 おしまい。

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