誰もがクリエイターになりえるのか ーnoteワークショップふりかえり

こんにちは、ワークショップデザイナーの臼井です。noteユーザーのための新しいワークショップ「水Pワークショップ」のテストをしてきました!

この記事は、実施後の高揚感とともに、備忘録としてこのワークショップ独自の可能性についてぼくがふりかえっている独り言のようなnoteです。ご了承ください!

目次
・水Pワークショップを作った背景
・本当に誰もがクリエイターになりえるのか?
・クリエイターが創作を続けるために
・創作し、編集し合うつながり
・ワークショップの湿度の調整
・ボードゲームデザイナーの存在
・テストワークショップの効用
・学びのミルフィーユ

水Pワークショップを作った背景

今回つくったワークショップは、こんな内容です。

noteをこれから活用していきたい人のために、自分で自分のnoteを編集していく方法を学ぶことを目指すワークショップです。

一緒に企画をしたnoteディレクターの水野さんは「どんな人にも物語がある」というような信念を持ち、その書き方を提案したうえで「あなたの物語を読みたいです!」と伝える人。

ぼく自身も、水野さんに「本を出したなら裏話書きなよ」と言われてこんな記事を書いてみたり「ワークショップやファシリテーションっていう言葉を使わずに書いてみたら?」と言われてこんな記事を書いてみました。多くの方に読んでいただける記事になりました。

水野さんのカウンセリング効果を実感したぼくは「ワークショップを使えば、30人ほどの人たちに一気に伝えることができるのでは?」と提案し、noteクリエイターのためのワークショップをつくることにしました。

本当に誰もがクリエイターになり得るのか?

そもそもなぜぼくがワークショップをつくるのかと言うと、人の創造性が花開く瞬間に出会いたいからです。

インターネットの普及により「誰もがクリエイターになりうる時代」と言われ、創造性の花がわんさか咲く様を想像していました。でも、最近になって「誰もが」クリエイターになることは難しいということもわかってきました。

なぜならそこには「編集」が必要だからです。「自分で編集もできる」もしくは「編集者とチームになっている」という条件がなければクリエイターになれないのでは?という問題意識を持っていました。

クリエイターが創作を続けるために

編集とは、あらけずりな素材から価値をみがきあげて社会に届けるものだと思います。自分というあらけずりな素材から、自分で価値をみがきあげ、自分で届けるというのは、簡単なことではありません。

そんななかnoteは「自分で自分のコンテンツを編集しながら、創作を継続していこう!」という難易度が高いことに、誰もが取り組めるような健全な世界観を着実に実現しています。

そんな素敵な世界観にぼくも共感するし、ワークショップデザイナーとして何か貢献できることはないかと考えていました。今回水野さんとワークショップを作ることにした理由の1つです。

創作し、編集し合うつながり

そんなわけで、最初からキーワードは「編集」でした。しかし、クリエイターの人たちには「クリエーションしたいのになんで編集?」と疑問をもたれそうだなと思い、それならば「クリエイターのためのワークショップでありながら、セルフ編集力というテーマが忍び込んだ設計にしよう」と考えました。

ワークショップの山場は、参加者同士がペアになり、編集者役とクリエイター役を交互に入れ替えてロールプレイする、というものになるだろうというところまでは予測していました。そして実際にそういう風景がつくりだせたことは、よかったなと。

一方で、設計の最も大切なフェーズはワークショップが終わった後だとも思っていました。

noteのスローガンは「つくる・つながる・とどける」です。ワークショップが「つながる」場になり、クリエイターが互いのコンテンツを編集し合うようなコミュニティまで出来上がったら最高!という気持ちはあったのですが、うん、今回はワークショップの内側の設計で手一杯だった感があり、ここはこれからの課題でもあります。

ワークショップの「湿度」の調整

もう1つ悩んだことがあります。それは「湿度」です。参加者が自分の話をするワークショップは、「湿度」の調整が肝心だと思っています。

ウェットな雰囲気になると、話がとまらなくなって予定時間を超えてしまう、あるいは発言者が偏って時間内に満足に発言できない人をつくってしまう、といった失敗例が多いのです。「湿度」が高すぎる例です。

一方で、今回はある程度ふみこんで自己開示をし、勇気を出して創作をしてもらうことが目的です。淡々としたワークショップだと何も心に残らない、からっからの乾燥した場になってしまう。

森林のような適度な湿度で、心地よく爽やかな風、木漏れ日〜

みたいなワークショップにしたい、と考えていました。まさに水野さんの人柄そのもののような。

ボードゲームデザイナーの存在

そのために活躍してくれるのが、ボードゲームデザイナーです。

今回のワークショップは、noteで知り合ったボードゲームデザイナーのミヤザキユウさんに手伝ってもらい、水野さん、ミヤザキさん、ぼくの3人で、打ち合わせを2回、メッセンジャーでのやりとり多数、というかたちで進行をしてきました。

