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暑くなる時期の温度管理をどうする? 春から夏の温度管理について

 冬が終わり、日に日に暖かくなってきました。これから春、初夏、夏と気温が上がる季節を迎えます。

うさぎにとって、温度管理は命に関わる大切な事柄です。まだ春だから大丈夫だということではありません。暑さに体が慣れていないこの時期は、寒暖差や急な気温上昇によって体調を崩してしまうことがあります。

今回は春から夏にかけて、暑くなる時期の温度管理について紹介します。


うさぎにとっての適温は?

うさぎの体温調節の方法について知っておこう

・耳から放熱をする。

・体を伸ばすことで放熱をする。

・水を飲むことで体温調節をする。

・換毛により、毛の密集度を調節し熱を逃がす。


うさぎは汗をかけません。皮膚の汗腺が乏しいため、汗で体温調節をすることができません。全身が毛で覆われているため、熱がこもりやすく、暑さを感じやすいつくりになっています。

耳からの放熱や体を伸ばすことで放熱をします。短毛種よりは長毛種、立耳よりたれ耳うさぎの方が体温調節が苦手です。仔うさぎ、高齢うさぎ、病気や妊娠中のうさぎは熱中症のリスクが高くなります。


うさぎにとって快適な室温は?

情報によって差はありますが、うさぎにとっての適切な温度は18~24℃、湿度は40~60%になります。夏場でも25℃前後が理想です。30℃以上になると熱中症を起こす危険性が高まります。


室内の温度管理について

エアコンで室温と湿度を管理しよう。

 暑い時期になったら、エアコンで室温と湿度を管理しましょう。ケージに付近に温度計を取り付け、室温を27℃以下、湿度70%以下になるように管理します。

 扇風機だけでは、うさぎの体温は下がりません。人は扇風機の風に当たると汗が蒸発し、涼しさを実感できます。うさぎは毛が密集しており、汗をかかないため、扇風機では涼しさを感じられません。夏の温度管理はエアコンをメインにしましょう。扇風機は室内の風の流れを作るために、エアコンの補助として使用します。電気代が気になる方もいると思いますが、ペットを飼う以上はエアコンの稼働は必須になります。


ケージはどこに置くといい?

ケージは、室内の直射日光が当たらない場所に置きます。熱は上にいく性質があります。戸建ては2階3階がより暑くなりますので、1階に置きましょう。窓近くにケージを置いている場合も暑さを感じやすくなります。暑い時期は、廊下や玄関など風通しが良い場所にケージを移すことを検討しましょう。

 遮熱効果のあるカーテンを取り付けたり、窓の外にすだれやよしずを設置したりすることも、過度な室温上昇に効果があります。


 エアコンが故障すると、修理に時間がかかることがあります。エアコンの点検・洗浄は、本格的な稼働をする前の春先の時期に済ませておきましょう。室外機周りには、物がないかなどの点検をしましょう。エアコンの点検・洗浄や室外機周辺の環境整備は節電にもつながります。


熱中症の時の様子について

こんな様子が見られたら、危険!熱中症の可能性があります

・体や足を伸ばす。

・ぐったりしている。

・耳を触ると暑い。

・呼吸が荒い。

・水を飲む量が増える。または水を飲まない。

上記以外にも、体にふらつきがあったり、力が入っていないような感じがあったりと、いつもと違う様子が見られることがあります。うさぎの様子に違和感がある時は、熱中症を起こしている可能性があります。すぐに病院を受診しましょう。


暑い時期のキャリーバッグのポイント

・通気性のいいキャリーを用意する。

・体を十分伸ばせる大きさのキャリーを用意する。

・キャリーの周りに保冷剤を入れる。凍らせたペットボトルでもよい。


保冷用品を使って、快適な環境をつくろう

 うさぎの保冷用品として、販売されている物があります。代表的な保冷用品の素材を以下の表にまとめました。それぞれ特長が違いますので、飼育の状況に応じた保冷用品を選んでください。災害などで停電の危険性があります。万一の停電を想定して、エアコンと併用して使うといいでしょう。

素材

特長・注意点

アルミなどの金属

・熱伝導率が高いので、うさぎが接触すると素早く熱を奪うことができる。

・水洗いができるので、手入れがしやすい。

保冷剤

・冷凍庫などで冷やすと、長時間冷たさを維持できる。

・保冷剤自体がかなり冷たくなるので、ケージの外から取り付けるとよい。

テラコッタ(素焼き)

・水分を含ませると、気化熱で冷たくなる。

・衝撃に弱く、割れてしまう危険性がある。

・熱伝導率が低いので、冷気を維持できる時間が長い。

・暑い部屋では、あまり効果がない。


まとめ

 毛に覆われていて、汗をかくことができないうさぎにとって、これからの暑い時期は苦手な季節になります。気温の寒暖差が大きく、暑さに体が慣れていない今の時期は、体調を崩しやすい時期でもあります。「まだ春だから大丈夫」ではなく、早いうちから暑さ対策や温度管理を進めていきましょう。うさぎも人も生活を工夫しながら、暑さを乗りきりたいですね。


講師名 anan

 

 子どもの頃から生き物が好きでした。今まで、ハムスター、インコ、モルモット、ハムスター、デグー、うさぎ、犬、ウーパールーパーとたくさんの動物と生活してきました。職場で飼っていたうさぎのお世話をしていたこともあります。

 以前我が家にいたうさぎは、垂れ耳のオレンジ色のホーランドロップでした。今でも家の近所のうさぎ専門店に通い、可愛いうさぎの姿に癒されています。将来はネザーランドドワーフを飼ってみたいです。

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