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”さくらの森”再生プロジェクト ーきっかけの話ー

はじめまして、東京都公立小学校で図画工作専科教員をしている山内佑輔です。勤務校では4〜6年生の図画工作を教えている”図工の先生”です。

本校は2019年11月に学校行事”展覧会”(作品展)を開催します。この行事をつくるのも”図工の先生”の仕事。作品を飾るだけで終わってしまわないように、今までも工夫を重ねてきました。”展覧会のための作品作り、そのための授業”はしたくありません。今までの学びが繋がり、さらに発展できるような、この行事を活用できる企画を探っていました。

2年間一緒に図工の時間を過ごしてきた6年生。(今までどんなアクティビティを重ねてきたのかは、こちら。)こどもたちの発想力、創造力には驚かさせることが多く、とても頼もしい。共に創り出す力もあります。そんな6年生には、これまでに培ってきた力をさらに発揮できるように、さらにチャレンジできるように、そして達成感を感じてもらえるような、そんな授業をつくりたいと思っていました。

そこで、考えたのが”小屋づくり”。

建築士にも参画してもらい、こどもたちが共同で設計し、学校の敷地内に自分たちの家を建設してしまおうというものです。他校での実践例もありました。

地域に関係する建築士はいないだろうかと、ちいさなデザイン教室がようしラボでお世話になっている萩原修さんに相談しました。そこで、紹介いただいたのがWAKUWORKSの和久倫也さん。

http://www.wakuworks.jp

和久さんに来校いただき、小屋を建てる場所として紹介したのが、今回のプロジェクトの舞台となる桜の森でした。

もう20年以上、手つかずのままで、ヤブ蚊が大量に発生し、雑草も伸び放題。鬱蒼としていています。
昨年、竹を伐採し少し開けましたが、今までこの場を学習環境に生かすことはほとんど行われてきませんでした。

ー私たちは、身近な自然環境をヒントに設計を進めます。
未来の子どもたちの喜びと安心につながる場づくりを目指します。
生み出された空間が、地球の一部となりますように。ー
WAKUWORKSホームページより

土木造園にも携わる和久さんは、この森に注目してくれました。

「きちんと手入れをすれば、学校で一番居心地のよい場所になるポテンシャルをもっています。」

これを受けて、こどもたちと一緒に森の手入れをし、自分たちの手で再生し、その中で”あそぶ・つくる”ビジョンが生まれました。小屋づくりから、森再生へとテーマが変わりました。

図工だけでなく、理科、社会科、そして総合的な学習の時間と、教科横断的な学びが実現できそうです。
また、SDGsにも関連づけることもできそうです。

資材も地域の材木屋さん、建設業の方々の協力も得れそうです。

今年だけで終わらない、この学校の大切な場所として、「桜の森」が残り続けるための最初の一歩。

「”さくらの森”再生プロジェクト」が動き出します。