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目安箱や直訴は命がけ!映画『郡上一揆』を見てびっくり、現代でも告発はリスクを伴うのか?

中学か高校の日本史の授業で「目安箱」を学んだ時には、農民や町民たち一般民衆がお上に提言できる仕組みだと理解して「なんて懐が深くて素晴らしい発想なんだ」と感心したものです。

時代劇ドラマ『暴れん坊将軍』のモデルである江戸幕府の第8代将軍・徳川吉宗が亨保の改革の一環で目安箱を設置しました。それでも庶民が将軍にもの申すことは謀反のようなもので処刑されたそうですが、徳川吉宗は目安箱に投書した勇気ある浪人を「このような者を罰してしまえば世の人々は何も言わなくなり幕府にとって損失となる」と許して褒美を与えたという逸話が残っています。

ずいぶん前に市民会館で上映された映画『郡上一揆』(2000年劇場公開)を観ました。緒形直人主演で江戸時代・宝暦4年(1754年)頃に美濃(岐阜県)の郡上藩領で起きた大規模な百姓一揆を描いたものです。そのなかで貧窮した農民たちが目安箱に投函して処刑されたり、書状を手に直訴して処刑される光景があり、私は「え!訴えるのは命がけなの!?」と衝撃を受けたのです。

NHK大河ドラマ『青天を衝け』で主人公の渋沢栄一(吉沢亮)たちが徳川慶喜(草なぎ剛)に直訴した時にことなきを得たのは、慶喜の側近・平岡円四郎(堤真一)の提案だったからでしょう。NHK大河ドラマはできるだけ史実に基づいているはずなので、本来ならば厳罰に処されるであろう直訴の件を安易に描写しているとは思えません。

では平成から令和へと進んだ現代はどうなのか?知人によると職場の時間外労働におけるサービス残業を労働基準監督署に電話で告発したところ、「あなたはそのことを自分で上司なりに訴えましたか?まずは自分で訴えたうえでご相談ください」というような冷たい対応だったそうです。今の世の中でも目安箱や直訴に替わる告発は“首がかかっている”という意味で命がけなのかもしれませんね。


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