５周年(2021/6/10)という節目を迎えた彼らに対してありったけの愛を綴ってみました。長いのでお暇なときにでも楽しんでいただけると幸いです。（この文章は以前他サイトで執筆し、今回再掲したものです）

まず、ナポリの男たちとは？

「介護疲れに効く動画」をモットーに活動するジャック・オ・蘭たん、すぎる、hacchi、shu3の古参ゲーム実況者4人で構成されるグループです。緩く笑えて見終えるころには自然と元気になっている、そんな優しい栄養剤のような動画の数々が魅力的。この後おすすめ動画やナポリの男たちの魅力についてたっぷり語っていくのでゆっくり楽しんでいただけたら幸いです。

ナポリの男たちの好きなところ

1.根底から滲み出る優しさ

彼らの活動に触れるたびに感じることですが、彼らは本当に優しさでできているんですよね。

メンバー達に向ける優しさとしては、お互いをむやみに否定せずメンバーが語る大体の物事に対して肯定から入ること。自分と違うものの捉え方、考え方だったとしてもよほど常識から外れていたり、倫理に抵触したりしない限り一度自分の中に取り込んで咀嚼する。これはなんてことないように見えてその実とても難しいことだと思います。私自身がかなり言葉に過敏な質でちょっとしたことでもやっとすることが多いのですが、ナポリの皆さんに関しては毎週の生放送や動画を見ていて心に小さな棘が刺さったり、引っかかったりしたことがなくて。時に足を引っ張り合ったり、集中砲火を浴びせたりしながらも終始和やかなゆるい雰囲気で、お互いがお互いを尊重しつつ適度な距離感を保ってくれているからこそこちらも心穏やかに彼らの活動を「生きがい」として享受できているのだと思います。

視聴者に向ける優しさとしては、アーカイブをほぼすべて残してくれたり、グッズを受注生産にしてくれたり、イベントごとがあるときは直接参加できない人のために動画で現場の様子を伝えてくれたり、オンラインシートを用意してくれたりすること。当たり前のようにこの優しさを受け取っていますが、他界隈と比べても本当に手厚いなと思います。4人それぞれがしっかりと芯を持ち、ナポリとして、個人としてのポリシーやこだわりを大切にしつつ、それをぶらさない範囲でこちらに歩み寄ってきてくれていることがとてもありがたいなと。視聴者に媚びることなく、しかし大切にしてくれることがひしひしと伝わってきて彼らの周りは大変居心地がいいなと感じます。

2. 抜群の面白さ

これはもう言うまでもないと思いますが、トークも動画も配信も全部が面白い稀有なグループだなと思います。しょうもないトークがびっくりするほど面白いってすごくないですか？

身体にすっとなじむ安定感のあるゆるい笑いと半端なく爆発力のある笑いを兼ね備えていて面白さに関して全方位に隙がない。生配信や動画の展開も「持ってる」というほかにない抱腹絶倒の奇跡を何度も起こしていて運にも恵まれているなと思います。

やはりこれは個人実況でそれぞれが目も眩むような実績と時間を積み重ねてきたからこそだと感じます。個人実況だけで十分勝負できる実力を持った４人が集まったらもう最強。こだわり抜かれた粒ぞろいの動画を見たら最後、底なし沼に落ちていく。疲れた時でも元気な時でも、どんな時でも見たくなる様々な切り口の動画があるから何かしらの動画は絶対に刺さると思うし、暴言や荒さがほとんど見えることがない男たちのこだわりと気遣いが詰まった優しさと面白さできた動画だから誰にでも勧めやすいというのも長所の一つだと思います。

また、ゲームを舞台にした企画を考えるのが頭抜けて上手いと感じます。ただプレイするだけでも大変面白い魅力の詰まった素敵なタイトルたちを動画として映えるようにはどうすればよいか長年の経験による感覚と度重なる試行錯誤で最適解を導き出している。最新の感覚を取り入れつつも流行りに流されず、本人たちが納得した「面白さ」を提供してくれるところも好きです。

あとは編集が見やすく上手い。音声波形や字幕、わかりやすい企画説明と読みやすい字の大きさにフォント、動画を見ていて意識することは少ないけれどストレスなく見られるのは間違いなく編集者の気遣いとセンスからくるものだと思います。具体例として個人的に塗炭の苦しみで好きな動画を3つに絞って挙げるなら、以下の3動画です。

