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シー(see)とルック(look)


物や映像、風景。
何をどうやってみるか、どう感じるか
さまざまな媒体、肉眼。

「みる」の定義が多様化されている現代において
様々な人が感じる「美しい」という感覚も
細分化がされていると格好つけながら考えている牛丸です。


日常の中でも、いつもの平坦な通り道。
毎日見慣れた光景の中でも心情の変化や気候などによって
ふと、馴染みある光景の中にも美しさや面白さを感じる瞬間が
少なからず、感じる方がいるのではないでしょうか。

特に現代では、様々なツールを通して自分の胸の中にある美しさや感じ方を
撮り方や文字での綴り方、言葉などを通して
伝えようとしていると感じたりします。

洋服を伝えるという役職にある自分は、見た目の美しさや
ギミックや思想の面白さなど
様々な洋服をこの目で見てきましたが


その中で一番伝えるのが難しいのが


「実際にその場で見たらいいもの」

ネットワークを通して暇時間を利用される方が多い時代において
わざわざご足労いただいて、感じていただくアイテムは
今の自分において非常に難しい。

マイナス発言になりますが、こう感じてしまいます。

しかしながら、僕自身そう言うのが
「大好きです。笑」

洋服のグラフィック、デザイン等の素晴らしさは
全てとは一概に言えませんが
あらゆる媒体において評価されやすいと感じます。

今回、ご紹介するアイテムは
正直に言って初対面の時感じたのは
「物凄く良い。すごく良いけど、どう伝えよう…。」

単純に表に面白さが出ているものは伝えやすいが
伝えやすいからと言って「良い」。
というものではないと自分は感じます。

今この場でお目にかかれるからこそ生まれる感覚を
伝えていきたい。

そう思い、本日もnoteを書いてます。


改めて言います。
良い、すごく良い。


そんなアイテムを今回はお見せします。









一見、遠目で見るとグレーのレギュラーシャツ。
わかりやすい過度なディテールは見えなく
凛とした佇まい。

今の時代、多くの方がクローゼットに持たれやすい
普遍的なカラーにリラックスシルエット。

目を凝らし、注視していただくと
現れる唯一無二の美しさが垣間見えるかと。





普遍的だからこそ目に映る静けさの中にある力強さ。

デイリーに着ていただける身幅に余白を残した
間違いない1着。

独特なオリジナルテキスタイルからなる
日本人には既視感があるであろう、ウールでもコットンでも何者でもない
シャンブレーのもの静けさ。

冒頭の写真でもお気づきの方がいるのでは?

そうです。


POSTELEGANTと
イタリア、ナポリに工房を構える SALVATORE PICCOLO とのダブルネーム。


存じ上げない方に向けてサルヴァトーレ ピッコロのご説明を。

2007年にスタートしたイタリア、ナポリのシャツブランド
ナポリの裁縫の伝統に則った、クラシックでフォーマルな仕立てをベースに置きながらも、現代的な解釈が加えられたスタイルが特徴。



ナポリシャツといえば
手仕事を多用した作りで、
これが着心地の良さとある種の甘さを作り出していると感じます。

丁寧に作り込まれているが、手縫いらしさを存分に堪能できる、
職人の技術をこれほどまでに身体に感じられるのはサルヴァトーレピッコロならではかと思います。

この物作りにPOSTELEGANTのデザインが上手く共鳴したもの。

はい、おわかりいただけますか。


最高です。


そして今回、使用されたファブリックは
和紙100%のしっかりと打ち込んだ平織生地を使用。

和紙は日本において古来から現存するものですが
現在、アパレル業界において非常に現代的なファブリックとなっています。

通気性、軽量性、防シワ性、吸水・速乾性を兼ね揃えつつ
マシーンウォッシュも可能、そして一般的なコットンより
軽量なハイブリット素材となっています。

その素材をふんだんに使用した素材にナポリ。
自己満と言われればそこまでですが、素晴らしい雰囲気かと。



個人的に古いヨーロッパのシャツが好きでよく着ていますが
手縫いの素晴らしさの一つに経年変化があります。

シャツで経年変化?と感じる方が少なからずおられると思いますが
自分が所持しているこちらをご覧ください。





1950s?くらいの古いフランスのコットンシャツです。
洗濯後なので少しシワが見えていますが
なんとなく伝われば良いのですが
どことなく丸っこい雰囲気が感じられるかと思います。


この雰囲気がいわゆるパッカリングです。


この佇まい、本当に僕は大好きです、、、。


個人の話をし過ぎたので話を戻しますが
サルヴァトーレピッコロならではディテールだとここもポイントです。




お分かりいただけますでしょうか、、、。
そう、この袖のディテールは角落としです。

サルヴァトーレピッコロの特徴の一つに肘のダーツがあります。

これにより腕の動作の際にスムーズさを演出。
この辺りがイタリアンらしさを感じますね。

もちろんのこと、シルエットにも影響があります。




この美しい自然な前振り。
我ながら見惚れてしまいます。

単品で着るのもよし、スタイリングに落とし込むのも良し。
このフラットに解釈できるものが

「実際にその場で見たらいいもの」

だと僕は感じています。


最後にサンプルスタイルです。





POSTELEGANT
Washi Paper Shirt
color : Navy Chambray
size : M,L
price : ¥50,600 - (in tax)



サイズ
M
着丈 約79cm
身幅 約57cm
肩幅 約51.cm
袖幅 約60cm

L
着丈 約81cm
身幅 約61cm
肩幅 約53cm
袖幅 約64cm

モデル
181cm 72kg / size L





そしてご紹介したアイテムを含め、POSTELEGANTから第一便が届きました。





そしてタイトルにあった

シー(see)とルック(look)

なぜこのタイトルなのかというと

例えば、あの知らない人を探す方が難しい作品。


ゴッホ「ひまわり」

素敵な作品。
僕自身、絵画については勉強中で詳しいことは述べれません。笑

でも素人目線の感じ方を例とさせていただくと

色彩の使い方や絵の質感、作品のバランスなど
ゴッホだからこそできる描き方なのかなと簡単に考えます。

しかし、いつの日か名古屋で展覧会があったと思いますが
そこに記載してあったのが

「ひまわりの花、一つ一つに表情がある」

人間が持つ感情として、楽しい、悲しい、嬉しい。
多くの感情があると思いますが
その感情が意欲的に見ると感じていただける作品だと

僕はそう思いました。


これこそタイトルにもあるとおり
シー(see)とルック(look)

see=自然に目に入る
look=意識的に見る

この感覚を通して
「実際に見たら良い物」の良さに気づいてもらえると幸いです。



このブログに実物。
それらを紐付けて解釈していただけると
洋服屋として良い伝え方になっていると思っています。




2月からアパレル業界的にも24ssに本腰が入ると思いますが
自分が働いているお店は2/3(sat)から遂に始まります。

ご興味ある方は是非ご来店ください。




UNLIMITED 牛丸


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