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『パンどろぼう』(柴田ケイコ)に学ぶヒットの秘訣【考察】読ませる文章の書き方

「あむあむあむっ」

ども、ゆーしんけんです。いきなりですが、これは子どもたちが食べるふりをするときのオノマトペ(擬音語)です。

私が知っている保育園の先生(私の妻)によると、子どもたちに一番人気がある絵本は『パンどろぼう』だそうですよ。

作者の柴田ケイコさんを特集した『新美の巨人たち』(テレビ東京/3月16日)を見たのですが、絵本のみならず文章を書くうえで参考になることがたくさんありました。

柴田ケイコさんのお人柄やこだわりに触れながら、絵本『パンどろぼう』シリーズの魅力とヒットの秘訣を考察したいと思います。

エッセイや小説などに応用できる、面白い文章を書くポイントをまとめたので、最後までお付き合いください。

親子でハマっちゃう『パンどろぼう』とは


『パンどろぼう』第1弾

『パンどろぼう』はイラストレーターで絵本作家の柴田ケイコさんによる絵本です。シリーズ化されており『パンどろぼうとほっかほっカー』で5作目。現在新作も作成中とのこと。

『パンどろぼうとほっかほっカー』

自ら絵本を出版している“しずちゃん”こと山崎静代(南海キャンディーズ)が魅了されていたように、『パンどろぼう』は大人でも楽しめる絵本なのです。

ネタバレになりすぎないよう、冒頭だけ。

パンが大好きな“パンどろぼう”が世界一おいしいと評判のパン屋さんからパンを盗みます。ところが、ひとくち食べてみたら思ったようなパンではなかったため、パン屋のおじさんにクレームを言おうと店に戻ったパンどろぼう。そこから事態は思わぬ展開に…。

『パンどろぼう』第1弾のさわりだけ


柴田ケイコさんってどんな人?

柴田ケイコさんは大学時代にグラフィックデザイナーの勉強をされました。高知県出身で、地元の動物園には彼女が描いた動物たちのイラストが飾られています。

息子さんがまだ3歳頃に弱視と診断されてメガネをかけることになったそうです。

母として心配になり、「3歳でメガネをかけていてもいいよね」という思いから初めて描いた絵本が、猫のメガネ屋さんを題材にした『めがねこ』でした。

息子さんが小5の頃にその絵本を見せたら「よかったんじゃない。ちょっと遅かったね」と言われたとか。

柴田さんは、他にも子どもさんがメガネをかけている保護者の方々がいるはずだと考えながら『めがねこ』を描いたとのこと。周りを救いたいという気持ちは『パンどろぼう』にも繋がっているようです。


そんな柴田さんは『水木しげる記念館』を訪れて感動の涙を流せば、2012年に第25回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した『ランド』の作者・山下和美さんのファンを公言。趣味の幅が作品に活かされているのでしょう。


絵の作風。画材や手法を公開

柴田さんは『新美の巨人たち』で、実際に絵本を描く貴重な場面を披露しました。

絵に対するこだわりや、どのように読んでもらうか工夫していることも明かされて、いよいよ核心に迫ります。

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