即死技しかない対戦ゲームで大乱闘(NidhoggⅡ)→３周年記念放送でプレイしていた時にあまりの面白さに涙を流したので動画化してくれてとても嬉しかった覚えがあります。生放送から面白さがさらにパワーアップしたお得な４人の奇声詰め合わせセットなので普段はもちろん、元気がない時でも見るとめちゃくちゃ笑えます。朝ナポ特有のテンション低めのゆるい雰囲気から始まり蘭たんの謎の情けない喘ぎ、すぎるの「ハァハァハァハァ…」のコンビニ強盗がにじみ出る息遣い、hacchiの今まで聞いたことのない「やった～～～～！」の心底嬉しそうな声音、shu3の「ヘェェェェェェェェイ　テェーーーーーー」の元剣道部を感じさせる叫び、蘭たん vs hacchi戦の後の気の抜けたとても楽しそうな笑い声、すぎる vs shu3戦の相手を褒めながら戦っていたところ、すぎる優勝おめでとうのテロップのぬるっとした出方、コントローラーのカチャカチャ音など好きポイントが挙げきれません。

【実況】４人で攻略！シュールな物理演算パズル(Human: Fall Flat)→ナポリの動画の中で一番私がよく見ている動画です。終始わちゃわちゃほのぼのしていて、笑えるところはしっかり笑えて見ると癒されて元気までもらえるほっと一息つけるミルクたっぷりのカフェオレのような存在だと思います。5パートあって好きなところをあげるとキリがないのですが、一番好きなシーンを挙げるとPart3の溶鉱炉でのhacchiさんの「荼毘に付せ！」ですね。HFFは全体的にhacchiさんの賢さと面白さが光っていて大好きなのですが、あそこでこの語彙が出てくるのは天才だと思いました。1つの区切りであるPart3の最後は偶然にしてはロマンティックで素晴らしい音楽も相まって感動します。坊やムーブが多い蘭たん、「詰みのプロ」の真骨頂を見せるすぎる、独特の面白さと面倒くささを開花させたhacchi、和やかな笑い声と半角喋り、ゆうちゃんで存在感を示すshu3が摂取できます。Part3から時間が空いたことで４人の関係性の変化が垣間見えるところもこのシリーズの魅力だなと思います。

【実況】ポケットモンスターGTAの世界へようこそ！(Grand Theft Auto San Andreas(GTA:SA))→私がナポリに一生ついていこうと決めた動画です。初めて視聴した時、笑いすぎて呼吸困難になりかけました。間違いなく人生で見た面白い動画TOP３に入る傑作です。初期の花火のように打ちあがるどっかんどっかん大笑いを体現した作品だなと思います。初手癖が強いモノマネ、珍妙な行動をするポケモンたち、茶番(半笑い)、ぎこちない会話、最初はグー(乱闘)、動画制作の試行錯誤を見せてくれるところ、すべてが刺さります。蘭たんの雑モノマネ、すぎるのマジ笑い、喧嘩腰のhacchi、ふわふわゲラのshu3など初期特有の空気感を味わえる動画だなと思います。

3.失われない向上心と変わらない安心感

いつも予想できない未知の領域に踏み込んでいくから飽きが来ないなと思います。たくさんの視聴者やファンが増えていることは数字が証明しているけれど、驕ることなく現状に甘んじることなく新しいこと、面白いことの方へ歩みを止めずに向かっていくその姿勢を大変尊敬しています。

向上心を失わず常に新しいことに挑戦しつつも根っこは変わらない、「変わらない安心感」を提供してくれるところも魅力の一つだなと思います。新しく取り入れるべきことと残していたほうがいいことの取捨選択の塩梅が大変絶妙だなと。世間の動向や需要、活動場所の移行に伴って動画のテイストや方針が変わるのは当たり前だとわかっていても、変化に対する不安やもう昔の雰囲気の動画は見られないのかと少し寂寞の感情を覚えることがあると思うのですが、ナポリにはそういった感情を抱くことはあまりなくて、常に純度100%の楽しみとわくわく感、そして困惑の感情があるなと思います。

不安や寂しさといった感情はおそらく自分の応援していたグループが自分の手を離れて置いて行かれてしまうと感じることで生まれると思うのですが、彼らは視聴者の心理や反応を予想したうえで、自分たちのやりたいことを貫き通しつつも、ちゃんと懐古の感情にある程度寄り添って動画を出したり説明をしてくれたりするからあまり負の感情を抱かないのかなと思います。

