見出し画像

NISAがリニューアルということですが。2014年『初代NISA世代』の生き残りとして。

年が変わってからあまりにも目に余るものがあります。老害投資家(凍死家)の端くれとして私の意見を書こうじゃないか。


初心者の方へのアドバイス

私は証券外務員資格を持っています。外務員一種の方です。誰でも独学で簡単に取れるFP3級も持っています。大学時代は産業社会学と法律学を学んでいます。

その上で偉そうなことを書いていきます。

便乗商法には絶対に乗るな

10年前と比べれば幾分改善しましたが、今でも日本の住人の金融リテラシーは低いです。

こういう状況で新しい制度やモノが出てきたら?

猫も杓子も株本に読み耽り、一括で買うのがいいか分散して買うのがいいか議論しています。

便乗商法を行う時期としては10年ぶりの大チャンスです。

街中で声をかけられて投資商品について勧誘されたら、それは100%詐欺です。例外は存在しません。

電車で株本を読んではいけない

先ほど電車の後ろの席で20代くらいの人が「株式入門」的な本を熱心に読んでいました。すると60代くらいの人がたまたまを装って隣の席に座り…

「資産運用を勉強してるの?へー熱心だね…投資サークルがあってね。」

「最初はわからないことだらけだし、他の人と情報交換もできるよ。今の若い人は勉強熱心だし。」

などととんでもない話を始めました。

金商法や商法、民法に抵触するような話を始めて、さすがに一線を超えていたので「金商法に引っかかりませんか?」と止めに入りましたが。

今、街中は投資詐欺案件が散見されます。初心者を見つけたらカモとして見られます。気をつけてください。

大型書店の資産運用本を鵜呑みにしない

新しい投資商品が出るとにわかに資産運用本コーナーが賑わいます。

「簡単」とか「お手軽」など初心者に訴求するタイトルをつけて大々的に売り出されています。最初にこういった本を買うこと自体は良いことです。

しかし内容を鵜呑みにするのは危険です。著者や出版社の都合上「必ずしも嘘ではないけれど、かといって…」という内容が書かれていることがあります。

大きい買い物をするとき、製品についてよく調べ、複数のソース源からの情報を集めませんか?資産運用も同じです。

できるだけ複数の本やウェブサイトを回って、情報の妥当性を確認してください。あなたが運用するのは他でもないあなたの資産なのですから。

信用できる本、信用できない本

出版社によって「信用性が高い出版社」と「信用性が低い出版社」があります。次の各項に該当する場合は身構えてください

  • 世間で知られていない出版社

  • SNSインフルエンサーが著者

  • 左右どちらかの思想が強い出版社(大手でも)

  • 「誰でも簡単」といった甘い言葉

  • テクニカル用語を前面に出す本(例:板読み)

また手を出してはいけない本のジャンルは下のものです。(全部じゃない)

  • FX取引

  • 仮想通貨・暗号資産

  • 新興国株式

  • 先物取引

  • 難しそうな概念(コモディティ)

  • 流行り言葉(例:ESG、SDGs、環境、グリーン、バイオ、代替エネルギー)

お金は大事だよ

私の資産運用初期

2014年1月に「日本版ISA=NISA』としてスタート。私は投資歴2年目でした。

私は社会人として働き始め数年目。ある日この結論に達しました。「サラリーマンに全く向いていない」と。ではどうしようか?

ー資産を運用して早期リタイアするしかない…こうして始まったのが私の投資家としてのスタートです。

私の育った家庭は「銀行預金しか認めない。運用は定期預金のみ」というのが決まりでした。株式?論外でした。

両親から受けたお金の教育は「お金は使わず貯める。」10文字足らずです。

外貨定期預金

最初に始めたのが外貨建ての定期預金。オーストラリアドルの定期預金利回りが4%もあった時代です。今となっては「購買力平価だとすれば利回りが良くても為替レートで相殺される。無意味。」と思いますが。

確かに利回りは良かったのですが、為替レートの変動の影響で金利が高くても結局プラスマイナスゼロでした。

これじゃダメだとわかって次のステップに進みました。投資信託です。

投資信託

投資信託は「プロが運用してくれる」ものという認識でした。今でもそうですが銀行で投資商品を買うのは手数料が高すぎだったので初めて証券会社に口座を作りました。

私の経済に関する知識はとても少なかったため、初めて投資信託を買い付ける時、目論見書や運用報告書を全て読み、意味のわからない単語は全て調べ、何日もかけて内容を理解した上で買い付けたことを覚えています。

そして数年ほど投資信託を運用していたところに現れたのが「NISA」でした。

2014年版NISAと私

NISAとはそもそも「損益通算できないけれど、利益が出た際に発生する税金がかからない」ことが特徴でした。

つまり儲かった分が丸ごと手元に残るわけです。

利益が出た際の税率は当時も今も約20%です。これは大きい。

ドルコスト平均法と投資先を分散させる戦略

私が採った戦術がこれです。積み立てた商品は「eMAXIS 8資産分散型」です。

これをドルコスト平均法で「毎月一定額」を購入し続けました。

当時eMAXIS slimは存在すらしていませんでしたね。

これで3年ほど運用した結果、元本がいつの間にか1.3倍くらいになりました。

積み立てNISAやiDeCoは見送り

その後積み立てNISAやiDeCoが制度としてできましたが、私のニーズと合致せず見送りました。

NISAからの卒業

2018年、米国株式に投資先をシフトし始めました。そして転機は2020年にやってきます。

きっかけは信用取引での追証連発

2020年当時の私は天狗になっていました。というのも2019年暮れに信用取引でとある会社の株式を空売りして50万円ほどの利益を得たのです。

ーこれならいける

徐々に大きなお金を動かすようになりました。

2020年8月中旬、コロナ特需に沸く医療機器メーカーを空売りしました。

気づくと130万円の損失。最初の追証で発生した損失をカバーしようとして次々に追加で空売りを行い、全てこんがり焼かれました。追証連発。

結果としてNISA口座に残っていた投資信託を全て売却する羽目になりました。

米国株に軸足を移す

投資信託でNISA枠を使っていた上、米国株を買っている証券口座は別会社だったため、米国株についてはそもそもNISA口座の設定はしていませんでした。

信用取引では火花を散らすような運用を行っていましたが、米国株については全く持って手堅い運用をしていました。この結果、何が起きたでしょうか?

ー儲かりすぎて利益確定できない

手持ちの株式を売却して、NISAで買い戻すと「かえって損が出る」状態でした。

また過去の損失金額も大きかったため「確定申告で損益通算すれば、数年はNISAと同じ」だったのです。

このこともあってNISA口座は使わないようになり、程なくして抹消しました。数年の月日が流れNISA制度が恒久化するということを知りました。

2024年版NISAはどうするつもり?

口座開設を考えています。

ただ、諸事情あって今は確実な定期収入がないため、使うかどうかは未知数です。

「米国株の税率は高い」と指摘を受けますが、あまりにも堅実な運用をした結果、平均買付価額に対する配当利回りがかなり上昇。さらに含み益への課税された後にNISAで買い直すとむしろ損失が出てしまう謎展開が起きています。

私にはあまり縁がないのかもしれませんね。NISA。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?