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4/6,4/9の夢

4/6(火) 13:22起床
現実にはもう10年近く会っていない、剣道のチームメイトにすぎなかったMとなぜか付き合い、Mの部屋でセックスをする流れになる。(顔を全く覚えていないため夢の中でも曖昧である)薬を飲もうとポケットを探るが入っておらず、いい雰囲気のところを「ちょっと待ってて」と遮って部屋を出る。居間でリュックを漁っているとMの叔父がやってきて、私が何か盗もうとしているんじゃないかと訝り始めたので困ってしまった。そらMにさえ隠していることを、ましてや叔父に対して「今からMとセックスをしますが薬が見当たらないんですよ」などと言えるはずもなく、なんやかんや言い訳をして彼を追い出すまでにひどく時間を食ってしまった。気を取り直してひっくり返したリュックからようやくピンクの十二面体を見つけ出し口に放り込んだはいいものの、時計を見るともう30分も経っていた。もうだめだ、台無しだ。こっちだってセックスはしたかったが、Mはもう目を合わそうともしなかった。十二面体の甘味にむかついてきた。

ところで、この家では夜半の定刻になると、古時計の鐘を合図に亡霊による「能の儀式」を毎日やっているらしい。その場にいた生者もたちまち舞台の一部となり、固まって動かなくなる。亡霊はぜんまい仕掛けなのか、がちゃがちゃ言わせながらそこらじゅうを滑って回る。
儀式が終わると固まっていた生者はやれやれ終わったか、てなもんで平気な顔してまた生活を始める。Mの母が「こんどお祭りあるじゃん、その日にまた遊びにおいでよ」と言う。え、いいの?認めてくれたんだと思い嬉しくなるが、よく聞くとMの家族が支持する政治家の演説の人集めに過ぎないことに気づき落胆する。

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4/9(金) 12:48起床
私は教育委員会の一員である。一人の才能ある少年がおり、彼にそれを開花させるべく事あるごとに教育を受けろと言って聞かせるのだが、彼は話を聞かずに我々(何人かいる)の目をかいくぐってあの手この手で逃げ出してしまう。そうこうしているうちに彼の実家を突き止め押しかけてみると、そこはK図書館の坂の下にある古い工場だった。中に入ってみると仕事に使えそうな機械はほとんどなく、人が住んでいそうな気配もほとんど感じられなかった。ああ、彼の才能のために必要な経済力はここにはないのだと気がついた。間もなく同志の追っ手がぞろぞろやって来て物色を始めると、またどこかで隠れていたらしい少年が裏口からとび出していくのが見えた。あわてて私も後を追い裏口から出るとそこに少年の姿はなく、白い制服を着た数人の保安官が立っていた。彼はどこだ、と問うも保安官は仏頂面のまま答えない。
「逮捕したのか」
「逮捕じゃない。然るべき場所で生活させる」
「教育は受けられるのか」
「そのためにこうしたんだ」
「言ったからな!嘘をつくなよ!」
と無駄に声を荒げて(というのはここに演技が混じっているから)念を押すと、保安官たちは仏頂面のまま去っていった。しかしどうにも安心できず、もしやと思いK図書館の坂を上っていった。すると坂はみるみるうちに勾配を増し、柵の向こうは足がすくむほど遠くなった。
そして私はいつの間にか父の背に負われていた。私は子供になっていて、私たちの後ろには何十人もの子供たちが並んでついて来ていた。

坂はとうとう垂直に伸びて積み木の塔となり、私は必死になって塔をよじ登っていた。掴む場所を間違えればいつ崩れるか分からず、緊張で手が湿って気が気ではなかった。がたがた震えながら頂上に近づくと、誰かが手を差し伸べてきた。それは父であった。父の手を借りて頂上へ這い上がったが、そこには畳一畳ほどの広さしかなく、落ち着ける場所ではなかった。さっさと降りようと思っていたら、いきなり父がものも言わずに飛び降りた。十数メートルあっただろうが、恐ろしくて無事かどうかも確認できなかった。私もあわてて塔を降りようとしたものの、ふと見るとさっき並んでついてきた子供たちがこぞって塔を登ってくるのが目に入った。こんどは私が手を引く番になるしかないのだ。どこからか昭和初期っぽいヨレた声で「木綿のハンカチーフ」を歌う少女の声が聴こえてきた。

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