プロジェクトマネージャ(PM)やプロダクトマネージャ(PdM)にとって、限られた時間や予算の中で、何を捨て、何に専念するかを決めるのは腕の見せ所だ。一方で、ワンマン経営でない限り、すべての優先順位を自分で決められるわけではない。ステークスホルダとは違うモノサシで優先順位を決めていたら、いつまでたっても合意形成できない。だから優先順位の決め方にも複数のモノサシが必要となる。
ProductPlanでは、なんと37個もの意思決定フレームワークが紹介されている。後半は意思決定というより開発のフレームワークだが、前半だけでも覚えておけば、もし合意形成が難航した場合などにモノサシを切り替えるのに役立つだろう。
縦軸にvalue、横軸にEffortという2軸で何を優先するかを決めるというもの。別に「value vs complexity」という呼び方をしなくても、少ない労力で多くを得られるものを優先するということは誰でも無意識にもやっているだろう。
一方で、valueという軸は曖昧だ。もし、この方法で優先順位を決めようとして意見が分かれることがあるとしたら、何をもってvalueを数値化するかというところだろう。
日本人の狩野紀昭氏による「狩野モデル」と呼ばれる手法で、こちらは縦軸がCustomer Delight、横軸がImplementation Investmentとなっている。ただ、最初のvalue vs complexityのように簡単ではない。
機能を追加しても当たり前(must be)と受け取られて満足度が高まらないケースもあれば、機能が不十分でも満足度が高いケースもある。なので、それぞれのプロジェクトがどういうケースなのか把握したうえで意思決定すべきということになる。
幸いなことに「狩野モデル」で検索して、容易に多くの情報に辿り着くことができる。
名前が似ているので並べて書く。ICEはimpact、confidence、easeの頭文字でRICEはreach、impact、confidence、effortの頭文字。
impactは文字通り事業に対して、どれだけ大きなインパクトを与えそうかという指標。そしてconfidenceは、impactがどれだけの信頼性かを示す。例えば裏付けるエビデンスがあるかどうかも指標とする。easeまたはeffortは、それらを実現するのがどれだけ容易もしくは大変かを示す。confidenceが、これまでの2つにはなかった観点だ。
RICEは、さらにreachが加わる。これは例えば特定の期間に何人がサービスの無料トライアルを申し込むかといった指標だ。最初の1ヶ月は無料で使ってもらうようなサービスには必要だろう。
これ以外にも、下記のフレームワークが紹介されているので、気になる方は原文を見ていただければと思う。