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『あなたへの花』2話 ゆかりさん説得メモ

 はい。

前提

 こちらは現在参加しているTRPGブラッドムーンのキャンペーン、「あなたへの花」2話のセッション中に起こったある出来事に際して、一気に眠れなくなってメモった文章です。5時まで起きてて書いてたものになります。自制心を鍛えるって話はどうなった?
 本編はこちら。

 登場人物紹介にいる、糸賀大亮という限界の大学生が私のキャラクターです。
 そもそものキャラメイクに関する記事はこちら。

 さらに言うと、PC1の夜高ミツルくんのプレイヤーであるありおりさんが、シーンごとの感想を書いていらっしゃいます。いっぱい苦しみが読み取れます。紫陽花がきれいだね………………

 二度と回らないこれっきりのキャンペーンである+シナリオ内容というよりは参加PCの持ち込み設定の話であるとは言え、完全にセッションのネタバレになるのと、これだけ読んでも意味わかんないので、できれば2話のリプレイを、あるいはありおりさんの感想を読んでから閲覧していただくのを推奨します。ハードル高い記事だな。

で、これはなんなのか

 馬鹿のタイムスタンプ(5時間後には仕事)
 キャンペーンのPC4、忽亡ゆかりさんの弟、幸福である忽亡かなたくんが、メインフェイズの魔女の接触判定によって背徳に書き換えられたばかりか、ゆかりさんにとって日常の象徴、大切な家族、護るべき存在としてたびたび書かれてきたのにも関わらず、2年前に死んでいることが明らかにされました。
 PTいちの常識人である(弟を恋愛対象として見ていることが明かされていたものの)はずだったゆかりさんが、死んだはずの弟の幻覚を見て、生きてるつもりで行動していた人だったわけです。

 ここのハイドレンジアによる秘密の暴露とゆかりさんのロールめちゃくちゃヤバいのでぜひ見てほしいんですが(またそれまでの伏線の積み重ねがヤバい)(ブラムンうま太郎!!!!!)、ゆかりさんにとっても大事な弟が実は死んでいたということはあまりにも衝撃が激しく、彼女はハイドレンジアとの会話の中で、敵である魔女に頼ってかなたくんを生き返らせようとすることを明言します。
 願うだけならいいんですけど(ハンターとしては全然よくない)、PTから離脱する・敵に回る可能性すらあったため、PT総出で弟を生き返らせることを諦めさせなければならないのでは!? という事態になりました(二人の会話でその日のセッションは終わったため、ゆかりさんがそのあと狩人たちに対してどう出ててくるか全く分からなかった)

 で、ゆかりさんをどうにかして狩人側に繋ぎ止めるために、PCである大亮の思考整理と、それに加えてPLによる説得方針のメモを書きました。
 なぜかというと、このPC2の糸賀大亮というキャラクターは、1話と2話でPTM唯一背徳を破壊されて願いを叶えてもらった上に、1話では死んだ狩人仲間を蘇生してもらい、2話では友人である余命いくばくない女の子の病気を治してもらっているため、一番諦めろとか言えた口じゃなかったからですね。

 マジでどうするか頭を抱えながら急いで書いた文章なので、めちゃくちゃな部分が多いんですが(特にPLメモは正気じゃない部分が多い) せっかく書いたものなのと、これを起点にしてロールをしたので、なんかの参考に……なればいいと思って、のっけておきます。よろしくお願いします。
(当時のメモから、一部呼称を修正したりしています)

