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【五十肩の治し方】治すために必要な知識TOP3

「変なエクササイズより知識は最大の武器になります」
今回の内容は五十肩がテーマです。

※このnoteでは、整形外科医:歌島大輔が医学的根拠をもとに、わかりやく、かつ実践的な医療健康情報をお届けします。
ときどき出てくる「ふんぞり男」とは、その名の通り、ふんぞり返って態度がデカい患者さんです。


僕の外来には、五十肩でものすごく悩んだ患者さんが遠方からもいらっしゃいます。
遠方から来院されること事態は非常にありがたいと感じているのですが、
五十肩で悩まれている方が多いことには、本当に悩ましく思っています。

そして、五十肩の治療についても悩ましいもので、甘くみてはいけません。

しかし、世間では

「このエクササイズ、このマッサージで治ります」

このような情報発信をみると、専門医の立場から言わせていただくと、無責任すぎると思ってしまいます。

ふんぞり男「お前もたくさんそういう動画を出しているじゃないか?」

そうですね。
もし、そう見えてしまったら僕の力不足のため、申し訳ありません。

ですが、原則として五十肩についての知識をお伝えしながら、それだけで治るほど簡単じゃないことをお伝えしています。

そして、どんな特殊なエクササイズより、まずは「知識」が必要です。
五十肩の治療において「何を知っていて、何を知らないか」が、大きな分岐点になると痛感しています。

今回はそんな五十肩の治療の武器となる「治すために必要な知識TOP3」をお届けします。

第3位 五十肩の本質

五十肩の治療を理解する本質として、特に重症で深く悩む人が多い凍結肩の患者さんについて、次の2点をしっかり知ることが大事です。

「何が起こっているか」

「症状に対する本質的な対処法」

この2点の詳しい内容はこちらの動画をご覧下さい。

今回はおおよそのポイントをお伝えします。

五十肩が重症化して凍結肩になるには、肩の関節を取り囲む膜である「関節包」が炎症を起こします。
さらに症状が進行すると、関節包がどんどん癒着してぶ厚くなっていきます。

そのため、本質的な治療をするには、それぞれの段階で方法が異なります。

・炎症が強いときは炎症に対する治療

・関節包がぶ厚くなってきたら、それを伸ばすようなストレッチ

なので、

「とりあえず湿布」

「とりあえずいっぱい動かせ」

このような、とりあえず感が強い治療は論外になります。


第2位 損得感情

テロップミスじゃないです。
「勘定」ではなく、emotionの感情のほうであっています。

どういうことかというと

「損得の視点で感情を使いましょう」

ということです。

こちらの論文(*1)には、五十肩の患者さんのうち、28%がうつ病と診断されたという結果がでています。

もちろん、うつ病の診断基準によって変わってくる数値ではありますが、五十肩がない人と比べたらはるかに多いですよね。

それだけ五十肩は「メンタル」や「感情」との関係が深いことになります。

ただし、五十肩になったからメンタルがやられてしまうことも当然あります。

反対に、メンタルがやられた結果、五十肩になるとは言わないまでも、治りにくくなる傾向は十分にあるでしょう。

自律神経や血管、神経、筋緊張のメカニズムからすれば、当然の話かもしれません。

そのような症状が辛いときは、五十肩を治すときの気持ちが、ポジティブとネガティブどちらが良いかという損得だけを考えてみてください。

この際、感情をコントロールするような難しいことは、一旦置いておきましょう。

症状がつらいとネガティブになればなるほど、つらさの元凶である五十肩も治りにくくなり、悪化するかも知れません。

そのため

「損得を考え、少しでも気持ちをポジティブに持っていきましょう」

ということです。

これをザックリですが「損得感情」という造語で表現しています。


第1位 良い意味でいつかは治る

これは僕がいつも批判している「五十肩なんていつかはほっといても治る」とは違います。
この解説には、こちらの論文(*2)をご紹介します。

五十肩の自然歴と言って、簡単に言うと放っておいたらどうなるかを調べた研究なんですが、約50%でなんらかの症状「痛い」とか「硬い」みたいなものが残ったという結果なんです。

そのため「放っておいても治る」は嫌いな表現なのですが、ここでは発想の転換をします。

何かしらの症状が残ったとされる50%の方々を追跡した調査はありません。ですが、僕の経験的には、残った症状のために

・通院を何年・何十年も継続する

・手術を選択する

という人は、極少数派だということです。

ですから、放っておいても、なんとか治療したいと思うほどの症状は残りにくいってことが言えるかもしれません。
(ここまでくると、表現とか主観の問題も出てきますが‥)

放っておいても、なんとか治したいと思うほどでないのなら、

しっかりと治療すれば大丈夫な気がしませんか?
実際は、そういうことだと思います。

第3位で解説した本質的な知識を持って、しっかりと治療すれば

「良い意味でいつかは治る」

ということが、五十肩においては言えるのではないでしょうか。

ここを理解すると、第2位でお伝えした、損得感情も使いやすいですよね。


まとめ|五十肩を治すためには脳をフル活用しよう

五十肩を治すために必要な知識TOP3をお伝えしました。

特に1位、2位は感情レベルでのアプローチをするうえで大切なことになります。
知識と感情、つまり脳を使って五十肩を治すなんて言い方もできるかもしれませんね。

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参考論文

(*1)
Huairong Ding et al. Psychol Health Med. 2014
A report on the prevalence of depression and anxiety in patients with frozen shoulder and their relations to disease status

(*2)
Frozen shoulder. A long-term follow-up
B Shaffer  1 , J E Tibone, R K Kerlan
J Bone Joint Surg Am. 1992 Jun;74(5):738-46.

歌島大輔 オフィシャルサイト

「人生100年時代心も体も成長し続ける生き方を」

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