見えない世界がわたしに残したもの

みなさん、SNSをどのくらい活用していますか。

Twitter、Facebook、LINE、Tumblr、Instagram・・・このnoteだってそうですね。

仕事でもLINEやFacebook、Instagramなどを使うようになり、時代だなぁと感心しつつたまに面倒くさいなぁと思う事もあります。


このようなSNS、つい最近流行り出したようにも感じますが、振り返るといろいろありましたよね。

わたしの世代では

まず小学校高学年あたりから、Yahoo!ブログが流行りました。歌詞画と呼ばれる画像が大流行していました。

そして携帯電話を持ち始めた中学生の頃に流行ったのは、前略プロフィール、魔法のiらんど、モバイルスペースという無料HP作成サイト。通称モバスペですね。自分ひとりのHPや、仲良しグループで作ったりもしていました。


そして高校生になると、デコログです。それまでのものと比べてデコログの流行り具合は半端ではなかったです。

高校卒業手前くらいからmixiやTwitterが流行りだし、大学生になるとTwiter、Facebookがメインになり、徐々に写真系のSNSが流行り出しました。


だいたい、わたしのような世代はこんな感じだと思います。

しかしここに挙げなかったもので、わたしのまわりにはいなかったけれど、世代的に流行っていたものがありました。

「ぱどタウン」をご存じでしょうか。

わたしが中学生の頃、全盛期を迎えていたと思います。中学校を卒業してからなんとなくサイトを覗いたことがありましたが、もう廃れていました。


ぱどタウンとは、都道府県ごとにページが分かれていて(実際の自分の居住地ではないところでもよい)、土地を持ち家を建て、自分の「部屋」と呼ばれるページを持ちます。その「部屋」は自分の「掲示板」と呼ばれる書き込みをし合って会話をするようなページです。

わたしは中学生の頃、このぱどタウンというものをやっていました。

なぜ始めたのかはよく覚えていませんが、当時わたしはバンドが大好きで、学校などには音楽の趣味が合う友達があまりいなくて、そういう趣味が合う人と会話をしていたような気がします。

当時、ブログやモバスペなどそういったインターネットツールは仲の良い友達=実際の友達とより深く繋がるツールであり、わたしのように顔も知らない人たちと繋がるようなSNSを使っている子はまわりにはいませんでした。

そういうものを「危険だ」という大人はたくさんいましたし、実際、気を付けないと怖いことに巻き込まれるかもしれないという危機感は子どもながらにちゃんと持ち合わせていました。

そこで出会った大切なひとたちを、今でも覚えています。

3つくらい年上の女性と、男性ふたり。この3人と主にやりとりをしていました。

今思えば、そこにいた人たちの年齢も性別も嘘だったかもしれません。俗に「中2病」と呼ばれるような、今で言う「メンヘラ」と呼ばれるような人が多く、傷のなめ合いだと言われればしれまでかもしれないようなやりとりを、わたしはよく覚えているし、おそらく二度と出会わない彼らを、本当に大切に思っていました。


わたしは、彼らのことを何も知らない。

顔も名前も声も住んでる場所も知らない。どんな服装を好み、何が得意で、どんな道を歩き、どんなふうに歌い、何線に乗って家に帰るのか。けれど、顔も名前も住んでる場所も知っているような人たちには見せない部分を、わたしたちはお互いに知っていた。何も知らないからこそ、見せられる部分があったのだろうと思います。


思いを伝えるために、必死で言葉を探した。

そんな日々が、今のわたしに大切な何かを残してくれたような気がするのです。

前に挙げたうちの2人は、ぱどタウンをやめるねと言って、本当に見えないところへ帰っていきました。

今どこで何をしているのか。知る術もありません。

残りの1人とは、かろうじて繋がっています。会おうと思えば会えるけれど、お互いにそれを選ぶことはおそらくないでしょう。彼とも本当の意味で出会うことはこの先ないのかもしれないけれど、それでも何年経っても、薄れても離れてもぼんやりと繋がっているこの関係は誰にも理解し得ないものかもしれないけれど、わたしにとっては宝物であり、あの頃があったから、わたしは今こうして文章を書いたり、言葉で表現したりしているのだろうと思います。

何も見えないから言葉に頼ることしかできなかった世界が、本当に世間一般から見れば「薄っぺらい」と嘲笑われるような世界が、ちゃんとこのかたちある世界で生きていくための大切なことを、多感だった中学生のわたしに与え、残してくれたことを誇りに思います。


インターネットを使った犯罪は絶えないし、「見えない」ことをいいことに、平気で人を傷つける人たちがたくさんいる。わたしはそれが本当に悲しい。自分が良い体験をしたからこそ、そんなふうにインターネットを使っている人がいることが本当に悲しい。


もうSNSの普及は誰にも止められないだろうし、もっともっと快適さ・便利さを求めてもっともっと進化してゆくのだと思います。


わたしがしたような体験は、本当に異例だと思います。たぶん、危険のほうが大きい。

だけどあの頃の彼らを信じているし、どこかで幸せに暮らしてることを祈っています。


いったい何が言いたいのか全く分からない回になっていましましたが、そんなもんなのです。わたしが伝えたいことなんて何もないのです。


utatane.




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