◎ペットセラピスト等の資格保有者執筆◎

手術を行った後には、わんちゃんが傷口を舐めたりかじったりしないようにするためにエリザベスカラーをつけますが、カラーが苦手だという子も多いですよね。

そんなカラーが苦手なわんちゃんにオススメなのが “エリザベスウェア” です！

今回は、エリザベスウェアの特徴や活用することで起こる良い点、選ぶ際のポイントについて詳しくお話します。

＼あわせて読みたい記事！／
わんちゃんのエリザベスカラー｜着けるのを嫌がるときの対処法3選！

エリザベスウェアとは？

そもそも“エリザベスウェア”とは一体どのようなものなのでしょうか？まずは、エリザベスウェアについて詳しくご紹介していきます！

●エリザベスウェアの特徴

エリザベスウェアは、手術後のわんちゃんの傷を保護するために作られた術後服です。これを着せてあげることによって、わんちゃんが傷を気にして舐めてしまったり、傷口にダメージが加わったりすることを防げます。

エリザベスウェアにはさまざまな種類がありますが、ずれにくく脱げにくいように作られているものがほとんどなので「傷口をきちんと守ってくれる」という安心感があります。また、男の子用・女の子用と性別ごとに分けて作られているタイプも多いので、エリザベスウェアを着たままおしっこができるのも嬉しいポイントです◎

●活用すると良い点

手術後、わんちゃんが傷口を気にして舐めてしまうことは珍しくありません。わんちゃんが傷口を舐めるのは怪我を治そうとする本能であり、仕方のないことではありますが、化膿したりせっかく修復した組織が再び破壊したり…という危険も伴います。そのため、手術後のわんちゃんには傷舐め防止のためにエリザベスカラーを装着することが一般的です。

ところが、カラーによって首が重かったり思い通りに動けなかったりなど、わんちゃんにとっては大きなストレスとなることがほとんど…。

そこで、カラーの代わりにエリザベスウェアを着用すると、こうしたわんちゃんにかかるストレスを大幅に軽減することができるのです。カラーによって動きが制限されることが減るので、ごはんやお水も摂りやすく、姿勢も好きなようにとることができます◎

エリザベスウェアには向き・不向きも

エリザベスウェアを着用することで起こる良い点についてお話しました。一方で、中には「ウェアよりもカラーがオススメ」というわんちゃんがいるのもまた事実です。

ここからは、エリザベスウェアが向いている子と向いていない子の特徴をそれぞれお話します。

●エリザベスウェアが向いている子の特徴

繰り返しになりますが、エリザベスカラーがストレスになってしまう子は珍しくありません。筆者は動物病院で働いていたこともありますが、術後に来院して「カラーが邪魔でお水を飲まなくなってしまった」と相談する飼い主様もとても多かったです。

このように、カラーによって日常生活に支障をきたしている場合には、エリザベスウェアの着用がオススメです！カラーが嫌で暴れてしまったり、ごはんやお水を摂ることが困難になったり、飼い主様から見て「ストレスがかかっていそう」と感じた場合にはエリザベスウェアの着用を検討してください◎

●エリザベスウェアが向いていない子の特徴

結論から言うと、普段から服を着るのを嫌がるわんちゃんには、エリザベスウェアはあまりオススメしません。

先ほど「エリザベスウェアならば、カラーによってわんちゃんにかかるストレスを軽減できる」とお話しましたが、服が嫌いな子にとってはエリザベスウェアのがストレスになってしまうケースもあり得ます。

また、服が嫌いな子の中には自分で脱ごうしてしまう子もいるでしょう。エリザベスウェアは脱げにくいように設計されてはいますが、無理に脱ごうとして服が絡まってしまったりわんちゃんが暴れてしまったりなど、手術後の身体に負担となる危険も十分に考えらるのです。

ご自宅のわんちゃんがエリザベスウェアとエリザベスカラーのどちらが向いているのか、様子をよく観察して使い分けることが大切です。

エリザベスウェアを選ぶポイント3つ！

「エリザベスウェアの方が向いている」と判断した場合でも、かかりつけの動物病院にはまだ取り扱いがないこともあるかもしれません。通販サイトを見てみるとエリザベスウェアにもさまざまな種類があり、一体どのような点に気をつけて選べばいいのか悩む飼い主様も多いかと思います。

最後に、エリザベスウェアを選ぶ際のポイントを3つ解説します！

【ポイント①】傷口が隠れるデザイン

「手術」と一言に言っても、どこを手術してどこに傷口ができたのかは、わんちゃんによって異なりますよね。そのため、エリザベスウェアの種類によっては「傷口が隠れずに見えてしまっている」というケースもあるかもしれません。

傷口を保護することが目的なのに、隠せずにいては本末転倒です！

購入前にデザインを確認し、手術によってできた傷がきちんと隠れるものを選びましょう。

【ポイント②】わんちゃんに合ったサイズ

普段の服と同じように、エリザベスウェアにもさまざまな種類や大きさがあります。わんちゃんに合ったサイズでないと、きつすぎたり反対に大きすぎてすぐに脱げてしまったりすることもあり得ます。

エリザベスウェアを選ぶ際には、必ずご自宅のわんちゃんに合ったサイズにしましょう！先ほどお話したように、性別ごとにデザインされている場合も多いので、そちらも併せて確認してくださいね。

【ポイント③】肌や傷にダメージのない素材

エリザベスウェアは傷口を保護する目的で作られているので、柔らかい素材でできているものがほとんどでしょう。ところが、中には生地が硬かったり、マジックテープの位置が悪く肌に擦れてしまったり…という製品もあるようです。

実際に着用してみないとわからない点も多いかもしれませんが、購入前には説明書きやレビューなどにも目を通して、素材に問題がないかを確認しましょう。きちんと獣医師さんが監修して作られているものがオススメですよ◎

エリザベスウェアの特徴や、選ぶ時に確認したいポイントについてお話しました。

手術後は体だけではなく精神的にも不安定になりやすいです。わんちゃんの心にかかるストレスは、最小限にしてあげたいですよね。そのためにも、カラーとウェアのどちらが良いかを見極めて、わんちゃんへの術後ケアを正しく行いましょう！

●ライター：バーニー
愛玩動物飼養管理士の資格を保有
●編集：うしすけチーム