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【SPI試験の範囲と適性検査】 鉄道会社に就職しよう4

手順1 【聞かれたことに正しく答える】
手順2 【良い質問・悪い質問】
手順3 【伝わりやすい文章の書き方】
手順4 【SPI試験の範囲と適性検査】 ←今回
手順5 【面接で実際に聞かれたこと】

マガジン:鉄道会社に就職しよう

学力試験を受ける

SPIテストの方式

鉄道会社の行う学力の試験は、ほとんどの場合SPIテストです。
SPIテストとは、様々な企業が採用試験に導入している、共通学力テストです。
受験方法は、WEBテスティング、テストセンター方式、ペーパーテスト方式のうち、志望企業が指定しているどれかの方法となります。

WEBテスティングとテストセンター方式は、どちらもPCを使って解答します。
解答しても正誤は表示されず、次々に設問が表示されます。
自分のPC(学校PCでも、借りものでも、何でも可)で受験するか、全国の指定のテストセンター(受験会場)のPCで受験するかの違いがあります。

SPIは共通テストのため多くの企業で実施されていますが、テストセンター方式の場合は全ての企業で受験しなくても、前回別企業で受験した結果に自信があれば、「前回の成績を流用する」ことができます。ただし、解答の正誤がわからないので、前回の正答率の良し悪しも受験者にはわかりません。

なお、ペーパーテストでSPIテストを行う鉄道会社はほとんど見かけません。

SPIテストの出題範囲

WEBテスティング、テストセンター方式を前提に紹介していきます。
試験を始めると、非言語(数学)と言語(国語)の問題が、次々と出題されます。
一問当たりの制限時間が決まっていて、解答できないと自動的に次の設問に画面が切り替わっていきます。

何も回答しないと、その設問は「誤答」として扱われてしまいます。
分からなくても、何かしら解答しましょう。

ちなみにTips

試験の特徴は、正答すれば次はより難しい問題、誤答だと次はより簡単な問題という具合で、問題の傾向が変化します。ただ、受験者に正誤は知らされないため、感覚で判断することになります。

自分が多く正答しているかどうか判断するために、次のような目安があります。

  • 非言語 … 推論の問題が多く出れば、それまでの解答の正答率が高い

  • 言語 … 長文読解の問題が多く出れば、それまでの解答の正答率が高い

SPIテスト対策は勉強あるのみ

SPIテストを突破するための裏技のようなものは、残念ながら存在しませんが、学校で学んだ基礎があれば十分解けます。

ひょっとするとあなたは「勉強なんかできないから無理だ…」と思っているかもしれませんが、SPIは学力レベルが高ければクリアできる、というものでもありません。

制限時間内に多くの問題を正答することが重要なテストのため、「公式や文法をたくさん覚えている」ことよりも「早く解く方法を知っている」ことが、合格へのカギになります。そのためにも、早い段階から参考書を読んで、反復演習することが大切になってきます。

個人的に役に立ったなと思う参考書を紹介します。
山口 卓 監修 永岡書店
 『2023年度版 速攻! ! ワザあり SPI』

私が購入した年以降も、毎年最新版が発行されていましたが、2024年版は今のところ出ていないようです。
新書サイズで軽く、出題分野・解法・例題がコンパクトにまとまっていて、書かれている解き方を覚えていれば、本番で苦なく解答できました。
Amazonなどの評判は実のところ悪く、非言語分野の途中式や理屈の説明が少ないといった評価が目立ちます。しかし先述した通り、早く解く方法を知っているかが合否を分けるため、理屈の理解は不要だと私は感じています。

上記のシリーズは、残念ながら最新号が発売されていないようです。
同じ著者が、新しい本を執筆していましたので以下に紹介しておきます。

適性検査を受ける

適性検査は、受検者の性格や心理状態を測るテストとして、広く導入されています。基本的に対策のしようがない検査ですが、事前に内容が分かっていれば、緊張や不安によるパフォーマンス低下を抑えられると思います。

数ある適性検査のなかでも池田クレペリン検査は、鉄道会社の採用試験では必ず実施され、入社後にも度々受ける機会がある重要な検査です。また、仕事に必要な基礎能力を判定する、NR式知能検査(いわゆる鉄道総研)と呼ばれる知能テストを実施する企業もあります。

他にも、性格異常の傾向を見つけるTAL検査を行う企業もありますが、今回は池田クレペリン検査とNR式知能検査について紹介します。

池田クレペリン検査

試験は、まず大きな横長の試験用紙を配布されます。始めの合図とともに、紙の端まで何行もびっしりと並んだ数字の隣同士を、制限時間中ひたすら足し算していくというものです。
試験中に改行するよう指示が出され、やめの合図まで計算をし続けます。

池田クレペリン試験の例
(足し算をした結果の「一の位」を記入していく)

検査は、計算の正答率が極端に悪くない限り、各行で計算できた最終点を縦に結んだ線形が、その人の結果を示すとされています。すなわち、理想的な性格の人を示す「線形」というものが存在します。

ただし実際受験するとわかりますが、試験中の疲労はとてつもなく、制限時間に追われる中で、理想の線形を意識して解答量を調整している余裕はありません。
恣意性や手抜きは結果に顕著に響きますので、とにかく全力で計算することに頭を使うほうが賢明です。

NR式知能検査(鉄道総研)

NR式知能検査は、(財)鉄道総合技術研究所が開発した知能検査で、その由来から試験名そのものを鉄道総研と呼んでいる人もいます。

試験は、冊子の問題集に図や文字が並び、以下の例のように規則性を問う問題が多数掲載されています。

  • 図形を90°回転させる。この次に来る図形は次のうちどれか?

  • ある規則に則って図形が動く。この次に来る図形は次のうちどれか?

  • 次の数字には規則性がある。設問の[?]に入る数字は次のうちどれか?

NR式知能検査(鉄道総研)の問題例1
NR式知能検査(鉄道総研)の問題例2

どの問題も、知識は必要ありません。問題を注意深く見て、落ち着いて考えれば解ける問題です。
私の知る限り、この検査自体の対策本は発売されていませんが、高校生向けの就職適性検査の対策本の一部に、似たような図形問題が掲載されています。

次回


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