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平面パパ             ――画像しりとりはじめました(#116)

(#115) 西川悟平→「へい」→平面パパ


原っぱで寝てたら何かにつぶされたのだ。

根性、根性、ど根性なのだ。



 これでいい……のかどうかはわからない( ̄∀ ̄)。

◇ ◇ ◇

 もしかしたら、今の若い方には「誰?」となる可能性もあるので、この、ねじり鉢巻きに鼻毛のような口ひげを生やしたおっさんについて、一応、説明しとかなければなるまい。

 このおっさん、漫画・アニメ『天才バカボン』の登場人物である、バカボンパパという。その名のとおり、彼の子どもであるバカボン(👇)の父親なので「バカボンパパ」、だったらバカボンが生まれる前は何て呼ばれてたんだよ!とツッコまれること必至な、ムーミンパパと同じ矛盾を抱えた人物である。

バカボン

 ちなみに、本当の名前は――不明。なにせ、アニメの第1話では警官から名前を聞かれて「バカボン」と答えているし、家と思えば第4話では、背広の注文書の氏名欄に書かれた名前は「パパ」(笑)、電話に出たら「バカボンのパパなのだ」と名乗る始末。
 息子の名前がバカボンなのは確実なので、もしかしたら、パパの方も名前は「バカボン」で、息子の方は正式には「バカボン・ジュニア」だったりして( ̄∀ ̄)。←欧米かっ!

 そしてもう一つ、タイトルの「平面パパ」って何よ?(・_・)?、と頭の中が、はてさてふむ (はてふむー) になる若い方もいらっしゃるかもしれないので、こちらも補足説明を少々。

 アニメ『天才バカボン』の放送終了と入れ替わるようにその年(1972年)に放送開始されたアニメ『ど根性ガエル』の主人公はカエルのピョン吉。

 原っぱにいたピョン吉は、小石につまずき倒れ込んできた地元の中学生、ひろしに潰されてしまう(>_<)――が、「根性」でひろしのシャツに張り付いたまま生き続け、それどころか人間の言葉まで喋れるようになった「奇跡のカエル」なのだ。以後、ピョン吉は「平面ガエル」として生きていくことになる。

 …まあ、こんなシュールな……てか、ぶっちゃけ無茶苦茶なことを「根性」ひとつで片づけてしまうのも考えてみればかなり強引ではあるのだが
( ̄∀ ̄)、そういう時代なのよ、良くも悪くも昭和ってやつは^m^

 昭和といえば、アニメの『天才バカボン』には、いかにも昭和だよなぁ…と言いたくなるようなトラブルがあった。

 バカボンパパは、その名のとおり無職(*1)なのだが、スポンサーの大塚製薬から「一家の主が働かないで生活が成り立っているのはおかしい。設定上ではなくパパが実際に働いているシーンを映像で見せてほしい」などという無茶な要望が出されたのだ。
 制作サイドは苦肉の策として「バカボンパパの職業は植木職人」というアニメ独自の設定をこしらえて、あまつさえ原作にはない植木屋で働いているシーンも多数盛り込ませるという暴挙に出る。

*1:その名のとおり無職:バカボンの名前の由来は、英語の「バガボンド(vagabond)=放浪者」である。

 この「改悪」は、原作者の赤塚不二夫を激怒させ、大いに失望させた。
 そりゃそうだ。バカボンパパは、たまたま設定上「無職」なのではない。彼は「無職 (放浪者) でなければいけない」のだ。このことは、大げさに言うなら『天才バカボン』のテーマそのものといってもいいかもしれない。彼は幸福な世界を気ままにさすらう放浪者なのである。

 そういった意味では、赤塚不二夫の公認サイト「これでいいのだ!!」の質問コーナーでの「Q:バカボンのパパの職業はなんですか?」への回答が実に示唆的だ。曰く――

あるときはサラリーマン、あるときはガードマン、またあるときは、夜鳴きそば屋。果たしてその実体は……。「パパ」であることがパパの仕事です。パパは、収入など野暮なことは気にしていません。

 そう、実はバカボンパパは、ちょくちょくギグワーク(*2)的な仕事はしているのだ。ただし、本人は恐らく「仕事」をしているつもりはないだろう。純粋にその「仕事」が楽しそうだから、興味を抱いたからやってるだけなのだと思う。

 なのに、アニメ制作サイドは、バカボンパパに「植木屋」という手錠をかけた。これは『天才バカボン』の世界観をぶち壊したといっても過言ではないような気がする。そら、赤塚先生、激怒するわなぁ( ̄o ̄)

*2:ギグワーク:1~3時間といった短い時間だけ働き、継続した雇用関係のない働き方のこと。近年需要が増えているウーバーイーツの配達員みたいな形態がその一例と言える。
 ちなみに、ギグワークの由来は、英語の"gig"(一度きりの演奏や短いセッションを表す音楽関係のスラング)+"work"(仕事) である。

 もちろん、スポンサーの「パパが無職なのは子供番組として良くない」という要請は、ヘタすりゃ今のBPO(放送倫理・番組向上機構)よりもはるかにコワい日本PTA全国協議会あたりからの番組内容に対するクレームが多数寄せられていた、そんなことも影響していたかもしれない。

 それでも、だ。だったら、なにも『天才バカボン』である必要はない。早々に番組を打ち切りにして他の作品にすればいい。極端なことを言えば、そうとさえ思える。

 ここらへんのゴタつきやその顛末は、いかにも昭和だ。たぶん、令和の今現在、そんな「無職に対するクレームや要望」があったとしても、
「いやいや、ご覧のとおりパパさん、ちょくちょくバイトしてますから無職じゃないですよ(笑)」
で華麗にスルーだろう。そもそも、こんな不毛なクレームが今時くるとは思えないのだが( ̄∀ ̄)。


 さて、今日の一曲。キーワードは「放浪」ということでおK?
今週の1曲目、松崎しげるで『Wanderer

 "wander"は、バカボンパパの「放浪」よりは、のほほん感がやや薄く、「流離さすらう」といったイメージの方が強い言葉ではあるけど。

 この曲は、OVAオリジナルビデオアニメ『COBRA THE ANIMATION』のED。松崎しげるの熱々のボーカルが存分に堪能できる一曲。


――おっと、今宵ももうこんな時間だ。昨日のシャレにならない切迫感に比べたら多少マシではあるが、相変わらず時間の使い方がヘタクソだ(^^ゞ💦


 そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が、
日常と非日常の区別と分別くらいはつくような一日でありますよう✨


■ おまけ

 今回の画像しりとり列車 (115両目) の前の車両です。タイトル「犬死に」と右下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。

 ■ 参考・出典


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