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[SEA]Dylan Mooreとの契約延長

こんにちは、うしとらです。
現地時間2月1日、マリナーズはDylan Mooreと3年の契約延長で合意しました。
今回はこの契約について書いていこうと思います。

そもそもDylan Mooreってどんな選手?


彼はレギュラーではないので、マリナーズファンではない方にはDylan Mooreの名前はあまり聞き馴染みがないと思います。
そんな方に向けて、Dylan Mooreがどんな選手なのかを数字を混えて紹介いたします。

打撃面


・フライをよく打つ

LA…平均打球角度
EV...平均打球初速
Barrel…長打になりやすい打球
wrc+...球場による補正を加味した得点への寄与を数値化した指標(平均は100)
※数値はFangraphsから引用


MooreはEVがMLB平均以下で、決してパワーがある打者とは言えませんが、打球に角度をつけるのが上手いバッターです。
このおかげかBarrel %は昨年12.8%で、これはMLB上位12%の数値です。
(昨年だとBryce HarperやRonald Acuña Jr.と同程度の数値。)

・選球眼の向上


K%=三振率
Whiff%=空振り率
BB%=四球率
Swing%=スイング率
Out of Zone Swing%=ボールゾーンスイング率
※数値はBaseball Savantから引用


Mooreは通算の三振率が30%とかなり空振りが多く、打率も低いバッターですが、意外にも選球眼は年々向上しています。
要因としては、年々スイング率、特にボールゾーンをスイングする割合が下がっていて、打席では辛抱強く狙い球を絞っていることが大きいでしょう。
※参考
(昨年、Out of Zone Swing%が18.8%以下の打者はJesse Winker、Juan Soto、Alex Bregman、Max Muncyなど)

総括
Mooreの打撃はムラがあるものの、安定した出塁能力とパンチ力があり、総合的に見ると一定の貢献は見込めると思われます。

守備面

彼の最大の強みはバッテリー以外の7ポジショ
ンを全て守れるユーティリティプレイヤーであることです。
ただ、ユーティリティプレイヤーと聞くと、「どうせ守れるだけで下手くそ」、「あれは...セサル?!」といった感想を抱いた方もいると思います。
しかし、Mooreはそういったユーティリティプレイヤーとは一線を画した存在なのです。

※数値はFangraphsから引用

表を見ると一目瞭然ですが、彼はショート以外では平均かそれ以上の数値を計上しています。
特に両翼とセカンドの守備は強みともいえます。
どこに置いても無難に仕事をこなす彼は、まさにスーパーサブと形容するに相応しい選手でしょう。

契約は適切か

Mooreと比較的立ち位置が似通っている選手はCavan Biggio、Tommy La Stellaあたりになってくると思いますので、この2人と契約を比較してみましょう。
(ユーティリティ、準レギュラー格の存在であったことなど)

Fangraphs Spotracから引用
La StellaはFA年の2020年までの成績を適用

簡単な比較になりますが、こうして見るとBiggioと年齢以外はそう変わらない感じに落ち着いています。
この契約でFA1年分を買い取っていることを鑑みれば、安く収まったと感じることもできます。

Mooreとしても、今年の予想調停額が2M程度だったことを鑑みれば、この契約に二つ返事でサインすることは容易に想像がつきます。

↑調停額予想の記事

結論としては、両者がWIN─WINになる契約延長だったのではないでしょうか。
失敗に終わっても痛くない金額だし

終わりに


ここまで長々と数字を並べてDylan Mooreの事を書いてきましたが、彼の魅力を数字で表しきれません。
彼の魅力は守備につけばハッスルプレーでチームを鼓舞し、打撃では肝心な場面での一打が光る、どこか危なかっかしくも、頼りになるところです。
なんだかんだで彼もチームの中では古参になっており、今回の契約は彼がチームを支え、引っ張る存在になることを決める契約になったのではないでしょうか。
これからもファンをヒリつかせるプレーを魅せ、契約が成功だったと思わせてくれるような活躍に期待しましょう。

見出しの写真
(https://twitter.com/mariners/status/1393410834110443524?s=46&t=B4nf8T8WbrAvytk1Ie-UhA)

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