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#猫

ときめかないけど捨てられない

ときめかないけど捨てられない

先だって書いた記事のなかで、自分が病気になったときにひとから言われたことばで傷ついたことはない、てなことを書いた。
でもあとからよく考えてみたら、母の言うことに腹が立ったり、友人の励ましとはとれるものの「今、それ言うか?」と思ったりした記憶がよみがえってきた。

それらの好ましくない記憶は、忘れていたんじゃなくて、容易には取り出せないところにしまい込んでいたらしい。
その内容をここで書くことはお

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傷つきゃしないが、戸惑っちまうのよ

傷つきゃしないが、戸惑っちまうのよ

最近、がんになったひとにどう声をかけるかという話題が目にとまる。がんになった写真家さんやスポーツ選手の影響なんだと思う。

わたしも10年前にがんになったけど、幸いなことにひとから言われることで、傷ついたり悲しくなったり怒ったりという経験はなかった。怪しげな民間療法や宗教を勧められることもなかったし。
有名人だったり人脈の広いひとは、そういうことが多いみたいで大変だなと思う。わたしは有名人でもない

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恐れ多き人間よ! シャー!

恐れ多き人間よ! シャー!

うちの猫を見ていると、このひとに恐いものはないんだなと思う。
いや、彼にも物理的に恐いものはたくさんある。ピンポーン♪と家のチャイムが鳴っただけで「なんだなんだ?」とキョロキョロ落ち着かなくなるし、家のなかに電気屋さんとかガス屋さんとかなんらかの業者さんが入ってこようものなら、ベッドの下に隠れて出てこない。
超チキンな内弁慶である。

だけど、このひと、精神的に怖がることはほとんどないような気がす

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自分の不幸は蜜の味

自分の不幸は蜜の味

公私共にいろんなひとに接しているけれど、人間にとって、自分が幸せであることを認めることは、けっこう難しいのかもしれないと思うようになった。

特別扱いされなかったと文句を言うのはありがちなんだけど、特別扱いしてあげても文句を言う。

とくに急いでもいないし、予約制でもないのに、明らかに混んでいるのに、早くしろなどと文句を言う。

自分ばかり仕事をさせられているとか、部下がまったく仕事のできないやつ

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トレードオフなんてないのだ

トレードオフなんてないのだ

最近、やってることの質はともかく、時間の面で忙しくて肉体的に疲弊している。でも、忙しくてあれもできない、これもできないとイライラすることが少なくなった(締切間近のことが迫っていると、ちょっと焦ることはあるけど)。少しだけど、清々しさすらある。
その清々しさは、忙しさを自分以外のなにかのせいにしていないからだと思う。

なにがきっかけでそうなったのかはわからないのだけど、すべては自分で選んでいるのだ

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猫はかわいいのが仕事

猫はかわいいのが仕事

今日は台風一過のおついたちだった。

倒木で電車が走らないなんてことは、素朴な路線でしかありえないと思っていたら、都心のど真ん中で木が倒れたらしく、来ない電車を待つひとびとがホームにあふれかえっていた。みなさん少々殺気立っている。

わたしは下り電車だったので、電車が来てくれさえすれば普通に乗れそうだった。
いつもは座れない程度には混んでいるのに、今日の下り電車はガラガラで、なんだかゆったり気分で

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フェイスブックをお休みしてみた結果

フェイスブックをお休みしてみた結果

ある日突然「飽きた!」と激しく思い、フェイスブックを3カ月くらいお休みしている。メッセンジャーは使うけど、投稿や閲覧はしない。

よく言われるような、フェイスブックでの友人のリア充自慢が嫌でお休みしているわけではない。
友人が子どもとシャンシャンを見に上野に行こうが、熟年結婚して新婚旅行でハワイ豪華リゾートに行こうが、「いいねえ~」と、あたたかい眼差しで眺めているだけだ。

そんな投稿いちいちをリ

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ニッポンの夏、汗っかきの夏

ニッポンの夏、汗っかきの夏

わたしが言うまでもないことだけど、今年の東京は例年以上に暑い。
「あっつい、あっつい」と何万回言ったかわからない。
こんなに暑いのに、電車のなかで扇子などでぱたぱたとあおいでいるひとや、汗をだらだらかいているひとが意外に少ない。
うなじやもみあげのあたりから汗がぽたぽたと滴り落ちて、落ち着きなくハンカチで汗を拭いているのはわたしくらいだ。
隣に立っている小太りの男性が、涼しい顔でスーツを着ているの

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がんになったらうつ病が治った

がんになったらうつ病が治った

周年記念を覚えておく習慣がないので、あの日から今年で何年たつのかがあやふやだ。8年? もしや9年?
あのときあそこで誕生日を迎えたけど、何歳だったっけ。大台をあそこで迎えたんだか、それとも大台の一歩手前だったのか。

うちにはかわいい白黒のオス猫がいるが、そんな愛猫の年齢もクリニックの診察カードをいちいち確認しなければわからないし、彼の誕生日(拾われっ仔なので、適当に決めた)も、毎年もれなく忘れる

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「ジャッジしない」とはなんと窮屈なことか

「ジャッジしない」とはなんと窮屈なことか

いいの悪いのと決めつけちゃいけないよ、ってな話はよく見聞きします。
そういうことを言う人を、実際に目の当たりにしたこともあります。

いや、まあ、確かにいい考えだとは思うんだけどね。
「それよくない!」
なんてわたしが言っているそばから、
「いい悪いはないんですよ」
なんて仙人みたいな目をして言われても、結局いい悪いを決めつけてることになるんじゃないの? っておもてしまいます。

わたしが理解して

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