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土建屋狂騒曲#4 ICTってなにそれ美味しいの?3【ICT建設機械の選定】

 ICTって何それ美味しいの?も三部になってしまった。生来飽き性であるので大したもんである(自画自賛)
 ICT施工に供する3DMG/MCの建設機械についてであるが、今回は趣向を変えて、実際に選んで購入するまでの思考過程について駄文を連ねようかと思う。
 機械の概要としてはここでは端折りたい。各建機メーカや測量会社のHPを見たほうが早いし詳しい。ここでは3DMCバックホウについて書く。

 「中小零細ならレンタルでいいのでは?」という無粋な声が聞こえるが、ハッキリ言って無駄な投資である。先ず高い。高すぎるのだ。不意に大型ICT土工物件を落札して即乗り込み!という状況でない限りはレンタルは割高である。0.7㎥BHクラスでも当初月150マンモス程度、次月以降100マンモス程度となる。
 おおよそ半年置いたとして650万(税別)なので、かなり勿体ない() 残るのは3DMCに慣れ親しんで従来機を嫌がるオペレータのみである。またICT施工の現場を転戦するにしても尚の事買ってしまった方がスッキリする。土量にもよるがICT施工の今の積算基準を基に行う増額分ではリース代は捻出できないであろう。長期や大手なら割引もあろうかと思うが、うちのようなICTポッと出零細には安く貸してくれない。

  という事で機種選定である。いくつかの「何か」を比較検討して選び実行するというのはまさに「戦術」である。元戦術屋(といっても初学者だが)の端くれとして、比較検討購入のフローを紹介しようと思う。なお書いてあることはとても下らないし、ごく一般的なことなので、極端に優柔不断な人以外は見る必要ありません。

 さて本題である。おそらく「比較検討」だけでなかなかのボリュームになると思料する。
 「何かを比較検討する」というのは、我にとり最良の行動だったり、最良の物を選ぶ行為である。「最良」というのが罠で、人や組織により何が「最良」が変わる為である。よく仕事の進め方や買い物で揉めるのはこの為である。その為、チームや組織で「最良」とはなんぞやの絵面を揃えておかなければならないのだ。(認識の統一)
 社長の一存で「えいやッ」と何か買ったりやったりしても独りよがりにならない為には、しっかりと比較検討や結論を図示しておいたりするクセを付けるとよい。

 以下は3DMCBH導入に際しての比較検討購入フローである。

 先ずは比較検討の基礎である。基礎とは今回でいうと「会社の現況」「世間のBHの動向」「地域の特性」などが大区分として挙げられる。余りに考察対象から関係のない要素はこの際無視していいだろう。関係があると思われる要素を挙げて列挙する。

 上記は一例であるが、こんな感じで「何が重要」なのか「何を重視すべきなのか」を洗い出すために思考を整理する。
 次に比較検討である。比較検討の基礎を考えているうちに、選定にあたり自社にとって重要な要素が浮かんでくるはずだ。
 因みに今回は「¥お金¥」が最重要課題であったので、当面掛かるコストとシステムの汎用性(他社バックホウやブル、転圧機械に対し測量機器やインターフェイスが転用できるか?)が重要だと判断した。
以下が比較検討要素の整理要領である。

 ここで一番大事なのは重視事項の選定である。ここがブレると最後までブレる。初志貫徹、一貫性と言い方は何でもいいが、コロコロ変えてはいけないし、目の前に垂らされたニンジンが何時も旨いとは限らないのだ。
 「え~A社が一番進んでるじゃーん」「え~D社も営業に来たじゃん、迷うな~」というのは完全に主体性・主導性が無くなっている。弊社には「¥金¥」が無いのだ。

 最後はいよいよ比較検討・結論である。

 こんな感じである。工法比較などで見たことがある方も多いと思う。
 上記の場合だとA社が欲しくなるが、会社の現況を踏まえB社を選定したという事になる。不幸なC社は付き合いは一番深く申し訳ないが降りてもらう運びになる。これをもって直上上司に結論を述べればアホでも理解してくれる。なお、この段階では当然各社から相見積もりを取っている。
 重視事項の選択次第では結論が変わってくるのもお分かりだろうか?


 以上であるが、このような資料を作るのは飽くまでも下級者であり、決裁者ではない。説明資料の域を出ない為である。私の場合は思考で溺れるアホなクセがあるので、整理するために作成する。大きな試みや、企みをする際は特に。
 かくして弊社は無事3DMGバックホウを納車した訳であるが、色々な事があってなかなか決まらなかった。そんなもんである。なお、自衛隊関連の記事で今後、J戦術@民間バージョンは書いていってみようかと思う。
 最後まで見てくれた人は駄文失礼しました&ありがとうございました。


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