チョコレートスキャンダル 2018/2/14(水)

寝坊したため、朝食抜きで慌ててバス停へと駆け出す。

こういう朝は煙草ついでにウィダーインゼリー(とカロリーメイトなどのスティック栄養食)を摂取して、多忙なビジネスマンごっこでテンションを上げるのがマイブームなのだが(デイリーでやっている本当に多忙な方々、すみません)、今日はそんなことをしている暇もなく午前中が過ぎていった。

午後の外出時間を誤認しており、いつもと比べてだいぶ早く、12時前にビル中のそば屋でメンチカツカレー丼とざるそばのセット。店内ではスノーボードのハーフパイプ決勝戦が放映されており、客のほとんどはテレビに釘付けだった。
片山来夢の滑りを尻目にそばをすするが、決して不味い訳ではないものの、こんにゃくみたいな食感だな、と今更気づく。何度か食べているのに。この日記を書き始めてから、口にする物の解像度が上がった気がする。こうして書き起こすために、脳が細かな情報まで拾うようになったらしい。良いことだ。

不味いことは決して悪ではなく、ある種貴重な体験である。先月、仕事の合間にひとりで食べた中華(野菜タンメンと半チャーハンのセット)が驚くほど不味くて、「中華は味の下限値が他のジャンルと比べてブレ幅が小さいので、安心して口にできる」という自分の中での定説が覆された。おそらく生涯忘れられない味。

メンチカツカレーはダシの味が奥底に眠っており、カレーとしてのパンチは弱く、良く言えばまろやか。しかし、ここの揚げ物はいつ食べても揚げたてサクサクそこそこ美味しいので、時間はないけどコンビニデスク飯は嫌、という時に向いている。私は3日連続コンビニランチが続くと心が死ぬ(5営業日の過半数を占める、という点で「3日連続」が重要である)。

外出先から直帰連絡を入れて新橋へ移動し、ベジタリアンでウコンジュースを飲んで準備万端。四谷三丁目のアトリエシュシュでバレンタインディナー。
注文したコースメニューは下記の通り。

Menu
Amuse
生雲丹のプディング
*
Entrée
信州サーモンのミ・キュイ インカの目覚めのエクラゼ ベアルネーズソースで
アトリエシュシュのパテ・ド・カンパーニュ
*
Salade
朝採れ東京サラダキュイジーヌ
*
Plat
蝦夷鹿のパイ包み焼き
又は
バベットステーキ クレソンとアンチョビのバターソース
又は
スペイン産ガリシアポークのグリエ 緑こしょう風味
¥3,800
(税・チャージ別)
2名様より承ります。
ワインのマリアージュセット(5杯)
お一人様¥3,000
(税・チャージ別)

それぞれの皿に言及するとキリがないので、もっとも美味しかった蝦夷鹿のパイ包み焼きに限定して話そう。
いきなり手のひら返すようで恐縮だが、(パイ包み焼きも当然美味)、「1番いい時期なので」とサービス(というテイなのか、標準実装されているのかは不明)でつけていただいた、包まれていない蝦夷鹿(つまりは蝦夷鹿のロースト)にヤラれた。
ルビーのごとく輝いた断面は眺めているだけで恍惚とした気分にさせられ、口の中に広がる血肉の味わいをメルローで流し込んだ瞬間、死んでもいいとさえ思った。

美味しいものを食べている時の私は、割と簡単にそんなことを考えてしまうのだが、食事中のショック死(口にしたものがあまりに美味しくて)がこの世でもっとも幸福な散り方ではないだろうか(苦しみたくはないので食中毒は嫌です)。

そこからゴールデン街へと場所を移し、先日訪れたビオワインバーと知人の店をハシゴで計3軒。26時前にタクシーへ乗り込み帰宅、たのしくおいしい夜だった。

アルコールを禁じられた世界で、私は生きられそうにない。

生雲丹のプディング(底に雲丹が眠ってる/プリン体塊狂いにはたまらない)

パテ・ド・カンパーニュ(ジビエで作られたそれをサングリアのジャムと辛子とともに)

肝心の皿は撮り忘れました。

#エッセイ #食事 #飲酒記録 #バレンタイン

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