自分の美しさくらい

肉体は男性で、恋愛対象は女性。

旧来、美容(さらに絞って言えば化粧)というのは女性のためのもので、化粧をする男性というのは芸能界に身を置くような、きらびやかな世界にいる人くらいだったように思う。
それでも、服に興味を持ち出した頃から、スキンケアに凝ってフェイスパックをしたり、ホームピーリングを始めてみたり、私の美容的な興味・関心の深度は女性のそれだった。

なぜ、男性が爪を塗ってはいけないのか。
なぜ、男性が顔に色をまとってはいけないのか。
ずっと疑問だったが、向けられる懐疑的な目を思うと、ずっと踏み出せずにいた。

各々の「美の基準」に文句をつけるつもりはないが、自分の美しさくらい、自分の基準でコントロールしたっていいじゃないか、と思う。
そういう風に考えられるようになったとき、ひとり勝手にとらわれていた世間一般の感覚を捨て、爪を塗り、追って顔に色をまとうようになった。幸い、友人たちは好意的に受け入れてくれて、おすすめの化粧品を教えてくれたり、百貨店でのタッチアップに付き合ってくれたりした。

「自分の機嫌は自分で取る」
自身に課している生きていく上でのひとつのテーマだが、こんなにも簡単に、自分の機嫌を取れるなんて知らなかった。
キーボードを叩く指には好きな色がのっていて、鏡を覗くと好きな色が目元や口元にのっている。それだけで、こんなに気持ちが高揚するなんて。爪を塗ってフルメイクを施すとき、所作により一層気を遣う。美しさは人のためのものではないと思っているが、その身なり/立ち居振る舞いは常に人目につくものだ。装いだけ立派で所作が汚いなんて、みっともないと思うから。

私は自分のことが大好きだし、自分の立ち居振る舞いが好きだし、どこまでいっても自分本位だ。
何を美しいと感じるか、何を美しいと感じるか。それは各々に委ねられるが、自分の美しさ/身なりくらい、好き勝手にやればいい。だから今日もお気に入りの服を着て、お気に入りのマニキュアを塗って、お気に入りのリップを引く。

自分の美しさくらい、自分で守れ。ばかものよ。

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美(容)

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