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2019.9.20 声の正しさ

母音が強く鋭い場合、不必要な周波数が乱立するため、声自体の単体での和声が乱れると考えられる。
(また、母音は基音自体を強くする傾向があるので、わずかなピッチの乱れも目立つ、そして和声も乱れるという、楽音としてとても扱いづらいものとなるだろう。)

その際に実感として得られる声の印象は、音程が定かではない感じである。

どんなにブレずのびのびとしていても、どこか不調和な印象。
チューナーでピッタリときていても、音自体が不調和なのだ。

音が一定の振幅と長さを保つ楽音としての機能を考えた時、例えばギターであればどうだろうか。
弦を思いっきり弾いてしまうと、やはり良い音ではない。
良いギター弾きというのは、楽器が一番美しく響くさじ加減を知っていて、そのように弾く。
その上で、強弱をコントロールする。

ピアノ弾きも、打感一つで音色を自在に操るだろうし、他の楽器も同様だ。

そして、人間が持つ声帯というものにも、その感覚が存在するはず。

音として優れた声とはどういう現象によって導かれるのかということを考えると、声帯が正しい振幅を得ている時だと想像できる。

ここでいう正しさとは、一つの声の持つ和声が最も整う振幅を得ている状態とする。

その正しさは、音になって現れて僕の目の前にある。

見えているのに、掴めたり、掴めなかったりする。

その幅を縮めることが、僕の声に対する姿勢であり、正しさである。


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