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現代アートを買う=資産運用×家庭教育

今日から始まった「働く人のためのアートの買い方を学ぶ会」の第2期に参加しています。

現代アートの作品を買うことは資産運用にもなりますし、作家/芸術文化にコミットすることにもなりますし、さらに価値が変動する物を持っていることで世界を見る目を少し変わります。生き方をつくっていくうえで、アートを買うのってすごくいいのでは?ということで、まずは5万円くらいの作品を買うことを目指して、3ヶ月間、全3回の講座+オークションの見学やコレクターの品評会などを通して勉強していきます。

勉強会の雰囲気

この「働く人のための現代アートの買い方を学ぶ会」では、キュレーターやギャラリスト、コレクター、会計士の方々からお話を聞いていきます。また参加者もいろんな動機から「アートを買ってみよう」という志を持った人が集まっているので、参加者同士もそれぞれの生活に思いを馳せながら話をすることができますし、ゲストに質問もしやすい雰囲気です。

もともとアート作品を見るのは好きだし家に図録や画集は何冊かあるけど、作品は買ってないんだよな」っていう人にはオススメなので、次回の開催があればぜひ!

現代アートの価値変動

現代美術作品は、物故作家(亡くなったアーティスト)ばかりじゃない、というところが特徴です。20代前半から才能を輝かせる作家もいますし、彼や彼女の作品も買えます。そんな作家が将来活躍すれば初期作品の価値はぐんとあがります。

一方、作家が途中で活動をやめてしまうと価値が上がらなくなってしまう(場合によっては市場価値が消える)ということもあります。なので、若手作家の作品を買う場合は、この作家がこれからもずっと続ける人なのかということを考えることも重要な点だそうです。

また、名のあるギャラリストが特定のアーティストの作品を買い始めたり、欧米の大きな美術館が回顧展をやったりするとその作家の作品の価格が跳ね上がる、というようなこともあるらしく、逆に「あの作家の作品価値をあげよう」ということで名のあるキュレーターやギャラリストが業界を動かしていくこともあるのだとか。そう考えると、数年後に個展が企画されている、という情報が回って来やすい業界関係者は有利ですね・・・。

草間彌生さんの作品などは20年前に比べて何十倍にも跳ね上がっている一方で、値段がほとんど変動していない作家さんもいます。作品の買い方も、個展で、ギャラリーから、アートフェアで、オークションで、、、などなどいろんな方法があるようです。現代美術史はすこ〜しかじったけれど、市場とのつながりは全然知らなかったので、これから本を読んで勉強しようかなと。

勉強会の参考文献はこの本です。

なぜアートを買いたいと思ったか

そもそも、なぜぼくがアートを買おうと思ったかというと…「自分っていままでストックされないものにお金使い過ぎてきたなー」と思い、今年に入ってから、サブスクリプション系を見直したり、飲み会への参加を控えたり、家でもお酒をやめたり、服の買い方を変えたり、食生活も野菜や肉や魚を一度に多くを買って作り置きをしたりしています。

そんなこんなで節約にはなっているのですが、もっと踏み込めば「手持ちの資産を活用する!」ということで「株買うか!」とか「airbnbやったろう!」とか色々あると思うのですが、どうにも今の暮らしに合わなそうだし、もともとアートが好きなので、アート作品を買って大切にしてみようかなと。

アート作品は家を飾り付けるだけでなく、作品をつくった作家の変化や、現代アートの文脈の変化を通して価値の変動を観測する面白さもあります。資産として人に受け継いだりできますし、何点か作品があれば、家の一部をギャラリーに見立てて展示替えをすることで夫婦や親子のコミュニケーションにもなります。

「お金が貯まったときに少しずつ作品をストックする」という生活を送るためには、あらかじめ家族で趣味や美意識を共有してお互いのセンスを面白がる下地を作って置いたほうが良さそうですが、それもまた楽しみの一つになるでしょう。そんなわけで、アート作品と一緒に暮らすことで価値というものに対して新しい見方ができるんじゃないかと考えています。

アート作品を家で蒐集することの教育的効用

また、我が家に子どもが生まれたとしたら、幼いながらに家にある作品を見て、物の形や素材の意味をぼんやり考えたり、真似し描いたり作ったりするかなぁとか、大人になったときに作品の文脈を理解したら子ども時代の意味が変わるかもな、と思い、そんな実験もしてみたいなという目論見もあります。

ときどき友人とご飯を食べたりしてて、生い立ちの話になり「子どものころに住んでいた家にあった意味不明な積み木が実はネフだった」とか「変なオブジェがアールトの模型だった」とかいう話を聞くことがあります。物の背景にある文脈を知った途端に、自分の過去の意味が変わることがある。過去が変われば現在が変わる。つまり人生が変わる。そうして「クリエイティブなことやっていいんだ」という後押しになったり「なんか救われたな」と気分転換になったりするかもしれない。子どもの頃にアートと過ごした時間はいつかの勇気になるだろうと思います。だから子育て家庭は、貯金を積み立てるよりもアート作品買えば、資産が教育の効用ももたらすので、アート作品を買ったほうがいいと思っています。(これはアート作品を買いたいという衝動に駆られているぼくの気持ちの正当化かもしれませんが…)

というわけで、今は実際にアート作品を買って家に展示してる子育て家庭を訪問して、インタビューをしたい…!

次回の勉強会も楽しみです。

*表紙の写真は先日Take Ninagawaで個展『三者面談で忘れてるNOTEBOOK』を開催されていた青木陵子さんの作品です。いつか作品を買ってみたい作家さんの一人です。

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