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5大基礎看護学実習でよく使う「根拠」

みなさん、こんにちは🎵

今日のテーマは「ケアの根拠」です。

特に、基礎看護学実習で頻繁に行われるケアの実践に焦点を当ててみたいと思います。

皆さんがこれまで普通の生活を送っていた中、突然療養の現場に飛び込み、直接医療の世界を体験する基礎看護実習は、本当に貴重な経験になるはずです。

自分が実施するケアがどのような根拠に基づいているかを言葉にするのは、なかなか難しいですよね。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。



①温罨法

主な効果

・便秘
・下痢
・疼痛・頭痛
・筋肉疲労
・リラックス(緊張の緩和)
・不眠
・浮腫の軽減
・食欲不振
・体温上昇目的

<温罨法が便秘に効果的な根拠>

温熱刺激が排便反射に及ぼす影響に関する研究では、温熱による刺激が排便に関与する神経系を活性化し、腸管蠕動を促進すると報告されている。
具体的には、身体の特定部位に温熱刺激を適用することで、局所的な組織温度の上昇が起こり、この温度上昇が血管拡張に寄与し、結果として血流量が増加する。この血流の増加が、腸管蠕動の亢進に関与する。

特に腹部と腰背部(ヤコビー線、即ち第3腰椎と第4腰椎の間)に焦点を当ててケアを行うと効果的である。

<温罨法が下痢に効果的な根拠>

腹部が冷えると腸管を刺激して、腸蠕動を亢進させてしまう。温熱は鎮静作用があるほか、腹部を温めることによって消化管の循環血液量を増加させ、消化吸収を促す効果も期待できる。
温熱刺激は交感神経に作用し、腸の動きを抑制するため、下痢の抑制に有効です。入浴によって全身的に温めたり、カイロや温湿布などによって腹部に温熱刺激を与えたりするとよい。

<温罨法が疼痛・頭痛に効果的な根拠>

痛みの発生や組織の損傷に伴い、セロトニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が体内で増加する現象が報告されている。温熱刺激が筋肉の弛緩を促し、血管の収縮を通じて循環血液量を増加させることにより、代謝産物の排除を促進し、痛みの緩和を行なう。
また、副交感神経が優位になることで、リラックス効果があり、意識が分散されることも考えられる。

<温罨法が筋肉疲労に効果的な根拠>

運動を長時間行うとブドウ糖の消費によりブドウ糖が不足する。
ブドウ糖が不足すると肝臓や筋肉に蓄えてあるグリコーゲンをブドウ糖に変換して補給する。
この変換する時に乳酸という物質が作られ血液に混じって筋肉に運ばれる。乳酸が筋肉の疲労物質である。
乳酸が筋肉にたくさんたまると筋肉の疲労を起こし、運動を持続することができなくなる。蓄積された乳酸は休息をとると、酸素により水と炭酸ガスに分解され、代謝され、疲労はなくなる。疲労を取り除くためには十分な酸素の供給と血液の循環をよくすることが必要となり、ぬるめの温度の入浴や温罨法により疲労を回復させることができる。

<温罨法がリラックス(緊張の緩和)に効果的な根拠>

熱刺激によって、筋肉の弛緩や、血管の収縮によって循環血液量が増加することにより、副交感神経が優位となり、リラックス効果がある。

<温罨法が不眠に効果的な根拠>

温罨法の効果により、不眠の原因となる疼痛、緊張、浮腫の不快症状、自律神経の乱れといった症状を緩和することで、不眠症状にも効果がある。

<温罨法が浮腫の軽減に効果的な根拠>

身体の一部に温熱刺激を受けると、その部位の租織の温度が上昇し、血管が拡張する。その結果、 静脈還流が促進される。また組織間液の還流も促される。
それに伴い、腎血管を拡張させて、組織間液の腎血流量を増加し、利尿を促すこととなり、浮腫は軽減する。

