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ワークショップ・デザイナーの仕事報告

こんにちは、ワークショップデザイナーの臼井です。ここ2~3ヶ月で新規の案件がわーっと湧き上がってきて超楽しい最近なのですが、ちょっと散らかってきた感があるので、ここらで自分の仕事について言語化しておかねばと思い、まとめることにしました。

というわけで、9月からの2ヶ月間の報告です。

Haptic Design Meetup

9月7日にHaptic Design Meetupというイベントに登壇しました。「触覚のデザインを考える」という超ニッチに見えるプロジェクトなのですが、とても面白いんです。もうすぐ、イベントレポートが公開されるとおもいます。

この日のテーマは「Haptic × Kids Design」でした。キッズデザインとは子どもの体験のためのものごとのデザインで、そこにHapticをかけあわせると「探索」という言葉に行き当たるとし、ただ探索をうながすだけでなく、ごっこ遊びとかけあわせることが重要である、という話をしました。その話はこちらのnoteにまとめています。

「触覚のデザイン」という視点は、赤ちゃん向けのプロダクトやサービス開発、家庭での遊びにもとても役立つ視点なので、今後も発信していきたいと思っています。

Knotty Workshop

伊勢丹新宿店の6Fにはベビー子ども用品フロアがあり、玩具売り場があります。そのなかに「cocoiku PARK」という小さなワークショップスペースがあり、そこで「Knotty」というプロダクトを使ったワークショップが実施され、そのサポートをしました。9月なかばから、10月なかばまで毎週末。

「Knotty」は何かというと、studio PLAYFOOLというクリエイターが開発した知育玩具です。スイッチ・マイク・振動センサーといった「インプット」と、LED・スピーカー・モーターといった「アウトプット」の2種類のブロックがあり、それをひもでつなぐことで稼動します。これに工作を組み合わせて、さまざまなガジェットができあがるというものです。

このプロダクトの開発初期から話を聞いていて面白いなぁと思い、伊勢丹につなぎました。これは「プログラミング教育」についてPLAYFOOLの二人が考え抜いて生まれたもので、ぼくもこのプロジェクトをきっかけに、プログラミング教育について考えを深めました。それについてはまた別途記事を書こうと思います。

「体験のデザイン」のための組織づくり

4月から着手したこのプロジェクトは今年の仕事の中ではもっとも比重が大きいものです。「モノからコトへ」と言われて久しいですが、モノを売ってきた百貨店が「コト(=体験)」をどうやって提供するかという課題に取り組んでいます。

ぼくの仕事は、体験をデザインする組織と研修ワークショップの設計案を提案です。体験型の接客モデルをつくることを目指しています。従業員数18000人の大企業の中での実践なので、苦労も多いし、学びも多いです。

なぜワークショップを大人向けにやるかといえば、暇つぶしや趣味の延長でもなく、新しい方法(働き方・暮らし方)にチャレンジし、楽しんでもらうためなんですよね。

その場限りで終わっちゃっては(開発時間と費用が)もったいない。組織の構造自体にコミットしたかたちでワークショップを埋め込まなければ成果は持続しないんです。そのあたり、研修転移という本の第1章にみっちり書かれていて、参考になります。

赤ちゃんとダンスについてのワークショップの開発

単発のイベントですが、3月にあるダンサーの方と拙著『意外と知らない赤ちゃんのきもち』をモチーフにしたワークショップを実施します。

赤ちゃんとダンスってなんの関係があるの!?と思われるかもしれませんが、ダンスと言ってもヒップホップダンスのような音に合わせて踊るものではありません。

ここでいうダンスは、身体の重さやかたちへの意識からつくられる動きを重視した、運動や体操に近いものです。そしてそのような意識は、赤ちゃんの身体性ととてもよく似ているのです。

ということで、ダンスを通して赤ちゃんの気持ちを想像すること、ひいては身体を通して他者との関わりを再考する場をつくります。

参考にしている本はこちらです。

こちらのワークショップも、情報公開次第、お知らせします。

「舞台芸術の鑑賞」に関するワークショップの開発

これはまだ始まったばかりのプロジェクトなので詳しいことは言えないやつですが、舞台芸術のなかでも現代演劇やコンテンポラリーダンスといったジャンルの鑑賞体験を豊かにすることを目指しています。

