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窓越しの世界 2019.8.16~22

みなさん、こんにちは。

今週も窓越しの世界の金曜日。窓金です!

突然ですが、
ギターを持っている方、試してガッテン。

まずチューニングしてください。
さて、6弦Eの開放を弾いてみてください。

音を観察してみてください。

僕は、この中に1オクターブ上のEの音が聞こえます。あなたは聞こえますか?

次に、実際オクターブ上のEを抑えて弾いてみて、その音を確認してみてください。
その音が認識できたら、もう一度Eの解放弦を弾いて聞いてみてください。

どうですか?Eの中に1オクターブ上のEが聞こえませんか?
どんな音かといえば、ハーモニクスのような音です。

次に、1オクターブ上のEから数えて五度の音にあたるG(ソ)の音を弾いてみてください。
その音をイメージできたら、さあもう一度6弦Eの解放弦を弾いて聞いてみてください。

どうですか?Eの中に高いソの音が聞こえませんか?
それもまたハーモニクスのような音です。

僕にはそれが聞こえます。
もしあなたに認識できなくても、その音は実際に出ていてあなたはその音を聞いているんです。


なぜこんな話を始めたかといえば、今ある論文を読んでいます。
1896年に出版されたヘルマン・フォン・ヘルムホルツの音感覚論というものですが、ここには僕の感じていた不思議を証明することがたくさん書いてあります。
ヘルマン・フォン・ヘルムホルツは、Hz(ヘルツ)の単位の由来にもなったインリヒ・ヘルツの師匠でもあります。

さっき試してもらったのは、この書の中で実験していることをとても簡単にした一例です。
もう最高に面白い。これまでの謎、、音楽をやっていて感じていた不思議なことがどんどん理解できるようになります。
大好きな酒をここ数日飲んでいないくらい面白い。というか、酒を飲んでしまうとついていけません。。
音楽理論の生理学的基礎、というだけあって読み進めて行くのも大変なのですが、理解できると、、もう最高!

一般的な音楽理論の礎となっているそもそもの話は、本当に面白くて、腑に落ちる。
まだ1/3程度を読み進めただけですが、見えている音の世界が変わります、、本当に。。

初めて曲を作った時のことを思い返すと、、、
ギターを引くと、どこからともなく音が聞こえてきて、それに沿ってメロディーを紡いでいきました。
それはなんだかすごく自然な成り行きで、導かれるような、不思議な感覚でした。

今思えばそれはきっと、ギターの6弦の解放Eに隠れてたような倍音だったに違いありません。実際にギターが鳴っている音とは違うところで鳴っている音にならない音?のような不思議な感覚でした。

書の中では倍音も生理学的に証明して行くわけですが、とにかく難しくて面白い。難しいというのは、読み解くのが難しいのであって、事象そのものは何にも難しくないのです。むしろ超自然なので、それを知れることで安心して音と対峙することができ始めます。

不思議を不思議として捉えていることと、不思議を理という感動で捉えている差は大きい、、
作曲、エンジニアリング、全ての基礎である音そのものの理解が深まると、音楽をつくる、音に携わる時に抱えていたモヤモヤがどんどん解消されていき、いよいよ音を楽しむという気持ちになれます。

また、声を操ることの素晴らしさ、醍醐味ですね、それも噛み締めています。この論文、声に関連することが多いのが嬉しい。

こんなに素晴らしい本なのに、和訳をされたのは2014年なのです。
本当にこの本に出会えてラッキーでした。

毎晩飲んでいたお酒にまったく手が伸びません。
本を持ったまま変な体勢で寝てしまい、背中を寝違えてしまいました。
朝起きると、何か新しい閃きがあり、書き留めることに処理が追いついていきません。

夜はもう秋の気配が漂っています。
歌声紀行という冒険は、素晴らしい出会いの連続です。

研究というのは、深まると心を自由にしてくれるようです。

自由、研究、自由。

まさに自由研究の夏です。

みなさんは、どんな夏をお過ごしでしょうか。

笹倉慎介

8/16【飛ばされなかった物】
8/17【どこまで辿るのか】
8/18【巡る】
8/19【船】(サンプル)

伝えようとすればするほど、どれだけのことを自分が知っているのかが浮き彫りになる。

100年以上も前に、僕の疑問を説く人たちがいたことに感激をしている。

この世界の発展は、学者と呼ばれる人たちの功績だ。
進化していく者たちは、今この瞬間もとことん進化している。

世界という名の船はどんどん大きくなる。

船を作る者と船に乗る者の隔たりもまた、大きくなっていくのだ。

その理解を得て初めて、さて、どうしようか?という話が始められる。

8/20【夜になると】
8/21【つくる】
8/22【人生で二度目】

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