<温罨法が食欲不振に効果的な根拠>

食欲に、最も関係の深い感覚である空腹感と満腹感に関連したものが視床下部の外側野に存在する空腹中枢と、腹内側核に存在する満腹中枢である。
これらの中枢は、胃や血液成分、大脳皮質などからの刺激や情報によって働くと考えられている。
温熱刺激によって、筋肉の弛緩や、血管の収縮によって循環血液量が増加することによって、代謝促進し、胃腸の働きも活発になる。胃腸の働きが活発した結果、飢餓収縮が起こる。この刺激は、交感神経から延髄を介し、空腹中枢に伝えられる。グルカゴン、インスリンなどの消化管ホルモンも、こうした摂食中枢の働きに関わっている。
ブドウ糖や遊離脂肪酸などの代謝産物、インスリンなどのホルモン、神経伝達物質、細胞の増殖か分化を調節する物質、単球やマクロファージから放出されるサイトカインなどの血中成分は、摂食中枢を刺激して、食欲に影響を与える。
また、食欲不振の原因があきらかな場合は、それを取り除く事である。

例えば、
・下痢による不快感
・疼痛、頭痛による不快感
・筋肉疲労による不快感
・緊張による不快感
・不眠による不快感
・浮腫による不快感

<温罨法が体温上昇目的に効果的な根拠>

低体温時の場合は、温熱刺激によって、筋肉の弛緩や、血管の収縮によって循環血液量が増加することによって、代謝促進し、体温を上昇させる。

②冷罨法

主な効果

・掻痒感
・悪心・嘔吐
・浮腫の軽減
・疼痛緩和
・爽快感を得る
・止血作用
・体温下降目的
・不眠

<冷罨法が掻痒感、爽快感を得るために効果的な根拠>

冷感を刺激してかゆみの閾値を上げるとともに爽快感も得ることができる。(ゲートコントロール説を痒みに置き換え活用)

<冷罨法が悪心・嘔吐に効果的な根拠>

胃部に寒冷刺激を与えることで、蠕動運動を抑制させ、また胃粘膜に分布する末梢神経への刺激を緩和させる。
氷のうやアイスノンをカバーやタオルで温度を調整したうえで当てましょう。長時間貼用する場合には、循環障害が引き起こされる可能性があるため、その徴候に注意して観察を行う。

<冷罨法が疼痛緩和に効果的な根拠>

冷やすことによって血管を収縮させ血流を減少させる。それによって、痛覚の域値の上昇、機能の抑制、細菌活動の抑制などに作用する。
したがって、痛みを軽減させ局所の炎症・化膿を防止することができる。

<冷罨法が止血作用に効果的な根拠>

寒冷刺激を受けると、その部位の組織の温度が低下し表在性血管が収縮する。そのため血流が減少し組織の代謝が低下するので止血効果もある。
 

<冷罨法が体温下降目的に効果的な根拠>

冷やすことによって血管を収縮させ血流を減少させることで、体温下降を図る。また、その部位の皮膚温を下げることで、血液も冷え体温下降が行える。

<冷罨法が不眠に効果的な根拠>

冷罨法の効果により、不眠の原因となる、掻痒感、悪心・嘔吐、浮腫、疼痛、不快感といった症状を緩和することで、不眠症状にも効果がある。

③口腔ケア

主な効果

・感染予防
・嚥下訓練
・食欲不振
・歯槽膿漏の予防
・人との関わりに意欲的になる(悪臭予防)
・爽快感を得る
・観察の場

<口腔ケアが感染予防に効果的な根拠>

口腔内の常在菌は約300種。歯垢(プラーク)1mg当たりに10億を超える細菌が存在し、口腔内全体に常在する菌は数千億個にもなる。口腔内に常在菌が多いのは、温度が常に37℃前後に保たれているなど、細菌の繁殖に欠かせない3条件(温度、湿度、栄養)がそろっているためである。
健常な人は、食事によって睡液の分泌が促進され、食べ物と接触するので、細菌が口腔内粘膜や舌、歯の表面などに付着・増殖するのを防いでいる。
しかし、経口摂取できない患者や唾液の分泌が減っている高齢者、全身衰弱した患者は、口腔ケアを怠ると自浄作用が弱まり、口腔内に細菌が繁殖して不潔となり感染の危険性も高まる。口腔内に細菌が増殖することで患者が受ける影響は全身感染症です。
嚥下障害があり、ムセなどで、誤嚥をすることで細菌が肺に入り、誤嚥性肺炎を起こす危険性がある。また、唾液量分泌の低下は口腔内の潰瘍、びらん、歯周病、口臭などにもつながっていく。
口腔ケアによって唾液の分泌量も促され、細菌が口腔内粘膜や舌に付着・増殖するのを防ぐことになり乾燥や感染を予防する事につながったと考えられる。