ミヤザキさんは、ボードゲームをつくったり(トポロメモリーという最新作は大ヒット中!)、社員研修用のゲームを使った教材を作ってワークショップを提供したりしている株式会社バンソウの取締役です。

ボードゲームとワークショップは、「複数人が集まり、遊びに似た楽しい体験をし、なんらかの学びを得る」という点で似ています。

しかし、その場にファシリテーターがいるかどうかが異なります。ボードゲームではプレイヤーがルールブックを自分で読んで自分でプレイする。ワークショップではファシリテーターの進行にしたがって参加者が活動をしていく。

ボードゲームデザインは「デザイナー/ファシリテーターがその場にいなくても人が活動を楽しめる」ということがゴールになりますが、ワークショップデザインは「ファシリテーター不在の状況をつくる」という課題をうまく乗り越えられないのです。

今回は水野さんという殊勝な編集者を全面に押し出していますが、最終的には水野さんがいなくても、このワークショップがなくても、ここで得た学びを自分でアップデートできるようになってもらうことがゴールです。ミヤザキさんの発想によってさわやかな湿度になっていたと思います。

テストワークショップの効用

さて、このワークショップは、クリエイターがカウンセリングを受けるだけでなく、カウンセリングする編集者にもなる。この一人二役ワークショップは、果たしてどの程度うまくいくのか

興味を持ってくれる人がいたらテストしてみたいという軽い気持ちでこんな記事を書いたところ、多くの方にご賛同いただき、晴れてテストワークショップを開催することとなりました。

事前に進行台本を公開し、読んでいただいたうえで参加をしていただきました。現場では、即興で進行を変えたため、台本に書かれていないことも多く話されています。

この「テストワークショップ」というのが面白くて、クリエイター、編集者という二役だけでなく、参加者のみなさんが「学びの場の設計者」にもなっていたように感じました。

どういうことか。

ミヤザキさんには記録写真のほかにツールの配布、そしてなによりリアルタイムで反省点を書き出していく係をおねがいしました。

終了後に反省点を見て振り返っていると、なんと参加者の多くがそのまわりに集まり、いろんな意見を言ってくださったのです。

学びのミルフィーユ

しかも「このワークショップがどういう場だったらよかったか」というフィードバックの案がポンポンと出てくる!普段からいろんなかたちで場を設計されている方が集まっていたこともあったのかもしれません。

これがぼくとしてはめちゃくちゃありがたかったです。優しい参加者のみなさんに、心から感謝。

ワークショップの評価をその場で参加者にしてもらうという体験をしたことがなかったので、その意味を考えました。

その場を批評することは、その場でやったことをふりかえり、もっとこうすればよかったと考え、伝えることです。

たとえば、「編集者役とクリエイター役に分かれて”壁打ち”をするとき、もう一人観察者の人がいたらよかった」という意見がありました。理由を聞くと「目的の確認やアイメッセージなど、意識したいことはたくさんあるんだけど、話を聞くのに精一杯だった。自分の”壁打ち”がうまくいっていたのかどうか、フィードバックがほしかった」という言葉が返ってきました。

言い換えればその方は「壁打ちをうまくできるようになるためには、壁打ち役へのフィードバックがあったほうがよい」と気がついたことになります。そこに気づけた人は、もしかしたら次にこういう機会があったらフィードバックを求めるようになるかもしれない。「壁打ちの学び方」について学んだということになります。

クリエイターとしての学び、編集者/壁打ち役としての学び、クリエイターと壁打ち役の関係の作り方についての学び、というように多層的ないわば学びのミルフィーユのようになりうる可能性があるなと感じました。

あくまで可能性の話ですが、このようにしてワークショップ自体にフィードバックをすることが、もしかしたら参加者が自身の体験を俯瞰して認知し、「学び方を学ぶ」ということにつながる効果も生み出せたのかもしれません。そのことについては今後も探求していきたいです。

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とりとめもなく書いてみましたが、水Pワークショップの設計意図と、やってみて感じたことです。ガチのKPTなどではなく雑感ですが、ひとまず、水Pワークショップをがんばってつくってやってみて、みなさんからコメントをもらって思ったことでした。

あともう1つ、たくさんの人が対話するワークショップでのファシリテーションは、言葉の意味を聞いてはならない。仕草を見、間を聞き、温度を感じるのだ、ということを感じましたがそれはまたいずれ。

みなさま、本当にご参加いただきありがとうございました。

そしてこのワークショップはパワーアップして日の目を見るはず!ご期待ください。



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