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「世界の農業の頭脳」を創り、「人・動物・自然」を大切にしたい。私とファームノートの自己紹介

こんにちは。ファームノートホールディングスの小林です。私は北海道帯広市に生まれ、帯広市で起業し、帯広市で事業を行っています。24歳から15年社長を続けさせていただいています。

今は100人の仲間と、人と人をつなぐことを目的とした「スカイアーク」という会社と、農業の頭脳を創るチャレンジをしている「ファームノート」という会社を経営しています。

小林 晋也について

簡単なプロフィールはこちらです。

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名前:小林 晋也
仕事:株式会社ファームノートホールディングス 代表取締役
創業:2004/09/17
生年月日:1979/12/07
出身地:北海道帯広市
出身校:旭川工業高等専門学校 機械工学科
趣味:キャンプ、ロードバイク、スキー、ギター

人・自然・動物が好き。コンピューターも好き。

私は子供の頃から父親の影響でコンピューターが大好きで、隙あらばプログラム書いたりゲームをやったり。

そして両親共に実家が農業を営んでおり、平日は街で学校に行き、週末は畑で手伝いをする生活をしばらく続けていました。

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これは私が5歳の時の写真。後ろで祖父が豆の脱穀やってますね。

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これがうちの畑です。自然の中に生きてきたので、アウトドアが大好きです。

で、母親がとても動物が好きで、それを引き継ぐがごとく私も動物が大好きです。

母親はとても子供思いの人で、かなり手間をかけて育ててくれました。そのおかげもあって人が好きになりました。本質的には苦手はあっても嫌いな人はいません。

そして子供の頃から木材が沢山あったので、鳥小屋を創ったりいろんな創作をやりました。ものづくりが大好きになりました。

学校は旭川工業高等専門学校に入ったのですが、本当はコンピューターがやりたくて電気工学科狙ってたのですが、点数が足りなく機械工学科に。

そして周りには頭がいい人ばかりで、中学校では上からTop3に入ってた学力はクラスで下から数えた方が早かったくらいに順位が落ち、やる気を無くしてパチスロに明け暮れていました。もちろんそんな態度では進級できませんね。留年しました。

ちなみに生まれて初めて書いた実用的なプログラムはパチスロのシミュレータです。

そしてインターネットという衝撃的な出会いがありました。当時はダイヤルアップ接続でISDNが流行かけていたころ。パチスロのホームページを作ろうと思いHTMLを触り始めたのがきっかけで、コンピューターの前に座っているだけでこんなに広い世界にアクセスできるのかと、とんでもなくワクワクしたのを今でも覚えています。

はじめての就職 - 起業へ

無事卒業し、なんとか札幌の機械部品商社に入社することが出来ました。

ここで学んだのが、技術を用いて顧客と向き合う大切さです。

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主に精機製品と呼ばれる半導体機械や工作機械に使われるベアリング、ボールねじやリニアモーターなどを取り扱っていたのですが、はじめて入った半導体工場に驚きました。人間がこんな精密な機械を作り上げることが出来るなんて!ものづくりは素晴らしい!と。

そこで私は誰よりも製品を理解し、メーカーの営業以上に詳しくなる努力をしました。

顧客が困っているときに、持ち帰って考えます、より、すぐに回答できることが何より信頼を得られるし、頼ってくれることがわかりました。そして今後会社で一番大きな顧客になる半導体工場の案件を受注することが出来ました。何度も何度も足を運び、顧客の悩みに向き合い、共に考える。顧客と共に体験を作っていくこの仕事は本当に楽しかったし、ただの物売りではなく、体験を買って頂く。とても大きな学びでした。

そして何より、技術のすばらしさ。木工や古いコンピューターしか知らない自分には衝撃で、技術は人の進化を支える素晴らしいもので、無意識にものづくりをして生きていきたいと思ったのです。

そしてコンピューターが分かると言うことで、業務システムの刷新リーダーに任命され、昼夜問わず一年かけてなんとか刷新することが出来ました。この経験でシステム開発のスタートから終わりまですべてのプロセスに関わることが出来ました。

インターネットの可能性、ものづくりの楽しさ、システム開発のプロセス、顧客に向き合い物ではなく体験を売る。

本当はコンピューターをやりたかったのに、機械工学科に入って機械商社に入ったにもかかわらず今後の人生の基礎になる多くを学ぶことが出来ました。

自分の予想していない未来に進むことは、非常に大きな意味があるという学びを得ました。

これだけの学びを頂けた前職の皆さんと、素人の私に付き合ってくれた顧客には感謝してもしきれません。

2004年、スカイアークを創業

前職には丸3年お世話になり、私のわがままで自立することを決めました。自分の力を試したい、というより頑張っても報われないという今思えば勘違いで、評価してくれない周りに腹を立てだったら一人でやってやると会社を飛び出しました。

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どうせ会社を作るなら、両親も心配しないだろうと帯広で「有限会社スカイアークシステム(現 株式会社スカイアーク)」を2004年9月に創業しました。子供の頃住んでいた部屋に事務所を作り(今だに本店登記はここに残しています。)、帯広から世界的企業を作りたい!という思いでスタートしました。当時は私一人。すぐに社員を採用して業務を開始しました。

スカイアークの意味は、広いこの世界で人と人の架け橋になると言う意味が込められており、私が好きなインターネット、つまりWeb技術を使って人と人をつなげる製品を作る仕事がしたいとスタートさせました。

当時、ウェブログ(いまのブログ)がアメリカで流行っており、日本でもMovable Typeというブログシステムが徐々に広がりつつあるタイミングでした。インストールしてしまえば誰もが簡単にインターネットに情報発信できる、自分のメディアを持てるというのは、当時の私には衝撃的でした。

