うてま3

身体の衰えと音楽との向き合いの話とか、ハモリの体験とか。

今日は愛媛講座の日7/10

午後からいつもの4人の定期講座でした。
すっかり生活の一部になってきているのがいいです。

ハモリを導入

東京のほうでは、和音を聞き取る分離唱をいいタイミングで始めたことで、体験が大きく動いた、という方がいました。期を同じくして、こちらでも、数ヶ月前から空間の縦を同時に体験する、ということが自然に講座の中に入ってきていたのを今回は一気にハモる、という体験に持ち込みました。

ハモる初体験、というと、メロディの三度下に平行の音を並べる、というパターンが一般的ですが、講座の前にいままでの皆さんの体験の様子を思い浮かべるのに、どうしても、この3度下、が正解ではない気がしました。3度下というのは、メロディに似ているし、始めてしまえばなんとなくはできる。でも、それが、音幅の空間認識という点から考えると、どうも、あれは空間性が身についていく方法ではないな、と。

ヨーロッパでハーモニーが生まれた当初は、オルガヌム、という手法があって、当時はハモるというのは3度ではなくて4度が上限だったのですが、その4度に向かって、最初は同じ音から、そしてすこっしづつ離れていく、といういう別れ方をする、平行でうたうわけじゃないんですね。

その体験ってどんなだろうと想像しながら、それを応用して、同音から入って下は同じ音でただ響かせ続ける、そうすると自分のパートは同じ音だけど、他のパートが変化していくことで、空間がその都度変わっていくから、意識の目覚め方が 平行3度とは違っていく。

私は子どものピアノでもはじめて両手で違うパートとして使うときは、同じ音で、(必ず響のあうメロディで)やってみた経験から、(これで入ると、どんな子も両手で弾け始める、面白いように。)やっぱりこの方法で行こう、と。

それで古い聖歌に基音を響かせる感じから入って、少し移動する下のパートを作ってやってみたら、いい感じに最後まで演奏できてよかった。

絶対ハモりたくない(つられるから)と言っていた人も、気持ちよく両パートできててえらい。

年とともに変化する身体と音楽的向き合い方

それから、講座のあとのおしゃべりのなかで、声楽家のかたが、身体って年とともに変わってくる、だから、20代の頃なんなくできていたことができなくなったときに、歌い方も変えていく。
20代と同じように、と思ってやっていくとだめで・・

ということをおっしゃっていて、奥が深いナーと思いました。

音楽性は体験とともに深まっていく、でも身体は確かに変わっていってしまう。

一人の人の時間の中で、その上行と下行の中でいつも揺れているもので、揺るがない音楽、ってのはないな。それでいいんだな、などと思いました。

年を取れば取るほどに、音楽は楽しくなります。ほんとに。

今日はここまで。
写真を取らなかったので、文章のみ。







愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!