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銀だこのオペレーションを勝手に考察する

突然ですが、私は銀だこが好きです。

今日も近所のショッピングモールで銀だこを買おうとしたんですが、ちょうどお昼時ということもあり、長蛇の列ができていました。
(※画像はイメージです)

列に並んでいる間は特にやることもなかったので、忙しく働いているスタッフの皆さまの動きを眺めながら、この行列を短くすることはできないものかと思案していました。

銀だこのオペレーション

銀だこのオペレーションを雑に分解するとこんな感じになります。

銀だこは「ふつうのたこ焼き」だけでなく、「てりたま」「ねぎだこ」「チーズ明太子」などのトッピングメニューがあるため、焼き上がったたこ焼きはソースやトッピングをかけない状態で貯めておき、オーダーが来てから仕上げるという仕組みになっています。
また、イートインの場合はトレイに乗せて渡すだけで良いのですが、テイクアウトの場合は持ち帰り用の袋に入れるなどの対応も必要になります。

そのお店では、4名のスタッフが鉄板に張り付いてたこ焼きを焼き、1名がレジの前で注文を受けてお客様にお渡しするところまでを担当していました。

ボトルネックはどこだ?

どれだけ大容量の瓶(ボトル)をひっくり返しても、「首」の部分が狭ければ少しずつしか中の液体は出てきません。ボトルネック(bottleneck)とはシステム全体の中で最も処理能力が低く、それによってシステム全体の処理速度が規定されてしまい部分を意味します。
逆に言えば、ボトルネックを特定してそこを強化することができれば、システム全体の処理速度が向上するということです。

一般的に、ボトルネックの直前に在庫が滞留すると言われています。
このケースでは、焼き上がったたこ焼き(素)がレジの横に並んでいました。
たこ焼きを焼く能力は十分にあるのに、レジの人が注文をさばき切れていないために在庫(たこ焼き)が貯まっている。
つまり、レジの人がボトルネックになっていたのです。

レジの人を増やせば行列は解決するか?

ではレジを2台に増やせば処理速度は向上し、待ち時間は減少するのでしょうか?

答えはYesです。

Yesですが、それをやると今度はおそらくたこ焼きを焼くスピードが間に合わなくなってしまい、レジの人に待ち時間が生じてしまいます。
(注文を受けてお会計も済んだのに、たこ焼きが焼きあがらずに動きが止まってしまう状態です)
結果として、全体の処理速度はさほど向上しないことが予想されます。

さらに言えば、お昼時こそレジの人はフル稼働していましたが、他の時間帯ではお客さんも少ないので、2台もレジは要らないでしょう。また、レジを設置するスペースの問題も解決しなければなりません。

以上を踏まえると身もふたもない話ですが、おそらく現在のオペレーションは熟考の末にたどり着いた最適解ではないかと思っています。
お客様をお待たせすること(列ができること)に関しては、コストとのトレードオフである程度までは受容することを選択しているのでしょう。

とはいえあの瞬間に関しては

レジそのものを増やすのではなく、レジ横に「たこ焼きを仕上げる係」を追加して、受注・お会計と並行してトッピングをすることができれば、だいぶ処理速度は改善したのではないかなあ。

などと考えている間に順番が来て、たこ焼きにありつくことができました。銀だこ、相変わらずおいしかったです。


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