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アートから学ぶ「ものごとの見方」を変える3つの方法

「これまでの常識が通用しない」というとき、ぼくたちは新しいやり方を考えなければなりません。今日は、アート作品を見ることでものごとの見方や考え方を変える方法を学ぶことができるという話を書きます。

1. 物理的変化:場所を変える

1つは、物理的に場所を変えてしまうことです。リゾート地に旅行に行くといつもとは違った服装になったり、いつもとは違った行動をしたりします。そんなふうに、物理的な移動は、ものごとの見方も変えることができます。

文化人類学などを背景に持つ作品は、アーティスト自身が場所を移動したり、文化と文化を混ぜ合わせたりして、新しい見方をつくりだしているものがあります。

2. 心理的変化:他者になる

2つめは、心のあり方を変えることです。知識を集め、対話し、想像することで、他者になってみて、他者の目で世界を見てみることで、新しい発見があります。たとえば「昔の人」の考え方や「子ども」の感じ方を体験できれば、自ずとものごとの見方は変わってくるでしょう。

他者を扱うアート作品は、見ているうちに観客の心の有り様を変えていきます。誰かになりきらせたり、別の人の視点に憑依させたりすることがあります。

3. 時間的変化:過去と未来から今を見る

3つめは、時間軸を変えてみることです。過去の有様を想像し、過去の人の気持ちで今を見る。あるいは、未来の姿を想像し、未来の人のきもちで今を見る。現在の物事のあり方が全てではないことは誰もが承知していますが、過去や未来と比べて今を見ることから思いもよらない事実に出会うかもしれません

考古学をベースにした作品や「スペキュラティブデザイン」などもこうした考え方に近いかもしれません。

まとめ

たとえば、アートを「ものごとの見方を変える術」であると定義してみます。そうすると、アートはものごとの見方を、物理的、心理的、時間的に変化させていると考えることができます。別の場所に移動したり、他者になったり、過去や未来から現在を見たり、アーティストがどんな術を使っているかを考えることから、現状を突破する鍵がみつかるかもしれません。

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あとがき

今日このnoteを書いたのは3つのわけがあります。

1つは、今週末に恵比寿映像祭の展覧会ナビゲーターを務めるということ。

もう1つは、居原田遥さんというキュレーターに「難しい日本語を一度英語に訳してから、もう一度日本語にすると、分かりやすい日本語になるよ」と教わったこと。

3つめは、清水淳子さんの展覧会とご著書を読んで感化されたこと。

このnoteは恵比寿映像祭のコンセプト文をぼくの稚拙な英語力で英訳し、日本語に訳してから、エッセンスを絞り出したものです。そして図解は、清水さんの本を見て学んだことを、今日買ったばかりのiPadでグラレコ風に試したものです。仕事、新しいノウハウ、新しい道具の3つを掛け合わせてつくってみた、という感じです。とても楽しかった…。

恵比寿映像祭のナビゲーターは

今週末2月17日(日)15:00~
来週末2月24日(日)11:30~(各90分)

の2回担当します。ぜひあそびにいらしてください!


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