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2022年11月、マーマーなフェスへ行ったこと

「日帰りで、岐阜に行ってきていい?」
夫におそるおそる言った。
私には子どもが2人いる。
関東住みなので、岐阜へ行くには新幹線などに乗る必要がある。

「良いよ。行ってきたら?」

夫の返事はあっけなかった。私の岐阜行きは決定した。

11月13日(日)
朝早く起き自転車で最寄り駅に行った。
いつも寝起きが悪いのに、すっと目が覚めた。
電車を乗り継いで東京駅に着いたら、修学旅行生でいっぱい。
新幹線の切符を買う列には、高齢の女性の二人連れ、自由業っぽい男性、美人のバンギャっぽい人などが並んでいた。
(名古屋駅に一番早く行ける「ひかり」に乗るの、ギリギリになるかも?)
心配になったけれど、なんとか切符を購入してすべり込めた。

自由席に座って、持ってきた本を読んでいた。
社内ではボーっとしたり眠ったりしていたんだけれど、なぜか(今、外を見なければ)と思うときがあって、外を見た。
海?の中に鳥居がたっていた。
ここは何!?
と驚いて場所を調べると、浜松だった。
曇空に天使の梯子みたいな光がたなびいていて、海の中に鳥居が立っている。

しばらく新幹線に乗ったら、人生2度目の名古屋駅に到着。
迷いに迷ったけれど、マーマーなフェスのnoteにあった美濃行の高速バスにすべり込んだ。

(新幹線も高速バスも、乗って1分くらいで発車してる。本当にギリギリだ!)

とちょっと感動した。
はじめての名古屋は、杉並から世田谷に抜ける街並みみたいだったし、岐阜は関東の田舎みたいで既視感がすごかった。
瓦葺の古い家と、若いファミリーが住んでるだろうなっていう家と、TSUTAYAと、美容院がある。
住んでいる人の構成まで同じなんじゃないだろうか?

岐阜美濃に降りてから、マーマーなフェス会場行のシャトルバスに乗った。
高速バスの中で(この人、マーマーガールだろうな)という感じの人がほぼ全員シャトルバスに乗ったので感心した。

会場は雨。しかも寒かった。
声のメールマガジンに登場されたkaiさんや、夫婦ユニットの無有無さんが物販をされていた。
kaiさんはエレガントで、
無有無のしゅりさんはシュッとしていて、
元大企業の経理マンだというご主人「むうさ」さんは、派遣先の部長っぽかったけど雰囲気が全然違った。

「どこで何を買った」というとなんだか違う感じになるからここでは書かない。
でも、とある出展者さんと宝物みたいな時間を過ごせた。
高貴な猫みたいなかわいい人だった。
石畳の街並みもすごくよかった。
お客さんも、レムリア感があった。

会場からは路線バスで美濃市駅に行った。
日本の田舎はどこも似ている。
どこに行っても暮らしていけるんじゃないか?と心強くなった。
2両か3両編成の鉄道に乗って名古屋に向かう。隣には明らかにマーマーガールな人がいた。その人も(この人、マーマーなフェスの帰りだな)って思ったんじゃないかな。

名古屋についた。
東京行きの「ひかり」に飛び乗ったので夫にLINEした。
浜松であの鳥居が観られるかな?と思ったけれど、通路側の席だったこともあり見られなかった。

マーマーなフェスのことを考えていたら寝落ちしていて、気が付いたら熱海をすぎていた。

20時すぎに家に帰ったら、夫が鍋を作ってくれていた。
子ども達は1日、ゲームをしていたみたい。

「楽しかった?」
夫はそう訊いてきた。
感想をうまく話せなかったので、名古屋駅でういろう買ってきたよ、仏壇に上げてあとで食べようね、と返した。
いつもより長湯して、翌日は普通に仕事へ行った。

関東の主婦が日帰りで岐阜に行ったっていうなんてことない話だ。
でも私にはすごい冒険だった。

あの日からちょっと何かが変わった気がする。
仕事で理不尽なときに意見するとか、
自分の在り方を大切にするとか、
そういうこと。
移動のとき、時間がギリギリでも間に合ったから自信がついたのかも?

スケープゴート感があった派遣仕事の契約は更新しなかった。
色んな傷は生傷のまま。
しかも、この文章は氷結を飲みながら書いている。

でも野生の動物も同じじゃんね?
不完全でときどきハッピーなのって。
全てが完璧っていうか無になるのは死んだとき。
関東から日帰りで岐阜に行っただけで私にとっては凄いわ。
マーマーなフェスがまた美濃であるなら浜松の鳥居も見られるし!



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