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赤ちゃんの探索

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発達心理学・認知科学をベースに、赤ちゃんのさまざまな行動について考えるマガジンです。「赤ちゃんと関わった経験がほとんどないけれど、興味がある」「今度子どもが生まれるので、子どもが… もっと読む
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#探索

赤ちゃんのフィジカル探索

赤ちゃんのフィジカル探索

前回の記事では「赤ちゃんの探索とはRPGのレベルあげ」と書きました。身体の感覚、動かし方、物の運動パターン、人との関わり方をなどを学んでいきます。そのとき最も大切なことは「あなたは世界を探索するために生まれてきた!さぁ、世界を楽しもう!」という物語世界を大人が用意できるか、ということです。

その物語世界の作り方には2つの方向があります。1つはフィジカルの世界で「どんな物を周囲に置くか」。もう1つ

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赤ちゃんの心の探索

赤ちゃんの心の探索

このシリーズでは「赤ちゃんの探索とはRPGのレベルあげである」という見立てから、身体の感覚、動かし方、物の運動パターン、人との関わり方をなどを学びうる赤ちゃんの探索環境のデザインについて考えています。

前回の記事では、Baby-Led Weaning=赤ちゃん主導の離乳食という食育の方法を ①好奇心に基づいて探索すること ②手と口の感覚と運動をたくさん使うこと という2つの観点から面白い!という

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赤ちゃんの遊び場をつくるには

赤ちゃんの遊び場をつくるには

赤ちゃんの遊び場をつくるには、観察し、考察し、物を選び、レイアウトし、一緒に遊ぶ、というステップを繰り返します。

このシリーズでは、赤ちゃんにとっては感覚ー運動の探索が重要であること(赤ちゃんのフィジカル探索)、心的な安心感が確保されている場が重要であること(赤ちゃんの心の探索)などを書いてきました。その具体的な作り方について、これから書いていきたいと思います。

赤ちゃんの探索環境の作り方は、

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ワークショップに論文を活かすには

ワークショップに論文を活かすには

「赤ちゃんの探索」シリーズ、今回は論文リサーチとその活用方法について、ぼくがやってきた方法を書いてみます。

ぼくたちは子どものことを、もっとおおげさにいえば世界のことを「ストーリー」で理解しています。それに対して科学の世界では「エビデンス」で理解します。そのどちらでも活用されるのが「アナロジー」だと考えられます。いままで無自覚に使ってきたストーリーの枠組みを捨て、エビデンスとアナロジーを使って別

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探索のためには愛がいる

探索のためには愛がいる

こんにちは、臼井隆志(@TakashiUSUI)です。普段は赤ちゃん+保護者向けワークショップの開発とファシリテーションをしています。ここでは「子どもの探索活動」をキーワードに子どもの認知・発達・振る舞いについてのリサーチ過程を公開していきます。

前回の記事では、「感覚を総動員する遊び」を繰り返すことでパターンが予測できるようになり、それを模倣したり再現しようとする、という話を書きました。

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