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学びと人生

放送大学に全科履修生として入学してからもうすぐ10年になる。
正社員で仕事をしながら社会人大学生として学んでいる。

大学に通っていることを知っている知人に会うたびに卒業したか聞かれるが、毎回まだだと答えると毎回驚かれる。

仕事をしながらでも努力次第で4年で卒業できるが、私は仕事と趣味を中心に、ゆったりペースで継続している。

大学の授業というのは自分が興味を持つ科目を履修すればいいのだから、当然楽しい。
小中高の授業もすべて選択制にすべきだと個人的に思うほどだ。

放送大学は通信制の大学だが、全科履修生の卒業要件には面接授業というスクーリングの単位取得が必須となっている。

全国の大学の敷地内に学習センターが存在し、面接授業はそこで実施される。
各学習センターで開講される面接授業は全て異なり、全国どこでも受講可能だ。
(人気の高い授業は抽選のため、必ずしも希望は通らない。)

普段は孤独な学習だが、面接授業や単位認定試験では学生同士が顔を合わせる。
学生の年齢は10代から90代(もしかしたら100歳以上の学生もいるかも)まで幅広く、色んな世代の方たちと肩を並べて授業を受けるのはとても面白い。
自ら学ぼうという意識を持った人たちの集まりなので、受講態度がまじめなのは勿論のこと、質問や発表もとても積極的だ。

そして何よりも、授業がとにかく面白い。
放送大学で教鞭をとる先生方は、一流大学で現役で活躍されている方も多く、その知識の多さ、内容の豊かさで、講義中は眠気とは無縁だ。

通信科目の方は課題や単位認定試験がそれなりに難しい科目もあるので、授業を受けているだけでは単位は取れない。
仕事が大変な時期や、人生に悩んでいるときには勉強の余裕がないことも多々あるので、負担と感じる時もある。

それでも長く続けていられるのは、学ぶことがとにかく楽しいからだ。
もともとは大学を卒業したいという目標だったが、今では継続して学び続けることに価値を感じている。

ソクラテスのように自分が無知であることを私も知っているから、好奇心は大人になっても増すばかりだし、学びのある生活に退屈は存在しないと実感している。

いつまでも満たされない知的好奇心が、私にとっての人生の原動力なのだと思う。


オリジナルのイラストや写真と共に、旅やグルメについて語ります。サポートしたいと思えるようなコンテンツを生み出せるよう、コツコツ楽しみたいと思います。