このシステムに触ったときに「このシステムが日本に広まったらとんでもなく世の中が良くなるぞ!」と直感し、事業の中心に据えることを決めました。

2005年1月に発表したこのサービスがかなり当たり、すぐに大手企業から問い合わせが殺到して事業はすぐに軌道に乗りました。

ビジョンは「伝えるを、もっとかんたんに。」

人と人をつなげる技術を沢山の人に広げたい。そういう思いで経営しています。

スカイアークはMovable Typeを企業に導入するシステム開発業を続けて、顧客に真剣に向き合いつづけ、今では150社を超える大企業と直接取引をさせていただけるようになり、今でも企業の社内(主にWeb社内報や社内ポータル)・社外(主にホームページ更新システム)の情報発信をシステムで支える仕事を続けています。

いまではWeb社内報システムSolanowaが非常に伸びており、企業内で社員が会社のファンになる、そんな製品を提供しています。

2013年、ファームノートを創業

スカイアークにたまたま酪農家の方から問い合わせがあり、実際の現場を見せていただきました。

そこにはIT化にはほど遠い現状があり、ほとんどが紙で管理され、膨大な書類作業とデータを用いない古い経営手法が目の前にありました。

これは何かできないかと直感し、早速事業化を検討しました。

これが当時の計画書の表紙です。酪農って書いてあるのに和牛が書かれてますね笑

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全くの素人としてこの事業を作りました。

この計画をいくつかの酪農家に見せたところ、絶対やるべきだと。一緒に酪農にイノベーションを起こそうと。強く後押しされ、2013年11月27日に株式会社ファームノートを設立しました。

これは絶対やるべきだと後押ししてくれた仲間の二人です。

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ファームノートは「世界の農業の頭脳を創る」をビジョンに、クラウド牛群管理システム「Farmnote」と牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」を提供しています。生産者と向き合い、課題に対してインターネット技術をふんだんに利用したものづくりを行う、まさしくサラリーマン時代、スカイアークの経営を通じて学んだことをそのままやっています。

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両製品は日本の10%の牛・生産者に導入されており、さらに大規模生産者の10%に導入いただいています。

先日、我々の不手際でシステムを停止させてしまったのですが、多くのお客様からシステムが止まると業務も止まるとお叱りを受けました。これをきっかけに本当に我々は名実共に牛のインフラを作っているのだなと強く自覚しました。

人生のビジョン - 「生きる」を、つなぐ。

これは私の人生のビジョンです。

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技術革新とはコンピューターの事です。当面はインターネット技術が中心ですね。好きなので。

そして地球の豊かさとは、人・自然・動物がより良くなって欲しいという願いです。だって好きだもの。

つまり私はコンピューティングという技術を通じて人・自然・動物がより良くなるものづくりをしたい、そんな会社を作りたい。そういう思いでこの会社を経営しています。

取り組んでいる課題 - アニマルライフケアの推進

いま私が一番取り組んでいる課題はアニマルライフケアの推進です。

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経済動物(牛・豚・鳥など)の生産性が低いため、生命資源の無駄が多いと考えています。例えば和牛の仔牛は分娩前後で10%、つまり10頭に1頭が事故か病気で死んでいます。乳牛も脚や乳器に疾患を抱え続け、生産性が落ちた牛は約5年ほどで淘汰されます。

そして世界の穀物の40%近くを経済動物の餌として利用しています。国連が2050年には70%の食糧増産が必要と言っていますが、経済動物が相対的に減らないと穀物需要が伸び続けて人々、特に貧困層に食糧が回らなくなる恐れがあります。

我々は経済動物の利益は人の利益という仮説を立て、経済動物の生き死にをコントロールしているのが人なのであれば、人の知性の進化を通じて、人の利益と経済動物の快適性を両立することど双方の利益を最大化きでないかと考えています。これがアニマルライフケアの概念です。

環境整備や予防・衛生、餌、牛舎設計やロボット化、データ管理など。命をより無駄にしないような様々な視点を、生産者のみなさんと共に考え、トータルでサポートしたいと思っています。

どうしても人はバイアスをかけて思い込みたい、考え方をパターン化したいという習性があります。自分の考えに固執して気づかないことが増えていきます。

我々作りたい頭脳とは、人が気づいていないことに知性が働くように、次こうしたらいいんじゃない?など次々とアドバイスしてくれる、そんな存在をコンピューティングを通じて作りたいと思っています。

事実、そのために積極的に獣医師を採用しており、5名の獣医師が製品開発に関わっています。

今はまだ詳細がお話しできないのですが、2019年12月にアニマルライフケアを推進する戦略発表を行います。

これからもよろしくお願いします。

社員数もグループで100名を超え、おかげさまで日本イノベーター大賞 Raise賞や日本ベンチャー大賞 農林水産省大臣賞も頂くことが出来ました。

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長くなりましたが、すべての生産者と経済動物の利益が最大化出来るように、ものづくりを続けていきたいと思います。

私一人でできるビジョンでは無いので、もし共感いただける方がいらっしゃればぜひ力を貸してください。そうじゃなくても仲良くしてください。

みなさま、よろしくお願いします。

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自己紹介

株式会社ファームノートホールディングス代表取締役、北海道帯広市在住。「世界の農業の頭脳を創る」をビジョンに酪農・畜産の技術革新を進めています。日本ベンチャー大賞 農林水産大臣賞受賞、日経ビジネス 次代を作る100人選出。農業や経営・マネジメント、発達心理学について書いています。