また、刺激が足りなかったり、変化についていけなかったりで私自身が長いこと一つのジャンルに留まったり、同じものに一定の熱量を注ぎ続けたりするのが苦手な質であり数か月先のイベントというとかなり躊躇してしまうのですが、上記の理由もあってかナポリに関してはそんな杞憂を抱くことなく純粋に楽しみにしていられるのがとても嬉しいなと思います。それは彼らがどんな気持ちの時でも楽しめるものを作ってくれるという彼らへの信頼を抱かせてくれるからというのもあると感じます。

ナポリテンの時もそうでしたが、初めは困惑や不安の気持ちが強くても、体感してみると楽しかった、面白かった、感動したなどのプラスの感情が前面に出てくるものづくりができるのも彼らのすごいところだなと。

4.それぞれの環境に合わせた推し方ができる

自分の体感ですがどこの界隈に行っても必ずナポリが好きな人がいる。これってすごいことだと思います。

一番目に好きでも二番目に好きでも、自分の生活スタイルや優先順位に合わせた様々な推し方ができる。投稿頻度が緩やかだから追いやすいし、たとえ忙しかったり、気力が無かったりして配信や生放送を見逃してもアーカイブを残してくれるから置いて行かれる、追いつけなくなる焦燥感や罪悪感を覚えないでいられる。だから自分が望む形で長く緩やかに好きでいられるの、彼らはグループとしての運用方法がつくづく上手いなと思います。

いつ好きになってもいいし、好きになるのをお休みしたっていい。当たり前のことだけれど夢中になると頭から欠落しがちなこのことを彼らの緩やかで自由な気風が教えてくれるような気がします。

私にとってナポリの男たちはずっと好きでいなければならない、配信は全部追わなければいけない、お財布が許す限りお金が払えるコンテンツにはお金を払って全てを知らなければ真のファンではない、そういった一部で蔓延る堅苦しい凝り固まった固定観念を打ち壊してくれた救世主のような存在でした。

ナポリだけに集中して楽しむもよし、好きな音楽をかけながらドライブを楽しむように何かをしながらその片手間に楽しむもよし。様々な深度で入り浸れる今までいたどの界隈よりも心地よいあたたかな陽だまりのような場所だなと思います。

もし今この文章を読んでくださっている方の中にナポリの男たちが気になるけれど、今メインで追って言うジャンルがあるからハマるのが怖くて躊躇っているという方がいらっしゃるなら、長々と述べた通り自分に合わせた推し方ができるフレキシブルなあたたかい場所ですので是非いらしてください。

初めに見るのをお勧めするのはシリーズものなら【実況】４人で攻略！シュールな物理演算パズル(Human: Fall Flat)、単発なら【実況】怪盗を見抜け！暗殺者たちのマルチプレイ鬼ごっこ(Assassin´s Creed)です。個人的な好みを言わせていただくと【実況】4人ですすめ！危険な丸太輸送ミッション【ナポリの男たち】(MudRunner)がサクッと見られるうえにメンバーのらしさと見どころが詰まったニコニコ特有のコメントが光る動画ですのでお勧めです。

5.４人それぞれが最高に魅力的

グループとして魅力的というだけでなく、４人それぞれが異なる魅力を持ったとても素敵な人だったからこそ私はこのグループを好きになったし、飽きることなく好きでい続けられるのだと思います。

自分の生活や活動を配信する義務なんてないのに、奇跡のように面白い４人がインターネット上の視聴者が存在を見守れるところにいてくれてさらに配信までして毎週何かしらの作品を生み出してくれること、日々進化し成長する人間の歩む軌跡をこの目で追わせてもらえることはこの上ない僥倖だと思います。

ゲームへの愛が溢れた、豊かな想像力と発想を待った二次元キャラと見まがうような属性モリモリのおじさん達を愛してやみません。それぞれの好きなものや得意なことがバラバラだからたくさんの新しい世界に出会わせてくれるのも大きな魅力だなと思います。

あと、4人で集まるから面白いというだけでなく、どのコンビやトリオで組ませても安定感と面白さがあってファンがついているのもすごいなと。５年という月日が培った信頼と関係に感動するばかりです。年も育った環境もてんでばらばらのおじさん４人が一堂に会していつも楽しそうに笑いながら緩やかに青春しているの、いいなとなります。最後にそれぞれの魅力を語って終わりたいと思います。

