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【SEA】Bryan Reynoldsは本当にマリナーズに必要なのか

こんにちは、うしとらです。
ウィンターミーティングで他球団は燃えに燃え盛っていたストーブリーグですが、我らがマリナーズは何の音沙汰もなくただ他球団の契約を指をくわえて見るだけの日々を過ごしていました。
そんなマリナーズに気になる一報が。

なんと、マリナーズはReynolds獲得戦線の最右翼にいるとのこと。
半信半疑の内容ではありますが、いささか話題に事欠いていたマリナーズにとっては興味深い内容です。
今回はReynoldsトレードについて考察してみます。

マリナーズの現状

まずは、マリナーズがどのような状況なのかを整理してみます。

1 打線の強化

マリナーズの去年の総得点は690で、これは30球団中18位の成績です。
wRC+(全体8位)やwOBA(全体14位)などの指標ではマリナーズの打撃は悪くないのですが、本拠地が近年のMLBの中で最も打者不利だったり、BABIPが30球団中29位と運にも恵まれなかった結果、実際の成績と指標の乖離が起こってしまったのでしょう。
指標がどうであれ、実際にチームが得点できていないとなると、強打者の補強に動くのは自然な流れです。


「wOBAとかwRC+って何?」という方はこちらのサイトで分かりやすく解説されています。
興味のある方はこちらも併せてご覧ください。

ぶっちゃけ、数値が高ければ良いと覚えておけば大丈夫だと思います。
筆者もよく分かってないです。

諸々の詳細な数値を知りたい方はこちらから↓

2 お金がない‼︎

打線を強化するだけならトレードで取らなくても、FA選手を取ればいいじゃないとお考えの方もいるのではないしょうか。
しかし、そう簡単にも行きません。
2023年のマリナーズの総年俸は約174MMと予想されています。
そして、マリナーズのこれまでの総年俸の推移を見てみると、最高額は2017年の約174MMと、およそ現在のマリナーズと同じくらいです。
傾向を鑑みるとおそらく、この174MMを大きく超えることはないでしょう。
FAで打線にインパクトを与えることができる選手を獲得するとなると、少なくとも今年は年平均10MM程度は出さなければならなかったことを考えると、トレードでお金をかけずに選手を模索するのは不思議なことではないでしょう。
プレーオフにも出たんだから懐緩めんかい
(参考 今季はJ.D.Martinezが10MMで契約)
(追記 ここでの総年俸は下記のサイトのCB Tax 40-manと同じです。実際に支払う年俸等はCB Tax 40-manとは異なっています。)

総年俸の詳細はこちらから↓

3 センター問題

マリナーズのセンターは新人王のJulio Rodriguesが守っていますが、彼が離脱した場合の控えがいません。
正確に言えば、一応センターにはつけるものの、特に守備で目を見張るようなものはなく、かといって打撃もスタメンで使うにはキツい程度の打力の選手しかいません。
ただ打てるだけでなく、センターをある程度守れる選手が必要とされています。

4 外野を整理する準備

まず、外野3枠の内2枠はJulio Rodrigues、Teoscar Hernándezの二人がレギュラーで確定しています。
残る1枠は確定しておらず、レギュラー争いをする面子もJarred KelenicやTaylor TrammellといったMLBの適応に苦しんでいる、はっきり言ってしまえばパッとしない陣容になっております。
Kelenic、Trammellの両名はマイナーリーグオプションがあと1回であることに加え、そもそもコンテンダーのマリナーズでは彼らに打席を与える余裕もありません。
また、今オフはJesse WinkerやKyle Lewisがトレードで放出、Mitch Hanigerにはクオリファイリングオファーを出さずに放出するなど、外野手を整理する動きが目立っています。
実績のある上記3名すら既に放出されている中、実績がないKelenic、Trammellが残留するのは違和感が残ります。

Bryan Reynoldsは全ての問題を解決し得る

ここまで長々とマリナーズの問題を書いてきましたが、ようやく本題です。
これまでの問題を1つ1つずつ当てはめながら、Reynoldsという選手の特徴を見ていきましょう。

1 打線の強化←できる‼︎

Reynoldsは通算OPS.842、wRC+126と文句のつけようのない成績を残しており、打低とされているTモバイルパークでも中軸としての役割は十分に期待できます。

2 お金がない!!←安い!! 

