Data Center Cafe経由
過去にDropboxがAWSから自社データセンタに移行したという話があったので似た話かなと思ったら、どうやら逆の動きらしい。
https://www.datacenterdynamics.com/en/news/us-based-box-inc-spent-15m-more-on-cloud-and-5m-less-on-data-centers-in-2022/
Boxの財務報告書によるとパブクラへ$15.2 million追加し、自社のデータセンターの費用を$4.9 million削減したとのこと。
ちなみに主に利用しているのはGoogle Cloundらしい。
記事ではBoxがオーストラリアや日本、カナダ、フランス、イギリス、ドイツなどに分散するBox Zoneというサービスを提供しており、これを撤退するのでという見方を示している。
Box Zone自体はBoxのサイトに、このように書いてある。
複数の地域にデータのresidency(居住地)を置くことができ、その地域は顧客自身がpreferred(好ましい)な地域にできるというものらしい。
このページの下の方にはGDPRに関するページへのリンクが張られている。
ざっくりいうと、EUの中から外へデータの転送をできるのはEUが認めた水準に達した国だけで、米国はいくつかの条項を満たせば転送してよいと認められたかと思ったら、その有効性が翻される(いわゆるシュレムス事件)など混乱しており、データの保存場所にも配慮しなければいけない。
で、この要件をGoogle Cloundで満たせるのか、それとも満たせない部分はオンプレとして残すのかまでは読み取れない。
冒頭に書いたように、競合のDropboxは2016年にAWSから自社データセンタに移行したという話が有名だったが、2022年のannual reportを読んでみると、
https://stocklight.com/stocks/us/information/nasdaq-dbx/dropbox/annual-reports/nasdaq-dbx-2022-10K-22653101.pdf
データの90%はカリフォルニア、オレゴン、テキサス、バージニアの自社データセンタに置き、残りはAWSのオーストラリアやヨーロッパ、日本のリージョンに置いている。この9:1という比率は2018年の上場申請書の時点から変わっていない。