見出し画像

「焦点距離をたたき込む」という使い方

フランスからあけましておめでとうございます。
Bonne année ボナネ!(happy new year)

初心者的にカメラ技術向上を目指しているフランス在住アラフィフ、目下撮影を楽しんでいます。技術の圧倒的な向上はみられませんが、いまは多くを撮って失敗をたくさんして、沢山の良いお手本を観察して……という行為が板に付いてきました。
そんな道中で感じたことを今回お伝えするのですが、お題は「焦点距離」についてです。
あるプロカメラマンがいっていた言葉で「駆け出しの頃、単焦点を使い込んで、焦点距離を体にたたき込んだ」この言葉が妙に腑に落ちたので、自分の体験を交えてお伝えします。

初心者的に、2012年のNEX-5というAPS-Cのカメラを使って腕を磨いているわけですが、買った当初は知識を持たずオートで使っていただけでした。数年後にタンスの肥やしになって以来、10年越しにタンスから出てきた訳なのですが、タンスから出てきてはじめてレンズを購入(35㎜)し、キットレンズの16㎜とともに、1年半ほど使い込みました。キットレンズにはズームもあったのですが、単焦点の二つ(広角寄りの16㎜<E 16mm F2.8>、35㎜<E 35mm F1.8 OSS>のぼけ感と明るさ)が楽しくて、これらばかり使っていました。フルサイズ換算で24㎜と50㎜程度となります。
このレンズを使い分けるのですが、風景、物撮り、問わず、色々試しました。常に二つ持ち歩き、欲しい画角に不足があると足で距離を調整するのですが、足りない場合はその場でレンズを交換、と言う具合です。

サンテティエンヌ国鉄駅舎 
<E 16mm F2.8>広角 初心者の乏しい知識でもそれなりに写ってくれるさすがキットレンズ
駅前ホテル群 <E 16mm F2.8> 広角 F7.0



これを続けた結果、というかそれを狙ったわけではなかったのですが、先述のプロカメラマンが語った「焦点距離をたたき込むためにあえて単焦点を使い込んだ」という言葉が妙に腑に落ちました。
自分にそれをたたき込めたわけではないのですが、ズームレンズを使い始めたことによって、その言葉の意味が腑に落ちました。

前回記事で紹介したとおり、初めてのフルサイズ用ズームレンズ(Zeissレンズ FE 24-70mm F4 ZA OSS)を購入したので、現在はあえてそれ縛りで使い倒しています。レンズの性格を理解したくてあえてそうしているのですが、このズームレンズばかりを使っている最中に単焦点である程度覚えた「画角と距離感の感覚」が撮影中によみがえってくるんですね。
また撮った写真を眺めたときに、焦点距離が何㎜だったかを振り返ると、単焦点のどちらのレンズに近い距離だったかを思い返したりします。
この感覚を持っていると、自分が多用している傾向の焦点距離を理解出来るし、どの距離が好きなのか自分の特徴が見えてきます。(撮影内容がうまいかどうかは別問題です(^_^;)

もう一つ、レンズの能力を知るという点で、以下に紹介する使い方が正解ではありませんが、自分の中で一つの目安になっています。
性能が一世代前のAPS-CにフルサイズのZeissレンズ、この組み合わせはお勧めできるものではありませんが、レンズ性能の違いを実感できます。Zeissに換えてから、解像感が良くなりました。レンズ自体のF値の違いにより、常用域が変わった影響もあるのですが、そういった違いを体感できるのも今は楽しみの一つです。そしてこの物理的なアンバランス感、カメラを持ち歩いているというよりはレンズだけで撮影している錯覚に陥るほどカメラが小さく見えます!


初心者的にはこのレンズの性格の違いと性能を体感できるので、レンズ能力が撮影に占める割合が重要であるということを気がつかせてくれました。おそらく、カメラ性能が新しいと、カメラ、レンズ、どちらの性能の影響で良いものが撮れたのか?自分の能力だったら判別がつかないのでは無いかと思うのですが、その点は比較しやすく、お金を払った満足感が得られます笑。

カメラがしょぼくて当初は持ち歩くのが「恥ずかしかった」のですが、最近はこのアンバランス感が楽しいし、愛おしいです。

サンテティエンヌ市庁舎 単焦点<E 35mm F1.8 OSS> F値3.2 


ズームレンス Zeiss 初撮り
Zeiss 初撮り 解像感の違いを感じた一枚


Zeiss ぶつ撮り F7.1 逆光を露出調整で白飛びさせています 


クリスマスディナー 友人が自宅でソテーしたフォアグラ 
zeiss 64㎜ 珍しく望遠側で撮った使い方 F4,0


リヨン 遠目に見るフィルビエールの丘 ズームレンズ、ソーヌ川越しの寄れるありがたさ
Zeiss 64㎜ F7.1

二輪が好きでレースもやっていたのですが、レンズの違いって、バイクとタイヤの関係に似ていると個人的に感じてます。「カメラ本体はバイク」、「レンズはタイヤ」。タイヤが替わるとバイクのセッティングも変わるし、性格も変わる。タイヤは直接地面に接地するパーツなので車体全体の個性が表れる重要部品なんですが、交換式レンズにも勝手にそんな印象を持っています!

フランスの景色や日常を切り取って紹介しています。お立ち寄り下さい!

https://www.instagram.com/utk_42/?hl=ja

それではまた! à bientôt ! アビアントゥ!

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?