「豊かにする」というのは、トークイベントを企画したり、作家によるワークショップを企画したりするだけではなく、舞台芸術の新たな楽しみ方を模索するものです。一筋縄ではいかないプロジェクトですが、一緒に企画している方がとても頼もしい方で、ワクワクしています。

参考にしているのはダレン・オドネルというカナダのアーティストの活動。「子どもが舞台芸術作品を審査する」「子どもが大人の髪を切る」などしびれる活動をしていて、ワークショップ・デザインの観点からそのロジックをもっともっと知りたい!と思っています。

編集についてのワークショップの開発

こちらは、ぼくがnoteディレクターの「水P」こと水野さんに提案しているものです。一度記事にラフ案をかいたら、多くの方に賛同いただきまして、12月頃にテストワークショップの実施となりそうです。

発達に関するゲームをつくろうとしている

ワークショップは体験の場作りなので、場所を決めて、人を集めて、連絡をして、、、という作業が必要になります。しかし、そのコンテンツ自体は、導入→内容→まとめ、と、文章の構成に近い。そして、ワークショップつくるとき、ぼくは台本をみっちり書くので、文章をいっぱい書くんですよ。だから、ぼくは紙媒体と相性がいい(と自分では思っている)んです。

そして、紙媒体と相性のいい体験コンテンツといえば、ボードゲーム。noteでボードゲームといえばミヤザキユウさんです。

前々からその考え方や仕事ぶりに共感していて、note公式オフ会でお会いしてわーっと話し、「一緒にゲーム作りましょう」としつこめにラブコールした結果、いま「発達を学ぶためのゲーム」を一緒に考えてもらっています。

制作はちょこっとずつですが進めていて、どこかイベントで試せる場所、出版してくれる版元さんも探していけたらいいな。

友達の小説の編集を手伝っている

これは仕事ではなく、勝手な趣味でやっているのですが、友達に「小説を書いて欲しい!」と言ったら「じゃあやってみようかな」と言ってくれたので、編集者役を買って出ています。

といっても、勝手に締め切りをつくって「もうすぐしめきりですよ~」とLINEするだけのbot役。

しかし、これをただの遊びとあなどるなかれ。友人の才能は、知ってはいましたがやっぱり異常です。ほとばしるその才気に刮目せよ、と言いたい。11月にnoteからデビューしてもらいます。ご期待ください。

1冊の本を準備している

そんなわけで、触覚のデザイン、プログラミング教育、組織+研修設計、ダンス、舞台芸術、編集、ゲームと、節操なくワークショップを切り口にいろんな仕事をさせていただいています。

これらのほとんどは、ここ数年、調べ、考え続けている「赤ちゃんの探索」がベースになっています。プライベートでは生後3ヶ月(2018年10月29日時点)の赤ちゃんの育児真っ最中で、子どもが生き、学ぶことから、ぼくも多くのことを学んでいます。

その学びを還元するべく、ワークショップデザイン、赤ちゃんの発達、子育て、そして芸術を体験すること、この4つを編み合わせた1冊の本を準備しています。ぼくの人生で学んできた全リソースを投入するつもりで書きます。

今後の予定

というわけでバーっと書いてみましたが、最近の仕事についてまとめるの、とってもいいですね。自分頑張ってるな〜とも思えるし、まだまだやれるだろ、という反省材料も見つかりますね。また折を見て書きます!

今後のぼくの予定はこんな感じです。

・11月からガッツリ育休をとります。すくなくとも3月末まで。こちらも別途育休note書きます。

・note更新します。ちょっと方向性に迷いもあるので、そのあたりまた書きます。

・12月に水Pワークショップやりたい。

・3月のワークショップ準備します。

・本書く。本書く。原稿。原稿。

という感じです。

で、こんな風に書くと「忙しそう」と言われちゃうんですけど、全然そんなことないです。正直に書きますね。

基本、育休中は午前中から昼過ぎくらいまではプラプラしているので、

「アイデア出しのためにランチしたいよ〜」とか、

「こんな案件相談したいよ〜」とか、

「赤ちゃんの発達ってなんのこと考えてるの〜」とか、

「ワークショップってなに〜」とか、

「お茶しよ〜」とか、

お気軽にお誘いいただけたらうれしいです。

ご連絡、お待ちしております。

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