思考整理メモ SIDE:糸賀大亮

 何かの間違いではないか、と思った。
 まずはじめにそう考えたのは、そう考えたくなったのは、おかしいことではないはずだ。
 忽亡ゆかりは俺の見ている限りでは、鷹揚で世話焼きで、同時に厳しさを併せもった狩人だった。そういう意味では、狩人とは思えないほどにまともな──人物だと認識していた。
 多かれ少なかれ、命の危険に身を晒している狩人にはおかしい部分がある。それは、生き残ってきた熟練の狩人ならなおさら、そういうところが強調されるようにも思う。
 魔女狩人のことはよく分からないが、美麗派であるフランはその典型だろう。一般人としては、どこかタガが外れている。美しさにこだわり、美を振りまき、その言動はまともだが、時折理解できない概念が混ざる。
 真城朔が協力関係にあるにもかかわらず連帯をせずに単独行動をしたがり、傷を負ってもあっけらかんとしているのは、傷の治りが早い半吸血鬼だから、という理由だけに留まるまい。あれはそういう狂気の表出のしかたなのだと、受け止めていた。
 俺だって自分がまともな人間として踏みとどまれているとはとても思わなかった。たまに鏡に映った自分を見ると、ギョッとする。そもそも、ちゃんとした生活が送れている人間に見えない。
 忽亡さんはその中で、苛烈で殺しに慣れているというところはありながらも、ずいぶんまともに見えていた。弟を偏愛し、はばからないところはさすがに驚いたが、それを補って余りあるほど、常識的に振る舞っていた。
 弟と、電話をしていた。
 弟を、愛していると言った。
 ……
 それが、生きている弟であると、当然思っていた。
 だから、彼女が目の当たりにしたのは、魔女の見せる幻覚。弟の、死の幻覚。
 そういうものを見せられたのではないかと、疑った。
 だが、違う。
 嫌な汗が噴き出し、咄嗟に身構える。どれが、どこが、……全部。
 忽亡さんの語っていた弟の話。弟との会話。恋愛相談。
 妄想だったのだ。
 魔女は、それを暴いたにすぎない。ゾッとするのは、そんなことを悟らせないほど、それ以外が、その妄想を繕うでもなくしっかりと組み上がって、頼りになる女性狩人として成り立っていたことだ。
 俺たちは、そんなものに、命を、背中を預けて、共に吸血鬼と闘っていたのか。
 魔女と、対峙していたのか。それを……
 何かの間違いじゃない、と分かったとき。
 果たして、どうすればいいのか。
 狩人は、多かれ少なかれおかしな部分がある。
 弟がいると思い込んでいた。
 本人も信じ込んでいた。
 目の前にいるのは、そういう狩人だ。
 それを受け入れるしかない。家族を全て殺された中で、大切な弟だけは死んでいると理解したくなくて、その死を拒み、ただひとり残った大事な大事な弟のために生きてきた女性だ。
 その彼女が、今まさに弟の死を突きつけられて。
 弟を生き返らせることができると、ちらつかされている。
 いったい、どんな言葉をかければ良いのだろう。
 望みを言って、と。
 望んでほしいのだ、と。
 魔女の声が蘇る。
 その指先の感触が蘇る。
 殺したのだ、俺は。
 自ら望んで、生き返らせた三人を、殺した。
 その手応えを塗り潰す、魔女の力。人間の決意などちっぽけなものだと、嘲笑うような力でもって、俺の望みによって、彩花ちゃんの病は治った。
 ハイドレンジアが、胡桃ちゃんであった魔女が、元から望んでいたことだ、などとは、言い訳にならない。
 言い訳にしないために、望ませたのだろうかとさえ思う。
 しかし、それは自分の責任を回避したいがための思考にすぎないだろう。
 俺がそれを望んでいたのだ。魔女はそれを叶えた。
 俺は魔女の力を使って、彼女を治した。
 その俺が、いったい、どうして彼女の弟を生き返らせるなと。
 それを、望むなと言えるだろう。どんな厚顔であったら?
 俺は、魔女を殺す決意をしている。──だから何だ。
 ゆかりとて、同じことだ。魔女を倒す決意を固めていれば、弟を生き返らせてもらったっていいじゃないかと、そう言われれば言い返せない。これ以上魔女の力を増してはならないなどと、どんな顔で言えるだろう?
 俺は、彼女にどんな言葉をかけられる?

PLメモ

 はい。
 ゆかりさんがなにを言ってくるかによってRPを変えたいなと思っています。
 ゆかりさんは野嶋妹に激昂しており、現実を見ないことを怒るということをしています。 

21:28:忽亡ゆかり:「大事な身内だ。ただ一人残った身内だろう。知ってる、知ってるよ!」
21:28:糸賀大亮:「……」
21:28:忽亡ゆかり:「けど、それを見なかった事になんてさせるもんか!」
21:28:忽亡ゆかり:「私を恨んだっていい。憎んだっていい。でも、けど、だって」
21:29:忽亡ゆかり:「野嶋さんだって君を大事にしてたのに……見送って貰えないなんて、そんなの、あんまりじゃないか……!」