<口腔ケアが嚥下訓練に効果的な根拠>

高齢者の咽頭は、加齢によって解剖学的に下降し、嚥下反射時に喉頭挙上距離が大きくなる。そのため、咽頭・食道運動が低下し、食物や唾液が軟骨窩や梨状窩に停滞しやすくなり誤嚥しやすくなる。
また、唾液の分泌量の低下によって、食物の咀しゃくが不十分になり食塊の粘性が低下する。
口腔ケアは唾液分泌を促すため、食塊の粘性が高まり誤嚥しにくくなるだけでなく、口腔、咽頭筋や喉頭筋などの筋力が低下を予防し、誤嚥を引き起こしにくくなる。

<口腔ケアが食欲不振に効果的な根拠>

口腔ケアによる食物残渣や歯垢の除去は、単に口臭防止や爽快感を与えるだけではなく、嗅覚や味覚を回復させる。口腔ケアは唾液分泌を促すため、それによって胃液の分泌を誘発し、食欲が出るという効果も期待できる。

<口腔ケアが歯槽膿漏の予防に効果的な根拠>

不潔にしていると様々な細菌が歯と歯肉の間のわずかな溝に溜まって歯垢になる。この歯肉炎が進行すると、歯と歯肉の間の溝がどんどん深く広がって、歯の根元の方まで細菌が侵入してしまう。こうして、歯槽骨が溶かされて歯が抜けるようにぐらついてしまう歯槽膿漏へと発展する。
こうしてみると歯槽膿漏の予防には、日頃からの口腔ケアが大事である

<口腔ケアが人との関わりに意欲的になれる(悪臭予防)に効果的な根拠>

清潔によって審美感を持つことで、人との関わりに意欲的になれる。マズローは欲求五段階説の中で、人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていて、欲求は底辺から始まり、1段階目の欲求が満たされると、1つ上の欲求を目指すとしている。人間の欲求には、生理的欲求、安全の欲求、親和の欲求、自我の欲求、自己実現の欲求がある。生理的・安全の欲求は人間が生きる上での根源的な欲求、つまり清潔や衣食住等などである。口臭は口腔内の細菌の増殖や歯周疾患、食物残渣の腐敗などによる嫌気性菌の増殖が原因である。
歯ブラシによる入念な清掃によって症状がかなり改善するので、最低でも1日1回は丁寧に時間をかけ、ブラッシングすることが大切である。
入院前の生活で毎日のように行なっていた行為ができなくなっている為、口腔ケアを行なう事は患者さんの欲求の生理・安全の欲求を満たすためにも重要である。

<口腔ケアが爽快感を得るに効果的な根拠>

口腔内を清浄に保つことで口臭を軽減させ、爽快感を持たせる

<口腔ケアが観察の場に効果的な根拠>

①口腔内の汚れの状態:口臭、歯垢、唾液の粘調度、食物残渣、本人の清涼感・満足度
②誤嚥の有無:肺雑音、咳吸
③出血、痛み

④洗髪

主な効果

・感染予防(清潔)
・掻痒感
・人との関わりに意欲的になれる
・頭痛
・リラックス、爽快感を得る
・不眠

<口腔ケアが感染予防(清潔)に効果的な根拠>

痒みが起こると、掻くという行動を行なう。これは掻くことで痛みを起こし掻痒感を軽減させようとしているのである。しかし掻くことで頭皮の摩擦や掻破をくり返していると掻き傷が生じ、さらなる痒みを起こし、悪循環を招く。また強く掻き続けると出血したり、発赤・発疹が形成されたりし、それにより表皮が剥離し二次感染を起こす可能性がある。
また頭髪・頭皮は皮脂が滲んでべたつく状態になることで、粉塵が髪に付着し、細菌などの母地となる。
洗髪によって頭髪や頭皮を清潔にすることで、皮脂を洗い流し、痒みをなくすことで、感染予防を行なえる。

