心が軋む

小さな小さな 子どもが泣いてる

もっと話を聞いてほしい

もっと手を握っててほしい

どうして 家に帰っても
迎えてくれるママは居ないの?

あの子もこの子も
ママと笑って家に居るのに

ねぇ ママ

わたしね きょう

おべんきょう がんばったんだ

せんせいがね はなまるくれたよ

かけっこだってがんばった
ならいごともがんばった
おてつだいも しゅくだいも
たくさん たくさん がんばった‥‥‥

ねぇ おかあさん

いそがしいんだよね
たいへんなんだよね
ママのこと まってるひと
たくさんいるんだもんね

ねぇ パパ

わたし がんばったんだ

さくぶんで ひょうしょうされたよ

にがてな さんすう できるようになったよ

ころんでも なかなかったよ

おふろだって はみがきだって
ひとりでできるよ
くらくても ひとりでねむれるよ
あさも ひとりでおきられるよ

ねぇ おとうさん

がんばってくれてるんだよね
つかれてるんだもんね
パパのこと したってくれるひとが
たくさんいるんだもんね

わかってる しってるよ

だからね いいこにしてるよ

わがままなんていわないよ

おはなしきいてなんていわないよ

ほめてほしいなんていわないよ

つかれてるだもんね
ねむたいんだもんね

ずっと ずっと そうして生きていた
高校生になった小さな子どもは

虐められてる子を助けたよ
代わりに 虐められるように
なっちゃったけど 仕方ないよね

でも、正しいでしょ?

学校辞めることになって ごめんね ママ パパ

『勿体無い』『折角、制服譲ってもらったのに』
『勿体無い 勿体無い』
『いじめなんかに負けるようじゃだめでしょ』

‥‥‥‥‥‥

私ね、たくさんたくさん
耐えたんだ
頭痛が腹痛が吐き気がしても
耳鳴りが周りの音を消すほど鳴っても
足の感覚が無くなっても
頑張って行ったんだ

どれだけ無視されても
雑菌みたいに扱われても
階段から突き落とされても
どんな陰口叩かれても
先生も友達も 誰も助けてくれなくても
頑張ったんだ

人生を終わらせようと
たくさん自分を傷付けた
訳もなく流れる涙を必死に隠して
もう駄目だって ところまで
頑張ったんだ

そっか、伝わって無かったんだね

少女は逃げ出すために
働いた 昼夜問わずに働いた

そしてようやく 逃げ出した

でも、ママとパパがやってきた

そして、過剰な愛を注ぐようになった

少女にとって
既に必要だった時期は過ぎていることすら
気付かずに

ねえ、私ね
今日 誕生日なんだ

朝起きて パパとママにあいさつしたよ

‥‥‥ねぇ、忘れちゃったの?

‥‥‥‥‥‥‥ねぇ、もう眠っちゃうの?

プレゼントもケーキも
要らないよ

『おめでとう』って言葉だけでいいの

『何で誕生日だって言い出さないの!』
って怒鳴られちゃった‥‥

そっか、その程度なんだよね

忙しいと 疲れてると
忘れちゃうくらいの存在なんだよね

私は1度たりとも
忘れたことなんてないよ

友達のも家族のも

大切だって 心配だって
口では言うけど
何でかな あんまりそうとは思えないんだ

ねぇ、気づいてる?
2回目だよ 忘れたの

パパのときも
お兄ちゃんのときも
ママのときも
忘れずに みんなでお祝いしたのにね

『子どもみたいに拗ねないの』

うん、そうだよね
分かってる 

いつだってそうだもんね
欲しい言葉は くれないものね

こころが軋む 音がした。

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更新頑張ります(`・ω・´)ゞ
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うたおり

詩になるか、短編になるか、 社会に対するただの独白になるか‥‥。 主に恋愛(同性含む)、家族をテーマに出来たらと思います。
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