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忘れ物 【超短編小説】

彼は図書館が好きだという。
しかし書棚の本を手に取ることはない。

彼はカフェが好きだという。
しかし独りでコーヒーを飲むことはない。

彼は好きなはずのものに欲が起こらないのだ。

それは彼が大事な忘れ物に気が付かないからだ。

自分の本音という忘れ物を。

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