<口腔ケアが掻痒感に効果的な根拠>

フケは、頭皮の角質が剥がれた物に、汗・皮脂・汚れが混ざった物であり、さらに角質蛋白・脂質が細菌(常在菌)によって分解されると頭皮を刺激する。
アレルギー反応によりヒスタミンを過剰に生産することで、大脳皮質でかゆみとして知覚される。
痒みが起こると、掻くという行動を行なう。これは掻くことで痛みを起こし掻痒感を軽減させようとしているのである。しかし掻くことで頭皮の摩擦や掻破をくり返していると掻き傷が生じ、さらなる痒みを起こし、悪循環を招く。
洗髪により、フケを除去し清潔にすることで掻痒感を軽減する事ができる。

<口腔ケアが人との関わりに意欲的になれる根拠>

清潔によって審美感を持つことで、人との関わりに意欲的になれる。清潔によって審美感を持つことは大切だ。なぜなら、べたついた頭髪、頭皮のふけ、掻痒感(かゆみ)、悪臭など頭部の不潔は他者にもすぐにわかるため、人と会うことやリハビリへの参加が億劫になりかねないからである。

<口腔ケアが頭痛に効果的な根拠>

痛みを感じたり、組織が損傷されたりすると、セロトニンやプロスタグランジンといった発痛物質が増加する。これにより痛みは増強する。
洗髪による温熱刺激によって、筋肉の弛緩や、血管の収縮によって循環血液量が増加することによって、代謝産物の運搬を促進することで、痛みの緩和を行なう。
また、副交感神経が優位になることで、リラックス効果があり、意識が分散されることも考えられる。

<口腔ケアがリラックス、爽快感を得ることに効果的な根拠>

洗髪は清潔だけでなく、マッサージ、温熱効果により、細胞の新陳代謝がさかんになり老廃物の排泄が促され、爽快感やリラックス効果が得られる。

<口腔ケアがリラックス、爽快感を得ることに効果的な根拠>

不快症状を取り除くこと、血液循環を促進し爽快感やリラックスを得てもらうことで、不眠にも効果があると考えられる。


⑤清拭(全身清拭、入浴、足浴)

主な効果

・感染予防(清潔)
・人との関わりに意欲的になれる
・便秘、疼痛、下痢、筋肉疲労、リラックス、爽快感、不眠、食欲不振
・関節可動訓練
・観察の場
・患者との人間関係を形成する場

<清拭(全身清拭、入浴、足浴)が感染予防(清潔)に効果的な根拠>

皮膚の構造は表皮・真皮・皮下組織によって構成されている。深層では分裂増殖し、増殖した細胞は、次第に核を失い皮膚表面に移動して角質層となり、その後、垢となり皮膚から落ちる。皮膚はまた常に汗や皮脂を分泌する。
皮膚表面に付着している垢や汗の成分、感染源となる物質などを拭き取り、全身を清潔にする。

<清拭(全身清拭、入浴、足浴)が人との関わりに意欲的になれることに効果的な根拠>

清潔によって審美感を持つことで、人との関わりに意欲的になれる。べたついた頭髪、頭皮のふけ、掻痒感(かゆみ)、悪臭など頭部の不潔は他者にもすぐにわかるため、人と会うことやリハビリへの参加が億劫になりかねない。清潔によって審美感を持つことは大切です。

<清拭(全身清拭、入浴、足浴)が便秘、疼痛、下痢、筋肉疲労、リラックス、爽快感、不眠、食欲不振に効果的な根拠>

温罨法の根拠を参照

<清拭(全身清拭、入浴、足浴)が関節可動訓練に効果的な根拠>

筋肉、皮膚を適度に刺激し、摩擦することにより、筋の萎縮を予防し、皮膚の抵抗力をつける。

<清拭(全身清拭、入浴、足浴)が観察の場に効果的な根拠>

比較的長い時間、個人的にケアするので患者の心理的、感情的な状態を観察する。また、全身の皮膚の状態および一般状態を自然のうちに観察する。
 

<清拭(全身清拭、入浴、足浴)が患者との人間関係を形成する場に効果的な根拠>

患者とのよい人間関係をつくり、生活指導のよい機会とする


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