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絵本を使った文章の表現力をアップさせる訓練

ビジネスで人の心を動かしたり、ライティングで食べていってる手前、日常のさまざまなコンテンツに触れることを意識してる。

ビジネス書ももちろん大事だけど、表現力とか妄想とか連想とかにはビジネス書以外のものとの接点も増やした方がいいなって思ってて。

そういう意味で絵本をたまに買っています。
絵本って言葉が理解できない子供にストーリーを伝えないといけないものだから、言葉選びがシンプル。

(もちろん絵本はイラストがあるので、イラストのお手伝いはかなり大きいのですが、それでも文章の表現はすごく勉強になります)

その中でもわたしが好きなのはヨシタケシンスケさん。

今回はヨシタケシンスケさんの「あんなにあんなに」って書籍を購入。


ヨシタケさんは「おしっこちょっぴりもれたろう」「りんごかもしれない」などの代表作を出している絵本作家さん。

「あんなにあんなに」は

あらすじは小さかったのに、もうこんなことができるようになった
って感じでお母さんが振り返るストーリー。

あんなに〇〇だったのに もうこんな

っていうフレーズでひたすら絵本が進んいきます。


このシンプルな言葉だけで、泣けるのよ…


イラストとあんなに…、もうこんな。っていう2つの文だけでこんなに泣けるものなのかな?って思うくらい、泣ける。

欲しがってたおもちゃ、飽きてあっという間に埃被ってたな
いないいないばあも見なくなったな

ってこの絵本読んでたら過去の回想が始まる。
秒で涙出てきます。

で、今回はたまに真面目に絵本を使ってどうやってライティングに活用できるかな〜って考えたのでちとシェアしますね。
割と誰でもできる勉強方法なので、やってみてください。


テーマは「イラストが埋めている行間描写を文章で表現する」について。

(そのほかにもこの本からは二項対立だったり、母親の気持ちをリサーチするとか、タイトルの付け方だったり学べるところはいっぱいあります)

絵本の場合は言葉をイラストで補填するんですよね。
視覚的に「あんなに。もうこんな」って文の行間をイラストで埋めることができる。

じゃあイラストが使えない場合って、文章でどうやって描写していくんだろう?

で、イラストを見ながら、文章で表現してみる。
どこかシンプルにできないかと推敲する。


例えばこの場面。

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最初にかんがえた文章はこれ。

あんなに学校帰りに毎日のように友達と遊んでいたのに今はもう家で1人でゲームばっかりしてる。

そんでここからどう言い換えたらよりわかりやすいかな?
よりあんなに→今はの差がはっきりでるかな?って考える。

まず、前半(あんなに学校帰りに毎日のように友達と遊んでいたのに)と後半(今はもう家で1人でゲームばっかりしてる)にわける。

あんなに学校帰りに毎日のように友達と遊んでいたのに
→放課後、毎日友達と遊んでいたのに。
→毎日、友達と遊んでいたのに。

うーん、たいして変わらん。
友達と思いっきり遊んでる感を出したいなー。

やっかいなのは絵本のイラストに引き摺られすぎるとそこに制限されちゃって別の言い回しが出てきにくくなるってことですね。


次に考えたのはこちら。

友達と公園で泥だらけになって遊んでいたのに
→友達とおもいっきり遊んでる感があっていい
→ただ、泥だらけって今の遊び方ではないかな…
友達と公園で顔も服も真っ黒になるまで遊んでいたのに
→うーん、言い回しがくどい?
友達と公園で真っ黒になるまで、と書いたんだけど場合によっては「外が暗くなるまで」って捉えられるかな?

友達と公園で全身真っ黒になるまで遊んでいたのに
毎日友達と公園で、外が真っ暗になるまで遊んでたのに

(という2つの案を出してみる)

公園が不要かもしれない。
この辺は最後の文章合わせの時に調整しましょう。

ちなみにこの表現に正解とか不正解はなくて、自分がしっくりくる感じが出るまで考え続けるイメージです。
少なくともわたしは一つ一つのメールが非常に時間がかかるタイプなのですが、この推敲に時間がかかるんや…

では後半を考えていきます。

後半の今はもう家で1人でゲームばっかりしてる。

基本これで伝わるのですが、文章を短くするならどこをカットできるか考える。
最初は情景描写がわかるように長く書く→そこから短くシンプルにできないかを考える。が1番やりやすいかな。


今はもう家で1人で黙々とゲームばかり。
今はもう家で1人黙々とゲームばかり。


→1人(で)、は黙々との中に連想させるからカットできるか?
→今はもう家で黙々とゲームばかり。

みたいな感じで、推敲しながら1文1文を考えていく。

あんなに友達と全身が真っ黒になるまで公園で遊んでいたのに
今はもう家で黙々とゲームばかり。
毎日友達と公園で、外が真っ暗になるまで遊んでたのに
今はもう家で黙々とゲームばかり。

ふむ。
ここまできて「あんなに」という言葉は最低限の描写があれば不要なことにようやく気づく。

たった1ページからでも結構いろんな表現方法があるよなって気づくと思います。
これだけじゃなしにもっともっとさまざまな角度で表現できます。

絵本の言葉とイラストをどう文章だけで表現するか?
シンプルかつ、必要なことが伝わるように。

絵本をみながら、こんなこともやってみると(マニアックだけど)文章の表現の幅が広がるんじゃないかと思う。たぶん。

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