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新年度へむけて

みなさんこんにちは。
ようやく春の兆しが感じられるようになってきたと思ったら、また仙台には雪が降ってきています。でも明日からはまた暖かくなるようで、もうすぐ桜の季節がやってくると思うととても楽しみです。
わたしは昨年末の自宅の水漏れ事件を経て引っ越しを済ませ、新しい家の生活にも慣れてきました。お気に入りのお店やレストランを見つけたり、好きな散歩コースが出来たり。昼間に川沿いを歩いていると、木々や川の流れ、鳥の声に癒やされ、夜には綺麗な夜空とビルからの光が両方見られます。新しい場所に引っ越してから、仙台ってこんなに素敵な街だったんだ、と感じられるようになりました。今はちょうどオーケストラも大学も春休みなので、平和で穏やかな日々に満足しています。

春といえば卒業の季節。宮城学院の4年生は晴れて卒業し、4月からは社会人としてそれぞれの道へ。大学受験のためのレッスンをしていた高校生は無事に希望の大学へ合格。大丈夫だとは思っていたものの、合格の知らせを聞いて私もようやくホッとすることが出来ました。
彼女たちがこれから大学生になり、社会人になり、新生活を送るのだなあと思うと、なぜか私まで若返ったような気になってウキウキしてしまいます。
新しい場所で新しい人達に出会い、沢山の経験と挑戦をしていく。これから何でも出来る未来を羨ましく思う一方で、彼女たちが今後直面するであろう苦労や困難も想像できるので、心配で胸が少し痛みます。でもきっと、彼女たちならたくましく生き抜いて、広い世界へ羽ばたいていってくれるだろうと期待しています。

私のことはといえば、この間の定期演奏会ではコープランドの交響曲を演奏し、いわき公演にも行ってきました。この曲には初めて取り組みましたが、クラリネット奏者としてはコープランドのクラリネット協奏曲を思わせるようなところが沢山あり、とても楽しかったです。学生時代にはどうしてもソロの曲ばかり勉強するようになってしまいますが、ソロの曲だけでなくその作曲家の他のオーケストラの作品を知っていたり、実際に演奏する経験はとても重要なので、こうして新しいレパートリーが増えていくのはオーケストラをやっててよかったなと思うことの一つです。
スケジュールの都合であいにく私は出演しないのですが、仙台フィルは6月の東京公演でもこのコープランドを演奏しますので、関東のみなさんはぜひご来場くださいね。

思い返せば、私が仙台フィルのオーディションを受けたのはちょうど10年前の3月。もうそんなに経ったのかとびっくりするのですが、30代も半ばになり、職場の後輩たちもどんどん増えていき、中堅の立場になってきたなあと実感する日々です。
少し前に、あるパーティーで隣の年上の男性と話していたとき、「あなたの今の夢はなに?」と聞かれました。夢は沢山あるのですが、その時わたしが「歳を取ってもクラリネットを吹いて、仕事を続けていたいです」と答えると、「え、そんな簡単なことでいいの?」と返事が来たことをたまに思い出します。
私にとっては、仕事を続けることは簡単なことではなく、悩むことも、辞めようかなとか辞めなければならないかなと思うことも何度もありました。
でも、その度に周りの人々に支えられて、続けてこられたことを嬉しく思うし、これからもクラリネットを通じて沢山の方々と関わっていきたいと思っています。ある時はオーケストラで、ある時はレッスンで、クラリネットを持って人々の輪の中にいられるときに私は幸せに感じられるのです。
また次の10年にむけて、笑顔で頑張っていきます!


自衛隊の音楽隊のみなさんと



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