 この発言は、あくまでゆかりさんがかなたくんを生きているという前提でもって語っていたことなので、前提がひっくり返っちゃってんだよと言われたらそれまでなのですが、説得の起点にはできると思います。

 また、大亮には背徳を破壊され、彩花ちゃんを治してもらった、という、ゆかりさん説得の上での弱みがあります。非常にリスキーだと思うのですが、ゆかりさんが彩花ちゃんを害せるか、という方向で話を詰めていくのはアリだと思います。大亮はもちろん、彩花ちゃんを守りますが……

 決戦で、ゆかりさんが敵に回る、ないし不参加になることは絶対に避けたいので、ゆかりさんの精神的なケアと説得は不可欠だと考えます。背徳破壊フェーズでは、ハイドレンジアをなんとかすることで退けられるけど、そのあとにゆかりさんがどうなるか、みたいなことを考えると、背徳破壊の前にも後にも、ちゃんと話さないといけないなと思います。

 弟を生き返らせることを譲歩する、というのは、さすがになしなんじゃねえかなと思うけど、弟は生き返らせるし、そのあとちゃんと魔女を殺すからお願い、となりふり構わず願われることも想定しなきゃいけないな、と思います。そういう意味で、ゆかりさん自身の発言である、見送ってもらえないなんてあんまり、という言葉は効くのではないかと思います。でも、この発言って妹を思う兄という観点での話なんだよな。大丈夫かな。

 狩人としては、魔女の力を利用しつつ魔女を殺すみたいなの、さすがになしなしのなしだと思う。でも大亮は破壊されてる。死。俺だって抵抗しようとしたよ! でもサバトで……誰も妨害に入れるような状況じゃなくて……言い訳するな!

 ゆかりさんにとって弟はすべてであり、弟さんの死を受け入れたとして、生き返らせるのを躊躇う理由が全然なさそうなので、とにかく対話しなきゃいけない。
 ゆかりさんがどこまで壊れてるかとか、どこまで正気に戻っていけるかは、話してみて判断したいと思います。話してみないとわかんねえから対話対話なんだけど、問題はこの大亮が全く話に向いていない。背徳破壊され慣れすぎてて言葉に詰まりまくる。女とばかりレスバする #ミッキマウスミッキマウスミッキミッキマウス

 大亮は家族とかは死んでなくて、狩人としての生き方もトクさんたちから教わって、夜高くんに言ってることとかはけっこう受け売りだったりするキャラクターなので、自分で考えた結論と、狩人ならこうすべき、みたいなメソッドがぐちゃぐちゃになってるとこがあって、ふらついてるところがあるんですよ。

 ゆかりさんは、メソッドの権化みたいなとこがある。てきぱきしてて、そうすべきというキャラクター。己を律している。律していた人が、律する土台を剥ぎ取られてしまったので、その土台をなんとか置き直してもらうか、律でなく自分を取り戻してもらう必要があるんだよな〜。
 どうしよう。頑張りたいですね。なにせ、大亮はゆかりさんにいっぱい詰められてるからね。詰められてるけど、詰め返すわけにはいかないので、助けて引き留めないといけないですね。

 ゆかりさんが全てを振り捨てて弟に全てを捧げ、狩人と敵対することを決意するまで行ったらもうめちゃくちゃ、最悪の事態だな。
 上の、譲歩まで行っても、狩人としてはかなりダメな集団になっちゃうし、ハイドレンジアをそこまで利用し尽くすのも大亮的にはきついんだよな。そもそも今の段階でかなり厳しいのだが。俺は最低だ。

いかがでしたか?

 このメモ「俺は最低だ」で終わってる。

 このメモを作って説得に臨みました。もちろん説得はひとりでするものではないので、ミツルくんにもフランさんにもめちゃくちゃいっぱい話してもらい、みんなでめちゃくちゃいっぱい話した。

 怯えるな!
 まかり間違ってこのメモから読んだ方はぜひ本編を読んでどうなったか確認してください。
 リプレイをすでに読んでいただいている方は、喋っている時こんなことを考えながらロールしてたんだな、と思って面白がっていただけたら幸いです。
 なお、今は3話のメインフェイズ2で一週間の休みが入ったところです。許してくれ。


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