Reynoldsの来季の年俸は6.75MMと破格の値段になっています。
それ以降の年俸は未定ですが、FAになるまでの2026年までは安い費用で繋ぎとめておけるでしょう。
2024年以降はマリナーズも資金の余裕が出てくるので、契約延長も視野に入ってくるかもしれません。

3 センター問題←解決‼︎

一昨年からPITのセンターとして定着し、通算2500イニング以上センターを守った実績があります。
Julioの負担軽減のために彼がレギュラーセンターに就く未来もあるかもしれません。

4 外野を整理する準備←万端‼︎

Reynoldsを獲得して外野3枠を埋めればKelenic、Trammellを残す理由も無くなるので満を持して放出されるでしょう。

懸念点


ここまではポジティブな面ばかりを並べてきましたが、もちろん懸念点もあります。

1 打撃が不安定

今季はOPS.806と良い成績を残しましたが、アプローチは悪化しており、BB/K(四球➗三振)は昨年が0.64だったのに対し、今年は0.40にまで落ちました。
一年でここまで大きく変わるとなると何かあるのかと勘繰ってしまいます。
とはいえ、2020年の絶不調から2021年はオールスターに選出されたりと、もともと波のある選手ではあるので、ここはあまり大きな問題ではないとも思います。

2 守備の悪化

Fangraphsより引用

上の画像はReynoldsの守備指標です。
去年までのセンター守備は各指標によって評価が分かれるものの、目立って悪いというものではありませんでした。
しかし、22年は各指標で軒並み大きなマイナスを叩き出してしまいました。
これではセンター問題は解決できません。
(じゃあなんで解決できるなんて書いたんだ)

最大の問題 トレードの対価


上記の二つの懸念点はこの問題に比べれば微々たるものでしょう。
まず、マリナーズはかねてよりReynolds獲得に興味を示していました。

上の記事は2021年のTDLでReynoldsのトレードを試みていたという記事です。
パイレーツ側は対価として当時MLB全体のプロスペクトランキングTOP5に入っていたJulioを要求していたとの記述があります。
この事から並大抵での対価ではReynoldsは動かさないというのが見て取れます。
現にReynoldsは未だにパイレーツから動いていませんし、この姿勢を崩すことはないでしょう。
そして、最初に引用したツイートにはヤンキース、ドジャースも強い興味を示していると書かれています。
そして、マリナーズが他を抜きん出て合意に近づいているとも。
しかし、どうにもおかしな話です。
George Kirbyはプロスペクトから卒業し、Luis Castilloのトレードのためにめぼしいプロスペクトは軒並みレッズへ放出したマリナーズは、他の2球団と比べて対価となるプロスペクトは劣っていると言わざるをえません。

マリナーズ...
ドジャース


ヤンキース

画像はこちらから引用

無い袖は振れませんし、プロスペクトとのトレードではどう考えても不利なマリナーズはどのようにして優位に立っているのかを考えてみると、現有戦力をメインに据えたトレードという結論が妥当に思えます。

パッケージを考えてみる

マリナーズの現有戦力を見てみると、先発陣は盤石を超えて有り余っている状態です。
以下mlb.comより引用

彼ら五人に加えてChris Flexenもいます。

(各々の成績まで書くとそれ一本でnoteが書けてしまうほど長くなるので今回は省略)

また、現在はリリーフ起用ではあるものの、もともと先発として期待されていたMatt Brashも100マイルを投げることができるスペックや、保有期間の長さからパイレーツにフィットするのではないでしょうか。

