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模試を受ける/受けたみなさんへ

受験生とは切っても切り離せないもの、それが模試です。受験生は共通テスト模試、全統・駿台などの全国模試、冠模試など、いろいろな模試を受けます。東大受験生なら、受験学年は10以上受けるのではないでしょうか。秋になると、毎週何かしらの模試がある、などという忙しない月もあります。
模試と同じようなものとして、塾予備校によっては予想問題を毎日のように解き、採点され、解説授業を受ける...なんてこともあると思います。

そんな受験生が一番に気にするのは、点数、そして判定でしょう。

しかし、そういうものに囚われないようにしてください。

もちろん、点数や判定は重要です。そもそも模試は点数を取る練習の場ですし、判定を基準に志望変更をする人もいるでしょうし、自分が受験生の中でどのくらいの立ち位置にいるかというのがわかります。共通テスト模試なら、「目標まであと何点!」というのがわかります。

ですが、結果だけを気にして許されるのは本番だけですし、模試の結果など本番の合否判定には1mmも関与しません。

受験生の心理として、「E判定取った模試なんか見たくない」「A判定取れた、よし(この模試はいいや)」と陥ってしまいがちです。ここでは、模試を最大限活用する方法の一例を紹介したいと思います。

模試はあくまで踏み台です。A判定を取ろうが落ちる人は落ちます。「判定に慢心して復習しなかったギリギリA判定」と、「模試を利用して自分の弱点を分析し続けたC判定」ならば後者の合格可能性の方が高いと思います。

模試を受ける人

✔️やりたいことを決めよう

模試なんて練習なのですから、いろいろ実験してみましょう。解答順序だったり、問題に手を付ける判断の練習だったり、さまざまです。「これが自分のベストプラン」という状態で本番に臨むための踏み台にすればいいんです。
部活をやっている人、スポーツ経験のある人ならわかると思いますが、練習において、フォームの改善や新しい技を試す段階で負けるのは全く問題ないですよね。それと同じです。

✔️前日、無理な詰め込みはやめよう

少しでも点数を上げるために詰め込むことはあると思います。しかし、前日無理矢理詰め込んだ知識で正解しても、本番それが再現できる確率は低いです。模試は点を取る練習の場ではありますが、模試が終わった途端に頭から消えてしまうような知識で取った点ならば、マクロな視点で見ると損の方が大きいと思います。
もちろん、本番前日は知識の確認はすると思いますから、まとめノートの振り返りをする習慣をつけておくのは大事なことです。
ちょっと線引きが難しいところはありますが、合格するために(×模試で高得点を取るために)有用か?という視点で考えて欲しいと思います。

模試を受けた人

✔️試験中の自分の行動を見直す

自習室で問題を解くのと模試とでは違います。焦った自分がどのような行動をとるか、どのようなミスをするのかということを把握してください。ケアレスミスは、自分のことをケアしていない(わかっていない)ことによるミスです。

例えば、試験後半で集中力が切れてしまう場合は、多大な思考力・集中力を要する問題を先に解くように次回から修正するなどです。

これは、試験中の思考の軌跡が残っていないとできないので必ず当日中にやってください

✔️模試で炙り出された知識の抜けに気づき、対策する。

模試の見直しで一番やるのが、知識の見直しです。しかし、これが十分にできている人は少ないのではないでしょうか。

下の図を見てください。

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復習が必要なのは、②〜⑤です。何で区分しているのかわかるでしょうか?それは、「本番で同じ問題・類題が出たときに確実に正解できるか」です。つまり、②〜⑤は全てあなたの弱点です。逐一説明を加えます。

②既習だが忘れていた・間違えて覚えていた

当然復習対象です。「模試の復習」というとき、一番にやるのはこれでしょう。間違えた部分だけでなく、周辺知識までさらいましょう。どうせまた一部は忘れると思いますが、折にふれて覚えるようにするとだんだん知識として定着してきます。

③できたはずなのに間違えた

もしかしたら復習しない人が多いかもしれません。「いや、ケアレスミスだし」という気の緩みかもしれませんが、間違えたことは事実。もしこれを取り返しのつかない本番でやらかしてしまったら、「ここはいつもの自分なら正解できたんです!!」と本部入試課に駆け込んでも対応してくれません。自分に厳しくいきましょう。いわゆる「ケアレスミス」には、案外深い問題が潜んでいるかもしれません。

④勘で書いた

実質間違いです。②と同じように復習してください。解答用紙には「正解」として登録されてしまっているので、勘で書いたことを忘れないうちに復習してください。

⑤解答時迷った・周辺知識が出てこなかった

よくありますね。特に地歴です。「もっとよく教科書を読み込んでいれば...」と試験中に過去の自分を恨んだと思います。その気持ちを忘れないうちに、復習しましょう。模試で炙り出せる弱点は、解答内容に直接関わることだけではありません。定期的な知識のメンテナンスです。

✔️模試で炙り出された弱点に気づき、対策する。

自分の結果を踏まえて、勉強方針を修正することもあるかもしれません。その方法は以下の記事の通りです。

おわりに

さて、いろいろと書いてきましたが、以上のことは全て「本番をベストな戦略・隙のない知識で臨めるようにする」という目標を達成するための具体例です。この通りにやれば、それでいいというわけではなく、常に上記の目標を胸に留めて模試の準備・受験・復習に臨んでいただければと思います。


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