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2019.7.14 アコーディオン歌唱法

明日はライブだというのに、マイクの前で悩んでいた。みぞおちあたりでの支えは音が抜けるけど、持続力が乏しく不安定。単純に筋力の問題だと決めつけることにも疑問が残る。筋力というよりは機構自体の問題のような気がして、昔やっていた方法にもう一度トライしてみる。

それは、腹をアコーティオンの蛇腹のように動かすことだ。下腹部に空気を溜め込み、吐き出す過程で下腹部の膨らみがみぞおちへ移動していく。そして発声中でもみぞおちの膨らみの効果が薄れたらまた下腹部を膨らます。

以前、これをアコーディオン歌唱法と名付けていたが、挫折した。頭部共鳴の理解が乏しかったその頃は、響きが上手いところへ抜けず、圧力に負けて♭しがちになっていたと思う。そしてなにより、難しかった。

頭部共鳴の理解が深まった今ならばと思い試す。深夜1時を回っている。明日は大阪、、7時に起きなければいけない。それでも今より良い感じになればと、藁にでもすがる思いで歌い録音した。

おおおお〜っ、、いいではないか!

相変わらずとても難しいが、その方が声門下圧を持続できる。やはり下圧が強いので、頭部で抜ける状態を知っていないとたちまち音が下に落ちれしまいそう。しかし、その圧力をどの程度声に変換するかで、強弱まで自在となる。そして何より副鼻腔を響かせるためにはこの圧力が必要なのだ。

ここ最近は、下腹部だけの方法も、みぞおちだけの方法も、それぞれにトライしていたので、その両方をミックスする準備は整っていた。あとばバランスを取る感覚をものにしなければいけない。「明日試せるくらいの感覚はあるかな、、」

というところで、さすがに、睡眠は取らないとやばいので寝る。

そして、今さっき朝一の飛行機で大阪から帰ってきた。
ボイスメモで録音していた音を聞き返す。
なかなかいいと思う。方向性としては間違っていないと思った。

ライブ中の体感としては65点くらいの出来だったから嬉しい誤算。
めちゃくちゃ難しいから、ライブの最中もその蛇腹機構がうまくいっている実感の有る無しがエンドレスだった。

もし、この方法がもしも正しいのならば、100%の命中率で体を操れるようになりたい。その検証を今日からまた始めようと思う。

ただ、、ただ、、である。

いやー、、やっぱちょっと違うか、、ってことが起こり得る。かなりずっと、その繰り返しなので、疑いの目は拭えない。

今できることは、録音した自分の声を、もう一人の自分が聞き、それを繰り返すだけ。もっと声を思い通りに、自在に演奏したいと思うけれど、完成というのはないと思う。それは他のすべての楽器にも、音楽にも言えて、だからこそ魅了されて、追い続けるのだ。

まだまだ歌声紀行は続くが、音に耳を傾けて、それに導かれる方法で肉体と対話することを心がけたい。肉体は僕そのものだけれど、自分の意思で操れる部分はほんの僅かだ。知れば知るほどに、体そのものが動いていることに、単純なことに気がつき、驚き、たまに怖くなる。

時々、眠るとき、自分の体にお願いする。

どうか、明日も生きていてくれと。

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