『本を読んだ人だけがどんな時代も稼ぐことができる』の書評

本書を一読しただけでは本書の価値はわからないだろう。私自身の例で言うと四読目くらいに入った時にようやく何故、本書が商業出版されたかがわかった気がする。

本書には著者が選んだ25冊の本が紹介されている。童話の『ももたろう』『シンデレラ』から古典のスタインベックの『怒りの葡萄』、漫画の『俺の空』までバラエティーに富んでいる。

本書で紹介されている25冊全部を買ったり読んだりする必要はないだろう。

『ももたろう』を知らない日本人などほとんどいないはずだからだ。

『ももたろう』に関して言えば著者の解説文に私は唸った。思わずTwitterでツイートしたくらいだ。

誰でも知っている『ももたろう』をこの人はこんな風に読むのかと。

スタインベックの『怒りの葡萄』に関してはタイトルと著者名は知っていても実際に読んだことがある日本人はあまりいないだろう。著者の解説文を読んでも私は買おうとは思わなかった。機会があれば読んでみたいと思うにとどまった。

が、『俺の空』や『(図解)非常識に儲ける人の1億円ノート』の解説文を読むと今すぐにでも読んでみたいと思える内容だった。

後者は発売直後に購入して読んだ記憶がある。今も探せば段ボール箱の底の方に埋まっているかもしれない。が、その手間を考えるとAmazonで購入してしまうと思う。

著者は言う、

「私が過去10年間読んだ『お金儲け本』の中で、本書は最も優れていた。2位以下に大差をつけてダントツだ。これまで出版された良質なビジネス書のエッセンスを見開き完結型でシンプルにまとめ上げ、独自の豊富な事例を盛り込んだわかりやすい解説は圧巻だ…」

これだけの紹介文を読んだだけでも本書を読んでみたくなったのではないだろうか。

同じ本を読んでも読み方が悪ければ、その本から得られる価値は下がってしまう。

本書を読もうと思った人はきっと本好きの人のはずである。そして、本人が思うほどには稼げていない人でもあるはずだ。

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