Matt Brash+Jarred Kelenic+プロスペクト諸々

Matt Brashはマリナーズにいても今の先発陣に割り込むのは厳しいでしょうし、おそらく彼がメインピースとなるでしょう。
Kelenicは腐っても元トッププロスペクトですし、ある程度の評価はされているのではないしでしょうか。(まぁ高く評価もされては無いでしょうが)
プロスペクトについては正直読めません。
今オフ、保有年数、fWARが共にReynoldsよりも上回る外野手兼捕手のDaulton VarshがARIからTORにトレードされましたが、思ったよりも対価は小さくまとまった印象です。(もちろん単純比較はできませんが)
このトレードを鑑みればRaynoldsもそこまで高くつかないのでは?という希望も見出すことはできます。
とはいえ、パイレーツは先述の通り並大抵のパッケージではReynoldsを動かすつもりはないと思いますので、そう甘くはないのかなというのが実情です。

Logan Gilbertをメインピースに据える

マリナーズとのトレードが成立するならば、この形が一番あり得ると思っています。
自分で書いておいてなんですが、先述のような案でトレードするならドジャースとする方が質、量共にマリナーズよりも良いでしょう。
(贅沢税的にも強請るならマリナーズよりもドジャースの方が強請り甲斐がありそう) 
となると、Gilbertという長く安く保有できる選手が現実的ではないでしょうか。
このトレードは先発に困窮しているヤンキース、ドジャースにはできないトレードですし、
これならトレードの合意に近づくのも納得です。
Chris FlexenやMarco Gonzalesといったトレード候補に名前の上がっていた両名が動かなかった理由もローテーションを守る為だという説明がつきます。
また、Matt Brashやマイナーに控えているプロスペクトたちを先発で試す余裕も生まれます。
パイレーツは昨季100イニング以上投げた先発はMitch KellerJT Brubakerの2名しかおらず、イニングを安定して消化できる先発としてGilbertはもってこいの存在ではないでしょうか。

結論

Reynoldsはマリナーズにフィットする魅力的な選手であることは間違いありません。
ですが、攻守共に波がある選手であり、そのような選手のために、足下を見られ法外な対価を払うのはあまり好ましくないと思います。
個人的にはオフの間に焦らずにトレードせず、
攻守共に真贋を見極めた後にTDLまでにトレードをすればいいのではないかと思います。
私の結論はこんなものです。
この後はおまけとなっています。
見たい方だけ見ていってください。

おまけ 

ここまで見てくださった方には、随分と煮え切らない結論出したなとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も長々と書いてこれは消化不良な感じになっちゃうなと思いましたので、代替案を用意しました。

Tyler O'Neill獲得

O'Neillはレフト守備がうまく、センターも昨季ある程度守りました。
バッティングは昨季は低調に終わりましたが、BABIPは.277と彼のキャリア平均と比べて.043程下回るなど、運が味方しなかった影響が大きいでしょう。
2021年レベルの活躍は難しいにしても、平均より上くらいの活躍は期待できるでしょう。
対価に関しても、カージナルスはAdam Wainwrightの引退、Miles MikolasのFAが遠くない未来に待ち受けている以上、投手プロスペクトの確保はしたいところでしよう。
また、来季のカージナルスはトッププロスペクトJordan Walkerの昇格が見込まれていますが、本職のサードはNolan Arenadoが君臨しているので、外野へのコンバートが規定路線と言われています。(実際昨季はある程度外野を守った)
カージナルスは昨季Lars NootbaarとDylan Carlson、そしてO'Neillの3人がレギュラーでしたが、この中ではセンターをフルタイムで守れそうになく、保有年数も2年と長くはないO'Neillが、Walkerの出場機会確保のために最も動かしやすい存在でしょう。
昨季の不調もあり、対価もそう高くはならなそうですし、今オフの間にトレードするならO'Neillの方がいいでしょう。
(マリナーズにドラフトされた選手なのでトレードされると出戻りになります。エモい。)

おまけは以上になります。
ここまでの閲覧ありがとうございました。
ご意見、ご感想があればコメント欄かTwitterのリプ欄に送っていただければ幸いです。

写真(Pittsburgh Pirates)
参考にしたサイト
(https://www.fangraphs.com/)
(https://legacy.baseballprospectus.com/compensation/cots/)

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