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【牛島薫子のそんな資格とってドーするの②「潜水士」】

【牛島薫子のそんな資格とってドーするの②「潜水士」】

 突然ですが僕は泳げません。正しく言うと泳げますが息継ぎができません。25mプールはなんとか泳ぎ切ることができますが、50mプールは途中で溺れます。しかし水遊びは好きなので、なんとか方法はないのか……と探していていました。
 そんな中good!アフタヌーン掲載の『ぐらんぶる』という漫画で「泳げなくてもスキューバダイビングはできる」というセリフを知ってから「じゃあ泳がないで潜ろう」と思うようになりました。
 今回は「海に潜る資格のお話」です。

 ところでみなさん、資格というものは「資格を持っていない人がやれば違法」である場合がありますよね。それでは「資格を持っていないのに海に潜ったら違法になるでしょうか?」答えは「特に罪に問われない」です。もちろん漁業権上ダメなところや、保護されている海域に勝手に潜ることはダメです。その辺の海に何m潜ろうが罰せられる法律はありません。
 しかし、潜水は命と直結する危険な行為です。潜水病の危険もあります。  
 そのため、スキューバダイビングをするほとんどの方は「Cカード」と呼ばれる資格を取ります。

 この「Cカード」は世界にいくつもあるスキューバダイビング協会が認定する資格です。一番大きくて有名な協会はPADIと呼ばれるところで、日本でもここの資格が多く取られます。
 ただCはcertification(認定)の略で、あくまで「認定」であって正式なライセンスではありません。これにもランクがあり潜れる深さなどが関係するのですが、この資格が無くても別に潜れます。
 しかしCカードは取得のために学科や訓練を多く行うので、認定と言っても実質この資格が最速で潜るための知識・技術を獲得できる方法です。
 また、スキューバダイビングの機材は基本的に高額で、特に酸素ボンベなどは個人所有するのが難しいです。99%の人は酸素ボンベをレンタルするのですが、その際にCカードが無ければレンタルさせない所も多いです。そのため、知識・技術の他に「実際にスキューバダイビングするためにも」Cカードは必要な資格となっています。

 それでは潜るための資格はこの「Cカード」だけでしょうか。
 いいえ、実は事業のため、つまり「お仕事として」潜るためには別の資格が日本では必要です。
 それが「潜水士」
 たとえばスキューバダイビングのインストラクターさんは「お仕事として」潜るため、この資格が必要です。(※しかしダイビングスクールの従業員約30%がこの資格を持っていないそうで、結構問題になっています)。

 その他に有名な潜水士と言えば、そう!「海猿」!
 海上保安庁の特殊救難隊を描いたこの漫画(映画)は潜水士の活躍を一躍世に広めました。彼らは一般のスキューバダイバーに比べてそれこそ血反吐を吐くような厳しい訓練を経て潜水士になります。ただ、海上保安庁の潜水士と僕らが一般に言う潜水士は資格は同じだけれど意味合いが少し異なるようです。
 一般の言う潜水士はインストラクターや船の修理や海洋調査など、もっとユルい感じです。海上保安庁の潜水士は潜水士という資格ではなく「役職」で、かなり重みが違います。

「じゃあスキューバダイビングするならどっちの資格を取ればいいの?」

 となりますが、これはもちろんレジャー(遊び)のためなら迷わず「Cカード」です。
 ただ、例えば業界最大手のPADIでCカードを取得するなら、一番ランクが下のOW(OpenWater)資格でも5~10万円かかります。また、学科の他に機材訓練や実際に海に出て行う実習などがあり、最低でも4日以上かかるそうです。

 スキューバダイビングはお金と時間のかかる遊びです。

 しかし「実際問題」機材のレンタルなどを考慮すれば必須の資格でもあります。

 潜水士は国家資格なので受験料が安いです。2023年現在6800円。受験資格なし。(ただし18歳未満は合格しても免許交付は18歳以上になってから)。

うーん、安い。

 実際にスキューバダイビングをするとなるとCカードは必須ですが、潜水士も取得できればカッコいいじゃない。だったら僕は潜水士も取りますよね。しかし、Cカードはあくまで「認定」の資格であって、要するに遊ぶための講習です。それに比べ、国家資格でもある潜水士はどれだけ難しい実技試験を行うのか……。きっと合格率も低いんだろうな。泳げなかったら絶対に取れないんだろうな。だってあの「海猿」だもんなぁ。

調べるだけ調べとくか……。

潜水士国家試験

【試験概要】
試験の科目は学科のみで実技は課されない。
合格率 80%程度

実技ないんかーい!!!!!!!!!

しかも合格率80%って極めて高ぇな!!!!!!

どうやら潜水士国家試験は
「免許の目的が潜水作業における高気圧障害の危険性などに関する知識の習熟に主眼が置かれており、潜水作業の技能を対外的に示すには他の民間資格などを用いる

 と言うことで、実際の技能はCカード、潜水病の知識は潜水士、というように日本でも住み分けされている模様です。これならある意味でダブルライセンスはとても良いことだと思われます。潜水病は死に至ることもある病ですから、ただ潜るだけの技能を身に着けるより「なにかあったら」を想定した方がマリンスポーツは楽しめます。安全に安全を重ねても、なにも重みになることなんてないんです。

 だったらCカードは将来を見据えてお金を貯めたり時間に都合をつけてから取っても良くて、潜水士は試験勉強さえしたら取得してもいいってことだね!俺は潜水士を取るぞジョジョー!!!

まとめ!

海に潜るには特に資格はいらないよ。
でもダイビングを楽しむならCカードが必須だよ。
国家資格に「潜水士」があるよ。
実際に潜るならCカードの方が重要だよ。
潜水士は潜水病などの知識を学ぶことができるよ。
Cカードは時間とお金がかかるよ。
Cカードと潜水士はダブルで持っていた方がいいかも。

おわり

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