ジャック・オ・蘭たん：卓越したプロデュース力と奇想天外かつ柔軟な発想を持つ一人遊びの天才。蘭たんがいないとナポリは始まらない。蘭たんがいることで個人実況者の集まりから「ナポリの男たち」というグループに変貌すると思います。クソガキ年下ムーブが異常なほど似合いながらもナポリの中で唯一の長子でしっかりするところはしっかりしているところが好きです。実況界の始祖の何がすごいって今までなかったものを新しく「始めよう」と思えるその心だと思うので、ナポリが様々な境地を開拓しているのも蘭たんの精神あってこそじゃないかと感じます。安定感のある面白さと耳馴染みのいい声、時折顔をのぞかせる圧倒的な癖、常に見られていることが念頭にある客観的かつ平らかな視線、情報の整理と引き算、間の取り方の上手さ、ゲーム実況に必要なものを全部持っているなと思います。

すぎる：実況の神様やファンに人一倍愛されている天性の愛され上手。その人柄は多くの人を惹きつけ虜にする大きな魅力を持っているなと思います。普段の動画もさることながら、生配信が世界一面白い。無編集であの面白さと熱い展開、「持ってる」という他ないです。すぎるさんの個人配信を見たことが無い方は是非一度でいいので見てみてください。あまりの面白さに時間を忘れてのめりこみます。感情のままに突き進んでいるように見えて自分を客観視するのがとても上手くて、今自分が何を求められているかの分析が的確だと感じます。キャラクターの心情にしっかり寄り添いながら最善を求めて足掻き続けるその姿が心根の柔らかさと優しさが多分に滲んでいて大好きです。また、人がしてくれた嬉しかったことを鮮明に覚えていたり、人への細やかな心配りができたり、優しさと気遣いの塊という感じがして素敵だなと思います。

hacchi：類稀な語彙力と広範な知識、爆発力を秘めた並外れた才能を持つ感受性の鬼。地球外生命体のような独特な感性の持ち主だなと思います。粗削りだったり癖が強かったりで普通人に勧めにくい処女作からめちゃくちゃ面白い。どの動画も高いクオリティを維持しつつこだわりが感じられる妙妙たる作品群たちで大好きです。一度懐に入れた人のことをとても大切にするところや気を許した人に見せる気安さ雑さ面倒くささにいいなとなります。博識ながら自分の知識にかまけることなく常に知識のアップデートを怠らないところ、一つの物事から常人の倍以上の情報を受け取ってそれを自分のものとしてしっかり咀嚼し血肉とするところ、頭の中の情報を引き出して構築するのが上手いところ、好きなものや興味を持ったことに対するフットワークの軽いところと素直なところを尊敬しています。一挙手一投足が面白いのでナポリに入ってその側面を存分に発揮してくれてありがたいなあと思います。

shu3：息をするように努力する尋常じゃない精神力を持ったナポリのやべーやつ。ゲームに対してかける愛情と熱、面白さと高いクオリティと追及し続ける飽くなき探求心、当たり前のことを当たり前にこなそうと思える強くしなやかな心がとても眩しいです。前述したことや高い技術力を持ちながらも謙虚なところ、仕事を趣味としてこなすことができるところなど思わず劣等感や嫉妬の感情を抱きそうになるほどすごいずっと尊敬している人です。個人配信とナポリの配信を比較すると特に感じますが、自分の中にいくつかスイッチを飼っている感じが謎めいていてとてもいいなと思います。個人配信から覗える物事に対する視線が様々な人生経験の中で培われたであろう成熟したはっとするようなものでとてもためになります。良い雰囲気を作るのが上手くて、長時間配信の時に特にその真価を発揮するshu3がいるのといないのでは安定感と雰囲気の良さが段違いだなと思います。

あとがき

まずはここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。好きなものを自分の言葉で語るというのは自分の思考回路や狭い視野、貧弱な語彙をさらけ出すかのようで気恥ずかしくはありますが、これを読んだ皆様が一か所でも共感してくださったり、彼らの新たな魅力に気付くお手伝いができたりしたならばこれ以上の喜びはありません。５周年ということで好きという感情を削りに削って断腸の思いで何とか５つに収めたのでまだ語り足りないことは多々ありますが、好きを可視化できたこと、そしてその好きを同じ好きを抱く皆様と共有できたことを嬉しく思います。そしてもし余力があればあなたの思うナポリの男たちの好きなところを語りに来てくださると幸いです。これから彼らが歩む道程に数多の幸と喜びが詰まっていることを願いつつ、この文を締めたいと思います。ナポリの男たちの一視聴者から愛をこめて。