もて海と幕末と

土佐おもてなし海援隊(もて海)さんたちが幕末に帰ってしまってからはや10日。まだわりと空虚なままで、あまり情報も追えていません。もて海さんのこと以外の個人的な諸々で、私がずっとダウン気味なことも大きいと思います。もうちょっと元気が出ないとますますヘビーにダウンするのが火を見るより明らかなので(泣)、今しばらくは歌を聞くくらいにとどめるつもりです…。
私が手にできたのは結局『あの日たちからの伝言』だけだったけど、これだけでも思い出が残せて良かったよ…。ホントやる気出てくるねこれ、いいCDだ…(涙)。

そんなこんなで、「幕末に帰る」というキーワードがここ1ヶ月くらい頭の中をぐるぐる回ってたんですけど、つい数日前にハッと思い出した。

そう言えば私、幕末と言えば大抵名前が出てくる土地の生まれやん。何ならお宮参りも、明治維新と言えば必ずと言っていいほど出てくる建物のある神社でさせてもらってるやん。赤子の頃でなくとも何度も何度も行ってるやん。
ああ、だからそこそこ幕末が身近だったのか!って忘れるなよ出生地(汗)。

私のように、出生地と育った土地が違うという方は多かろうと思います。隣の市レベルの距離ならともかく、県をまたぐくらい距離がある場合は「出身地をどこにすべきか」で悩んだりしませんか?私の場合も、出生地、6歳くらいまで育った場所、それ以降に育った場所が全部県のレベルで違うので、どこを言えばいいのかいつも悩んでます。基本的には最後に育った土地かつ現在地でいいのかなあ、と思ったりもしますけど、皆さんどうされてるのかな。
そうねえ、幕末好きな人とお話する時は出生地を話題に出せば盛り上がったりするのかしら。単にその辺に住んでるだけの庶民で、関係者などではまっっっったくないですけど(笑)。


しかし、私は幕末の偉人の数々を、名前だけは知っていても「じゃあ実際に何をしたのか」ということを全然知らなかった。聞いても右から左だった。社会は得意だったはずなのだが、何故かちっとも知識として定着しなかった。

実家には吉田松陰のお言葉の立派な額があって(立派だけどたぶんお土産物屋で買えるやつだと思う)、時々親から読み上げられたり解説されたりしていたが、まさに右から左だった。それどころか、勝手にそのお言葉に曲をつけて歌っていた。子供には一種の呪文だったらしい。おかしいなあ、得意教科は国語だったはずなんだけど(汗)。
出生地なだけで育ったわけではないのが大きいと思うけど、それでも学習する機会はあったと思うんですけどねえ。たとえば「鎌倉幕府を開いた人」みたいに端的に説明できる人物が少なかったんかなあ。どっちにしろ、「なんという素晴らしいお言葉」とぶるぶる震えるのではなく勝手に歌にして遊んでた時点で、歴女の素養はまったくなかったと思われます(笑)。


そんなゴミな私が、多少なりとも知識を得たのは、実は『龍馬伝』だった。毎週毎週同じ時間にテレビの前に座っていることが億劫になり、ドラマ自体をほとんど見なくなっていた私が、最終回までほぼ振り落とされることなく視聴した数少ない大河である。
もっと人生が短かった頃の話とは言え、20代や30代くらいの若者が、社会を変革しようとするエネルギーに溢れて生きていたこと、それがほんの百数十年前のことであるという事実に、最終回を見届けた私は武者震いがした。しかも、結果を残したからこそ英雄扱いされているけど、場合が場合ならその評価はまったく逆だったかもしれないのである。時代を動かすとはどういうことなのか、1年をかけてじっくりと向き合った、個人的にとても思い出深いドラマです。

そう、あの有名な坂本龍馬ですら、私は何をした人なのかちゃんと知らなかった…。『龍馬伝』で船中八策のくだりを見て、「この人すごくない?」と感心して親に話を振ったところ「お前知らなかったの?」と呆れられたレベルである…。「武田鉄矢がファンらしい」というくらいの認識だった(汗)。ひどすぎ(汗)。

うちの親は「吉田松陰が出てくるから」という理由で『龍馬伝』を見ていたのだが(どこまで好きなんだよ…)、私がお言葉の額のイメージから勝手に想像していた吉田松陰とは全然違うキャラだったので、怒るんじゃないかしらとドキドキしたら、まさかの大喜び。親いわく、松陰先生は龍馬伝で描かれた通りの熱い人だったそうである。そうだったのか…。親が読んだ本などのイメージがそうだったのかもしれないですけど。
マジで喜んでましたからうちの親。あんなに喜んでるの見たことないってレベルに喜んでましたから。どんだけだよ!

ほかに印象に残ってるのは、まず児玉清さんですね。龍馬のお父さん。お父さんが亡くなる前くらいのシーン、あれはもう演技じゃなかった気がする。演技を超えた演技というのか。福山さんのこと可愛がってらしたんですよね、確か。その愛情が溢れて伝わってくるようで、涙が止まらなかった…。

それから武市さんと以蔵の最期。ギャン泣きだった…。高杉晋作のインパクトも忘れられない。主役誰?と思うくらい龍馬食っちゃってて、ものすごくいいキャラだった。爆発の中を歩いてくる姿が仮面ライダーみたいでカッコいい←意味不明の感想
高杉がもう長くないと知って涙をこらえる龍馬さんの表情も忘れられないんですよねえ。あれも演技には見えなくて。演技なんだろうけど、福山さんが素で泣いてるように見えて、ものすごく胸に迫った…。

あと、役者としては原田泰造がすごく印象に残ってる。バラエティーでのキャラとは全然違って、狂気が宿ってて最高に痺れた…。またあんな感じの役やって欲しい。
そうそう、弥太郎が麻雀の卓をガッシャガシャ払い落として言うセリフが超好き。ぜんっっぜんストーリーに関係ないけど超好き(笑)。私にポンを仕掛けたらあのセリフ言うから(笑)←そんな機会人生にないから(笑)

最終回の弥太郎のセリフも忘れられない。こちらは真面目にね(汗)。ええもう、ギャン泣きだった…。坂本龍馬が主役の時点で、最後が暗殺で終わることは避けられないんだけど、しかも既に決定した歴史であって後世の人間にはどうにもできないことなんだけど、それだけに弥太郎のセリフが胸を締め付けたよ…。「空気読め」という言葉はあんまり使いたくないけど、この最終回で流れた選挙のテロップにだけは言わせていただきたいです(泣)。

それと、オープニングテーマがすごく好きだった。これはフィギュアスケートで使ったら、特に男子選手が使ったらドラマチックなプログラムになるだろうな、と毎回想像しながら見ていたので、時々この曲で滑る選手が現れると無条件に応援したくなってくるほどです。ええ、私はスケートファンです。ファン歴がそこそこ長くなってきただけで、ディープかって言われるとそうでもないけど。


もて海さんに出会ったのはまったくの偶然だけど、龍馬伝を見てなかったら人物名はスッと頭に入ってこなかったかもしれないし、幕末にちょっとだけ馴染みがあったから龍馬伝も楽しく見られたのかもしれないし、こう考えるとすべては繋がってるのかもしれないなあ、なんてそんなことを思う、お預けを食らったような肌寒い春の日です。

もうもて海さんには会えないけど、もて海さんの面影を宿した皆さんの活躍をこれからも応援させていただけそうで、嬉しくて泣いてる春の日でもあります。うう、また高知行きます…。今度こそ太平洋を眺めてのんびりするんじゃあああああ…。寂しくなったツイッターのタイムラインに、また幸せが流れてくるのかと思うと涙が止まらないです…。

『龍馬伝』、また見たいなあ。児玉清さんのシーンで泣いちゃって先に進めない気がするけど…←めっちゃ序盤だよ…


はてなブログも毎日更新中。現在はほぼフィギュアスケートのブログです。世界選手権の感想を延々と綴っていましたが、本日でようやく最終回。読んでいただければ嬉しい。
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